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  1. 世田谷区議会 2022-11-30
    令和 4年 12月 定例会-11月30日-03号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    令和 4年 12月 定例会-11月30日-03号令和 4年 12月 定例会 令和四年第四回定例会 世田谷区議会会議録第十九号 十一月三十日(水曜日)  出席議員(四十七名) 一 番  神尾りさ 二 番  佐藤美樹 三 番  そのべせいや 四 番  青空こうじ 五 番  ひうち優子 六 番  上川あや 七 番  くりはら博之 八 番  つるみけんご 九 番  小泉たま子 十 番  あべ力也 十一番  高岡じゅん子 十二番  金井えり子 十三番  田中みち子 十四番  下山芳男 十五番  石川ナオミ
    十七番  宍戸三郎 十九番  津上仁志 二十番  河村みどり 二十一番 いそだ久美子 二十二番 中山みずほ 二十三番 中里光夫 二十四番 江口じゅん子 二十五番 たかじょう訓子 二十六番 真鍋よしゆき 二十七番 上島よしもり 二十八番 菅沼つとむ 二十九番 高橋昭彦 三十番  岡本のぶ子 三十一番 平塚けいじ 三十二番 中塚さちよ 三十三番 藤井まな 三十五番 大庭正明 三十六番 ひえしま進 三十七番 加藤たいき 三十八番 畠山晋一 三十九番 和田ひでとし 四十番  いたいひとし 四十一番 佐藤ひろと 四十二番 福田たえ美 四十三番 羽田圭二 四十四番 中村公太朗 四十五番 桜井純子 四十六番 桃野芳文 四十七番 田中優子 四十八番 おぎのけんじ 四十九番 阿久津 皇 五十番  山口ひろひさ  欠席議員(一名) 十六番  河野俊弘  欠  員(二名) 十八番 三十四番  出席事務局職員 局長     林 勝久 次長     水谷 敦 庶務係長   星野 功 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 岡本俊彦 議事担当係長 菊島 進 議事担当係長 末吉謙介 議事担当係長 髙橋 亮 議事担当係長 阿閉孝一郎 調査係長   佐々木崇  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    中村哲也 副区長    岩本 康 副区長    松村克彦 世田谷総合支所保健福祉センター所長        土屋雅章 北沢総合支所長        木本義彦 烏山総合支所長        皆川健一 政策経営部長 加賀谷実 総務部長   池田 豊 庁舎整備担当部長        佐藤絵里 危機管理部長 大塚 勇 財務部長   工藤郁淳 施設営繕担当部長        小柴直樹 生活文化政策部長        片桐 誠 地域行政部長 舟波 勇 スポーツ推進部長        大澤正文 経済産業部長 後藤英一 清掃・リサイクル部長        蒲牟田和彦 保健福祉政策部長        田中耕太 高齢福祉部長 山戸茂子 子ども・若者部長        柳澤 純 保育部長   和田康子 世田谷保健所長        向山晴子 都市整備政策部長        畝目晴彦 防災街づくり担当部長        笠原 聡 みどり33推進担当部長        釘宮洋之 道路・交通計画部長        青木 誠 土木部長   工藤 誠 教育長    渡部理枝 教育総務部長 知久孝之 教育政策部長 小泉武士 教育総合センター担当参事        平沢安正 生涯学習部長 内田潤一 選挙管理委員会事務局長        渡邉謙吉 総務課長   中潟信彦
        ──────────────────── 議事日程(令和四年十一月三十日(水)午前十時開議)  第 一 一般質問  第 二 議案第八十三号 令和四年度世田谷区一般会計補正予算(第五次)  第 三 議案第八十四号 世田谷区議会議員選挙及び世田谷区長選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例  第 四 議案第八十五号 仮称世田谷区立玉川地域拠点保育園新築工事請負契約変更  第 五 議案第八十六号 財産(防災情報システム用等映像・音響機器)の取得  第 六 議案第 百二 号 職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例  第 七 議案第八十七号 世田谷区立区民センター条例の一部を改正する条例  第 八 議案第八十八号 世田谷区清掃・リサイクル条例の一部を改正する条例  第 九 諮問第 二 号 人権擁護委員候補者推薦の諮問  第 十 議案第八十九号 世田谷区児童養護施設退所者等奨学基金条例の一部を改正する条例  第十一 議案第 九十 号 世田谷区学童クラブ条例の一部を改正する条例  第十二 議案第九十一号 世田谷区立保育園条例の一部を改正する条例  第十三 議案第九十二号 世田谷区立障害者福祉施設の指定管理者の指定  第十四 議案第九十三号 世田谷区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例  第十五 議案第九十四号 世田谷区立公園条例の一部を改正する条例  第十六 同意第 七 号 世田谷区教育委員会教育長任命の同意  第十七 請願の付託     ──────────────────── 追加議事日程  第 一 議案第九十五号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例  第 二 議案第九十六号 幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例  第 三 議案第九十七号 会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例  第 四 議案第九十八号 世田谷区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例  第 五 議案第九十九号 世田谷区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例  第 六 議案第 百 号 世田谷区教育委員会教育長の給与及び勤務時間等に関する条例の一部を改正する条例  第 七 議案第 百一 号 世田谷区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、日程第一 一般質問  二、追加日程第一から第七 企画総務委員長報告、表決  三、日程第二から第六 企画総務委員会付託  四、日程第七及び第八 区民生活委員会付託  五、日程第九 委員会付託省略、表決  六、日程第十から第十三 福祉保健委員会付託  七、日程第十四及び第十五 都市整備委員会付託  八、日程第十六 委員会付託省略、表決  九、日程第十七 請願の委員会付託     ────────────────────     午前十時開議 ○下山芳男 議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 直ちに日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第一 一般質問 ○下山芳男 議長 昨日に引き続き、一般質問を行います。一般質問についての発言時間は、一人十分以内といたします。  質問通告に基づき、順次発言を許します。  四十一番佐藤ひろと議員。    〔四十一番佐藤ひろと議員登壇〕(拍手) ◆四十一番(佐藤ひろと 議員) おはようございます。  それでは初めに、公共施設における二次的防災の備えについてお伺いいたします。  二〇一八年以降の主な風水害と電力の被害状況を分析すると、自然災害の激甚化及び頻発化に伴い、国内に甚大な被害をもたらしています。特に電力の復旧が長期化する傾向も見られ、停電被害の重大性が認識されていることは言うまでもありません。そのためには、必要な設備を必要な時間稼働させる非常用発電機の設置が最適とされています。しかし、灯油やガソリンなどの燃料では、歳月の経過とともに、劣化や産廃処理、さらに危険物として保安監督者の選任も必要となります。  そうした中、最近注目を集めているのは、災害に強いエネルギーとして、LPガスを活用した防災バックアップシステムです。同システムは、あらかじめ備蓄しておいたLPガスを活用して、都市ガスと同じ燃焼特性を持ったプロパンエアーガスと電気をつくり出すシステムです。災害などで都市ガスの供給停止や停電などが起きても、一定期間、ガスと電気を確保することが可能となります。さらに、ガス空調や厨房用のコンロ、シャワー室の給湯器などもそのまま使用できるので、熱中症や風邪予防などが図れ、温かい料理の提供も続けられるとのことです。  先般、区議団で区内小中学校全九十九校に同システムを設置している足立区を視察してまいりました。当初は体育館の空調設備設置の検討の折、あわせて災害時の避難所対応としてのフェーズも兼ねて導入を決定したとのことです。特にLPガスは劣化しない、省スペースで保管も安全、法律上危険物には当たらず、メリットが大きいことが主な要因とのことでした。区においても、災害後、最低でも七十二時間をしのぐための二次的な電源供給の備えは不可欠ではないでしょうか。  そこで質問いたします。災害時、避難所となる区内小中学校全九十校に設置されている設備は、ガスを電源にしたものと電気を電源にしたものが混在し、さらに電源自立型であったり、非常用電源がなかったりと仕様が様々です。災害時における公共施設や避難所運営に伴う二次的防災の備えとして、LPガスを活用したシステムの導入も急ぎ検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、小学校における情操教育の在り方についてお伺いします。  情操教育とは、感情や情緒を育み、創造的で個性的な心の働きを豊かにするためとされる教育及び道徳的な意識や価値観を養うことを目的とした教育の総称です。その一環として、ここでは動物飼育の在り方について言及をいたします。  小学校学習指導要綱では、動物への関わりが深まるよう、継続的な飼育を行うようにするとされています。この文部科学省の指導により、動物との触れ合いを通し、子どもたちに思いやりの心を育むことを目的に、全国の小学校において学校飼育動物が行われています。動物を継続的に飼育することの教育効果としては、愛する心の育成を図ること、人を思いやる心を養うこと、命の大切さを学ばせることなどが概念的に挙げられており、これら教育的効果は科学的に評価したもので見ても明らかとなっています。  しかし、区内でも動物飼育実施校は現在三十三校となっており、継続的に確実に実施すべきとされている動物の飼育環境が、各学校の現場において体制が整えられているのでしょうか。教職員の負担軽減や鳥インフルエンザなどの感染症予防のため、ウサギやモルモットなどの飼育割合も減少しており、魚類を飼育する学校が増えているとのデータもある中、今後適正な飼育環境をどのように維持できるのか、大きな課題だと考えます。  そこで質問いたします。今後、気候変動による苛酷な気候条件や管理不十分により、学校動物が犠牲にならないようどのように両立できるのか、学校規模などを踏まえた明確な指針を示すべきだと考えますが、教育委員会事務局の見解を求めます。  次に、土砂災害特別警戒区域の解消に向けてについてお伺いいたします。  先般、大蔵四丁目にお住まいの方から、自宅の建て替えを検討していたところ、裏手斜面地が土砂災害特別警戒区域、いわゆる通称レッドゾーンに指定されていることが判明し、土砂を防護する擁壁を築造しなくてはならないとのことでした。区域を指定した東京都に確認したところ、管理者である世田谷区に問い合わせるよう促され、その後、区へも相談したところ、指定解除の基準も明確に示されておらず、すぐには対応できないとのことで、結局、費用や工期が大幅に増えることから、建て替えを断念せざるを得なくなり、やりきれない思いが募るばかりとのことでした。  同区域の指定は土砂災害防止法によるもので、毎年のように全国各地で発生している土砂災害から人命を守るため、土砂災害防止工事などのハード対策と併せて、危険性のある区域を明らかにして、開発行為の制限等、ソフト的な対策を充実させていくことが目的で行われています。区内においては、土砂災害特別警戒区域及び警戒区域が東京都より指定されています。特に特別警戒区域については、建築物に損壊が生じ、住民に著しい危害が生じるおそれがあるとしながらも、これまで一向に対策が講じられていません。当該区域にお住まいの方々の不安は募るばかりではないでしょうか。  そこで二点質問いたします。一点目に、御相談のありました大蔵四丁目の当該区域については、特別警戒区域の指定の状況と、あわせて今後どのように解消へ向けて取り組むつもりなのか、見解を求めます。  二点目に、区内全域でも同様に特別警戒区域の指定エリアについて整備を進めていくのか、地質調査に基づき対策を講じ、解消もしくは危害が生じるおそれが払拭できるのか、方針を速やかに定めるべきではないでしょうか、区の見解を求めます。  最後に、木材の活用促進についてお伺いいたします。  公共建築物等木材利用促進法が二〇一〇年に施行されました。これに基づいて公共建築物における木材利用に関する基本方針が策定され、国が整備する低層の公共建築物は、原則として全て木造化を図る方針が掲げられています。さらに、昨年十月改正された同法では、脱炭素社会の実現に向けた木材利用の意義について基本理念が追加されたのをはじめ、対象が公共建築物から民間施設を含む建築物へ拡大されています。さらに、木材産業に関わる事業者に対して、木材の安定供給に努めるよう定められています。  そうした中、ビルなどの新築時に国産木材の使用を促す先進的な港区の制度では、区と協定を結び、木材調達に協力する自治体が増えており、二〇一一年の制度スタート時は三十二市町村だったのが、今月一日時点で八十市町村と倍増しています。この制度はみなとモデル二酸化炭素固定認証制度で、地球温暖化防止に貢献するのが目的で、港区内で延べ床面積五千平方メートル以上の建物を建てる建築主に対し、区は一定量の国産木材を使うよう求めています。世界的な経済の不安定や物価高騰に伴い、国産材への回帰が問われる中、産地にとっては地元産材のPRや都心部への販路拡大につながる魅力があり、今後も活用が広がることに大きな期待が寄せられています。  そこで質問いたします。地球温暖化や脱炭素化など、地球環境が抱えている問題に対して、具体的に問題解決に向けて取り組まなくてはいけない局面になりつつあります。世田谷区でも、既に公共建築物等における木材利用推進方針が策定されているにもかかわらず、取組が一向に見られません。世田谷区における木材活用をどのように促進していくのか、見解を求めます。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎大塚 危機管理部長 私からは指定避難所等における二次的防災の備えについて御答弁いたします。  指定避難所の運営に当たりましては、感染症対策などと並び、熱中症対策は重要な課題であると認識しております。この間、区立学校の体育館、格技室は指定避難所としても使用することを踏まえ、空調設備の設置を進めており、そのうち小中学校三十九校におきまして、停電時でも稼働する自立運転可能なガス式の空調設備を採用しております。  区といたしましては、今後さらに整備を進めていきたいと考えておりますが、それと同時に、様々な整備手法がある中、その選択によって運営コストや環境負荷など、将来に向けた負担が大きく替わることから、学校の規模や施設、設備の更新スケジュールなども考慮の上、適切なものとなるよう比較検討する必要があると考えております。  議員お話しのLPガスによる発電システムにつきましても様々なメリットがあり、比較検討すべき手法の一つであると考えられるところです。また、既存の非自立型の設備への自立型発電システムの併設につきましても、整備を効率的かつ迅速に進めるための導入手法の一つとして考えられるところでございます。関係所管と連携いたしまして、最善の選択となるよう検討を急いでまいります。  以上です。 ◎小泉 教育政策部長 私からは小学校における動物の飼育についてお答えいたします。  小学校における動物飼育については、学習指導要領において、生き物への親しみを持ち、生命の貴さを実感するために、継続的な飼育体験をすることが示されています。また、動物の管理や繁殖、施設や環境などについて配慮するよう示されており、具体的には、獣医師等の専門家との連携、休日や長期休業中の世話、外来生物等の取扱い、感染症などの病気の予防、子どものアレルギーなどの対策を講じることが学校に求められております。教育委員会といたしましては、これらの対策が適切に行えない場合には、その動物を飼育するのを控える必要があると考えております。つきましては、動物などの命が関わる大切な授業のため、改めて各学校における飼育環境や飼育体制の実態を把握し、取扱いを検討してまいります。  以上でございます。 ◎釘宮 みどり33推進担当部長 私からは大蔵四丁目における土砂災害特別警戒区域の解消に向けた取組についてお答えいたします。  大蔵四丁目の大蔵運動公園をはじめ区立公園等における土砂災害警戒区域については、国分寺崖線上を中心に現在二十一か所が指定されております。区では、これまで世田谷区がけ・擁壁等防災対策方針に基づき、巡回や定期点検を継続的に実施し、補修等を実施してまいりました。また、新設や改修のタイミングに合わせ、二か所ほど斜面の保護対策も実施してきたところでございます。  議員お話しの箇所は、大蔵運動公園陸上競技場の南側に位置し、樹林を形成する自然斜面です。当該斜面の下方は、対象となる民有地と並び、都市計画緑地として既に区が購入している敷地があり、その一部については令和五年度末の開園を目指し整備していく予定がございます。区といたしましては、この緑地整備を令和五年度以降も順次進める中で、当該斜面の対策が可能か検討してまいりたいと考えております。まずは今年度、斜面の簡易調査や測量などを実施し、次年度以降には斜面の保護対策に向けて設計段階の検討につなげてまいります。また、対策工事に際しましては、がけ・擁壁等防災対策方針にあるとおり、国分寺崖線の貴重な緑の保全と両立する補強工法を採用してまいります。  以上でございます。 ◎笠原 防災街づくり担当部長 私からは、土砂災害特別警戒区域内の区が管理する崖、擁壁の対応について御答弁申し上げます。  土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域は、土砂災害防止法に基づき、議員のお話しのとおり、都道府県が指定しております。土砂災害防止法は、国民の生命や身体を保護するためのソフト対策として、危険性のある区域の周知、警戒避難体制の整備などを推進する目的で定められております。このうち土砂災害特別警戒区域では、急傾斜地の崩壊等が発生した場合に、建築物に損壊が生じ、住民等の生命または身体に著しい危害が生じるおそれがあると認められる区域で、特定の開発行為に対する許可制、建築物の構造規制等が行われます。  区が管理している崖、擁壁については、世田谷区がけ・擁壁等防災対策方針に基づきまして、日常の維持管理業務に加え、専門家による定期点検を実施し、必要に応じて対策を行うなど、安全管理に努めております。土砂災害特別警戒区域内の崖、擁壁につきましても、点検等で把握する危険性などの状況に応じて、公園や道路などの整備時期など様々な機会を捉え、特別警戒区域の解消に向け、適宜改修を行うとともに、がけ・擁壁等防災対策方針の改定も視野に入れ、対応方針等について検討を進めてまいります。  以上です。 ◎小柴 施設営繕担当部長 私からは公共建築物への木材の利用について御答弁申し上げます。  令和三年十月に脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律が施行され、地方公共団体の責務として、その整備する公共建築物における木材の利用に努めなければならないとされています。世田谷区では、令和二年四月に世田谷区公共建築物等における木材利用推進方針を定め、建築基準法等により適当と認められ、利用目的等に支障がない範囲で積極的に国内で生産された木材を使用するとしております。  世田谷区の国産木材の利用実績といたしましては、羽根木プレーパークのリーダーハウスの木造による建築、その他の施設においては、戸棚やロッカー、書架など、造作材の使用が主になります。CO2削減の環境対策の観点で、木材活用による公共施設整備は重要であり、公共建築物の整備に適した国産材の安定確保を考慮に入れて、御紹介いただいた港区の仕組みも参考に今後検討を進めてまいります。  木造化、木質化にかかる整備費、維持管理経費増につきましては、公共施設等総合管理計画の財政目標も踏まえた上で、千代田区や目黒区などのように、森林環境譲与税の活用なども視野に入れた取組を進めます。今後とも木材の利用促進の意義や効果等も考慮した総合的な判断により、木造化が可能な施設の検証や工事仕様書への明記など、利用者や区民に木材利用促進を御理解いただきやすい公共施設の整備を推進してまいります。  以上です。 ◆四十一番(佐藤ひろと 議員) 一点、保坂区長に再質問いたします。  木材の活用促進について、二〇二五年の大阪万博の会場になる夢洲の大屋根は円周約二キロの木造建築物です。令和七年には日本橋に地上十七階建て、七十メートルの木造建築物ができます。これから地球温暖化の要因となっている二酸化炭素も含めた温室効果ガスの濃度をどうやって安定させ、減少させるか。これについては、自治体として、トップとしてぜひ取り組んでいくべき課題だと思いますが、保坂区長の見識をお伺いして、私の質問を終わります。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 佐藤議員の再質問にお答えをいたします。  公共建築における木材利用を推進せよという御質問でございます。ただいま施設営繕担当部長から御答弁申し上げましたが、CO2削減や環境対策の観点で、公共施設整備における木材活用は、区として取り組むべき重要な課題であると考えています。御指摘あったように、昨年十月に建築物木材利用促進について、これは法律となり、地方公共団体の責務となっているわけですから、やらない理由はないというふうに思います。公共施設に木材建築を活用することで、CO2削減に向けた区の姿勢を内外に示し、区内の民間の需要を喚起していく、そういった役割が公共建築物にはあるというふうに考えております。  一方で、議員お話しのように、木材活用による財政負担の問題は考えなければいけません。しかし、環境負荷軽減やCO2抑制のメリットも併せて判断をしていく必要があると考えています。今後の学校教育施設整備のスピードアップや、例えば児童館が今、生まれて間もない乳幼児のシームレスな子育て支援、こういったことも含めて変わろうとしているときでございますので、こういった新たな需要を引き込んで、環境面における性能を向上させた公共施設のZEB化に向けた取組という意味でもやる価値はあると思います。  公共施設全体の財源の配分でありますけれども、森林環境譲与税の活用なども含めて、様々な可能性を視野に、世田谷区において木材を使った公共施設建設、これはずっと立ち止まっていいというふうには全く思いません。具体的に開拓をし、実現ができるよう指示してまいります。
    ○下山芳男 議長 以上で佐藤ひろと議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、四十四番中村公太朗議員。    〔四十四番中村公太朗議員登壇〕(拍手) ◆四十四番(中村公太朗 議員) 国や自治体が交付をする各種補助金は、様々な団体や個人が展開する準公的活動をサポートし、行政に代わって地域への貢献を促進するという税金支出である一方、不正行為とそれを見抜けないずさんなチェック体制、また口利きや既得権益の絡みやすい体質などでたびたび問題が生じてきました。世田谷区は年間二百億もの補助金が交付をされており、これは一般会計予算の五・八%を占めますが、同様の問題を抱え、効果検証の在り方などの課題も多く、無駄な税金の是正という観点からこれまで幾度も指摘をしてまいりました。  今般発生した区内スポーツ団体における都補助金の不適切な使用については、当該団体が悪いのはもちろん、補助金の窓口となっていた外郭団体及びそれを管理すべき区にも相当の責任があり、猛省をすべきです。まず今回の問題について詳細な経緯の報告を求めます。  その上で、財団が見抜けなかった不正を東京都に指摘されるという恥ずべき状況となったわけですが、なぜこのような事態が起きてしまったのか、明確な答弁を求めます。また、区はふだんから外郭団体に対してどのような指導と監視をしてきたのか、併せて伺います。  加えて、極めて不安を感じるのは、このようなずさんな環境の中、果たして区の税金で実施されている補助金のチェック体制は本当に大丈夫なのかということです。今回の事態を受けて、いま一度全ての補助金に対する早急かつ徹底した点検が必要ですが、区の考えを伺います。  もう二度と不正を起こさせない、不正を見逃すことがない体制に向けてどのような改善策を実施するのか伺い、次の質問に移ります。  前回の一般質問においてもスライド条項について取り上げ、物価等の急激な変動に基づく契約金額の追加や変更で受注業者を保護するこの制度は、今まさに必要な対策だと申し上げました。あれからさらに異常な円安が進む中、日々厳しくなっている中小企業の悲鳴が届いています。第三回定例会で問題提起をした本庁舎等整備工事におけるスライド条項の適用は全体スライドと区分されるものですが、公契約におけるほとんどの案件は単品スライドの適用対象ではないかと思います。基準日以降に残工期が二か月以上ある工事で、工事費の一%は受注者負担になるものの、幅広い資材を対象にスライド条項が適用される制度ですから、中小企業の切実な声を受けてどのように実施をしていくのかが非常に重要になってきます。  その上で三点質問及び指摘をしたいと思います。  先行き不透明な中、月をまたぐどころか、一週間単位で急激な変動が起きかねない社会情勢の中で、残工期が二か月を切ったタイミングでの資材調達が発生をした場合、正当な理由と確かな証明書等があったとしても、スライド条項の適用はされないのか、区として金額変更に応じる余地はないのか、伺います。  事業者側にとって死活問題にもなりかねない状況の中で、スライド条項の説明や相談における行政サイドの親切でない対応の声が届いていますが、スライド条項の目的、本来趣旨が現場の職員まで徹底されているのか疑問です。所管を超えてスライド条項が必要な背景への理解促進、親身になった手続を徹底する庁内の取組が求められると考えますが、区の見解を伺います。  同時に、先ほどの補助金とも共通をしますが、残念ながら申請における不正の可能性もゼロではありませんから、そのチェック体制は万全を整えなければいけません。不正を見逃すことなく、本当に困っている事業者へ財源を有効活用できるよう、誠心誠意努力を重ねていただきたいと思いますが、区の見解を伺います。  公有地の有効活用については、土地開発公社保有の土地や道路代替地など、これまで具体的な事例を挙げながら活用の徹底を提案してまいりました。しかしながら、区内にはいまだに未利用公有地が散見をされる残念な状況です。もちろん計画が直近に迫り、転用する時間的余裕がないケースもあるでしょうが、一年限定だとしても、事業者によっては手が挙がる可能性があり、税外収入確保のチャンスを逃すことに正当性は存在しません。公共施設の空きスペースにおいても同じことが言えます。活用の可否を管理所管それぞれに任せることで、所管にとってのメリットがなく、一向に進展のなかった状況を指摘し、オープンデータ公表の進捗と併せて、領域を超えた情報の一元化がされるまでは前進をしましたが、その情報が誰でもアクセスできるように周知をされ、官民連携の促進と税外収入の確保につながらなければ意味がありませんから、まだまだ取組が甘いと言わざるを得ません。区内の未利用公有地や空きスペースの現況、広さ、画像、事業者側が民間活用を検討するに当たって必要な情報が見やすく整理した一覧を常時ホームページに掲載し、積極的な周知を図るべきと考えますが、現在の状況と区の見解を伺います。  最後に、区有地売却における競争性の確保について質問します。  豪徳寺にある旧厚生会館が一般競争入札における売却の公告期間中となっています。これまで区内の公有地について、一度手放せば入手は極めて困難であることから、役目を終えたり複合化や移転で空いた公共施設であっても、他の用途への転用を大前提とし、極力財産を確保する姿勢が必要であると申し上げてまいりました。これは今後よほどの状況変化がない限り変わることがない基本的なスタンスです。一方で、今回売却が決定をし、入札が実施をされている以上は、ふるさと納税をはじめとした区財政へのダメージを少しでも軽減し、財源不足で区民サービスの低下を招かぬよう、なるべく高額で落札されるような努力が必要と考えます。それには大手も含めた多くの事業者が参加してもらえるように、本件の情報が広く発信されるべきですが、従来の役所業務の流れでは、区のホームページの一部にひっそりと掲載されるだけではないのかと心配をします。どうやら区内の不動産団体などへは情報が出回り、そこそこ浸透しているようではありますが、最低売払い価格が七億五千万円にもなる入札ですから、区内外問わず、大手を含めた効果的な競争となるような情報提供が重要です。多数の応札を促進するための周知はどのように工夫をされているのか、区の取組を伺います。  また、もう一つの懸念は、元公共施設だった場所が、売却先によっては公序良俗に反する利用がされかねないという点で、近隣に住んでいる区民にとっては非常に気になることかと思います。入札参加要項の契約に当たって付される条件には、無差別大量殺人行為を行った団体の関係や風俗営業等が規制の対象に入っていますが、いずれも契約締結から五年間の縛りしかありません。これはあくまで売買契約上の条件であって、期限が経過した後も、別の法律や条例によってしっかりと規制が続くのかどうか伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎大澤 スポーツ推進部長 私からは都補助金不正利用の件について御答弁をいたします。  東京都と東京都体育協会が共催する事業におきまして、世田谷区体育協会としての役割を担うスポーツ振興財団の加盟団体の一つが、分担金について不適切な会計処理を行ったものでございます。具体的には、虚偽の金額を記載した領収書を作成し、分担金対象経費を実際に支払った額より多い額で請求した上で、本来交付対象とはされていない経費に充当していたものでございます。この件につきまして、収支報告のものを団体から入手していたにもかかわらず、組織としてその事実を把握していなかったとも考えられ、財団としての指導監督責任を十分に果たしていなかったものというふうに考えております。  なお、これら分担金は、東京都体育協会からスポーツ振興財団を経由して当該加盟団体に支出していたため、財団から東京都体育協会に返還した上で、同額を当該加盟団体から返還を受けているところでございます。  財団からは、今回の事態を受け、今後は分担金を活用する団体に対し、申請の段階で分担金交付対象の有無や留意点等を詳細に説明し、かつ公金取扱者の設置などを求めていきます。また、事業実施後の報告時には、必要に応じ写真や現物、現地調査などの確認を行っていくとともに、財団も適正な事務執行を行うために、会計処理に関する確認体制や財団内のガバナンスの強化を図っていくなどの再発防止策を講じていくとの報告を受けております。  以上です。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは区の補助金チェック体制について御答弁いたします。  区では、補助金交付規則に基づき、各所管において必ず個々の補助金ごとに交付要綱を設け、補助の対象者や事業、経費等を明確に定め補助事業を実施しております。補助金の執行に当たり、交付申請書を適正に審査した上で交付決定を行ってございます。補助事業が終了した際には、補助事業者に実績報告書の提出を求め、補助事業の成果や収支計画に関する事項等を確認の上、補助金の交付が適正であったか審査を行ってございます。また、事業執行に問題があれば、補助事業者に対し是正を行い、さらに虚偽や不正等に該当する場合には交付決定を取り消すなど、厳格に審査を行ってきてございます。  また、所管チェックにおきまして、毎年度当初の予算執行に関する依命通達等において、補助金の執行に当たり、交付申請の受理決定から精算に至るまでの事務処理を適正に行うこと、補助金の適正な執行と公平性、透明性の確保に努めること、財政援助団体に対して適切な指導に努めることなどを周知してございます。今般の外郭団体における事案を重く受け止め、今後も外郭団体を含め周知徹底を図ってまいります。  以上でございます。 ◎工藤 財務部長 私からは三点順次御答弁申し上げます。  まず一点目、スライド条項の適用拡大についてでございます。  工事請負契約では、契約約款において、物価などの急激な変動によって契約金額の変更を行ういわゆるスライド条項が定められております。区は、発注工事への資材高騰の影響が懸念される今般の状況に鑑み、本年六月には適用対象資材を拡大するとともに、請求方法などの運用を整理し、区ホームページや事業者への通知及び個別説明で周知を行ってまいりました。  制度の運用においては、契約変更手続を適正かつ円滑に進められるよう一定の基準を設けており、工期末の二か月前までに請求を行う必要があるなどの条件がございます。こうした既定のルールは国の運用方法に準じて定めているものであり、制度の安定性からも個別の案件ごとに変更することは考えておりません。  また、スライド金額については、適正の根拠に基づき決定する必要があることから、事業者から資材の購入数量、単価、時期を示す証明書類などを提出いただき、妥当性を確認した上で算定しております。  このように、適正な運用を前提にしながら、スライド条項の制度趣旨を十分踏まえ、事業者の皆様が請求の機会を逃すといったことがないよう、改めて工事監督所管にも徹底し、請求方法や請求時期などを含めた丁寧で分かりやすい説明と支援に努めてまいります。  続きまして、二点目、公有地有効活用についての御答弁です。  区は、平成十八年に公有財産有効活用指針を定めて以来、毎年度全庁的な現況調査を行い、有効活用を図るべき区有地等の認定及び利用計画案を策定して、有効活用を進めることとしているところです。調査では、三年以内に行政用途を廃止するものや、将来にわたり行政用途が見込めないもの、また、本来用途に供するまでおおむね一年以上を要するなどの区有地などを洗い出し、未活用の状態にあり、有効かつ適切な利用を促進すべきと判断した区有地などについては、これまでも売払いや他の事業での活用、有償による貸付けや使用許可での暫定利用など、有効活用を図ってまいりました。その結果、今年度も約千二百ある全施設のうち約二百施設の区有地等を洗い出しましたが、既に事業計画が存在するもの、代替地として事業協力者へ売払いやあっせん中のもの、補助金活用による用途制限のあるものなどを除き、また、これまでの取組で有効活用されている六十件を外したところ、最終的に有効活用検討の対象となった区有地などは三件にまで減少しています。  そこで、さらなる有効活用につなげるため、この絞り込みの中で、活用困難として有効活用の対象外として扱ってきた区有地などを含め、来年度からは現況調査の集約結果に基づき、未利用区有地などを広く一般に公表し、民間の視点による新たな活用方法の提案を募集する方向で準備を進めております。  続きまして、三点目、区有地売却に関連しての御質問です。  区有地を一般競争入札にて売り払うに当たっては、これまでも区のホームページや「区のおしらせ せたがや」を通じて広く公表してまいりました。さらに、区内関係団体を通じて不動産事業者に周知するほか、区内で本件と同規模の土地取引実績のある事業者にも個別に情報提供し、入札の参加を呼びかけております。  一方、この入札の参加資格が、無差別大量殺人行為を行った団体や暴力団を含めた欠格条項に該当しないこととしており、必要により信用調査等を行うなど一定の審査を実施します。また、売買契約に付する条件として、従来より暴力団に関しては無期限、無差別大量殺人行為を行った団体及び風俗営業などについては一定期間利用させないこととしております。しかしながら、御指摘の周辺地域の安全安心を確保する観点から、本件の売買契約締結に間に合うよう、この利用制限の設定についての見直しを含め至急検討し、調整を図ってまいります。  以上でございます。 ◆四十四番(中村公太朗 議員) まずは補助金の不正利用についてですけれども、今回、領収書を改ざんをし、本来でない多額の補助金を受け取ったということで、極めて悪質なケースだと思うんですけれども、これは、例えば区の答弁では、今返還をさせたということで終わっておりますが、これ以外何のペナルティーもないんですか。例えば、もしくは団体の役員が交代をするとか、もしくは補助金の申請資格が数年間失われるとか、そういったようなペナルティーは全くなしで、返還さえすれば何もないという状況なのか、まず伺います。  それから、スライド条項についてですけれども、制度は制度で理解しますけれども、あくまで国の運用に準じて案件ごとの変更を考えていないといいますが、これは、本来はこの厳しい状況の中の中小企業を救っていくという大前提でできている制度だと思うんですが、そういった観点からいけば、真っ当に仕事をしていて、かつどうしても残工期二か月以内の資材調達というのは、聞いていると、どうしてもあり得るわけですよ。そういうところに対しては、やはり柔軟な対応を検討して、救っていくという大前提のルールからの逆算で対応していくべきなんじゃないかと思いますが、もう一度答弁をお願いします。 ◎大澤 スポーツ推進部長 再質問にお答えいたします。  現在、スポーツ振興財団では、この件を受けまして、東京都体育協会のほうに再発防止策のものを今後提出するというふうに聞いております。それを受けて、区のほうにも報告が上がるというふうに聞いておりますので、そういった部分も含めて、今言った部分も財団内、どうしていくのかという部分も含めて対処してまいりたいというふうに考えております。  以上です。 ◎工藤 財務部長 ただいまいただきましたスライド条項の適用なんですけれども、確かにこの日本の経済状況の中で、これほどまでに急激にインフレが進行したといったような状況が、この間、長期間にわたってあまりなかった。現在、国のほうで用意されているこのスライド条項の制度、これが、じゃ、十分に機能しているのか、実態に照らして不足がないのかといったことについては、確かに検討していく必要がある部分だと思います。ただ、国等との整合性等々もございますので、あらゆる機会で御指摘の観点でいろいろな検討をしてまいりたい、そのように思います。  以上です。 ◆四十四番(中村公太朗 議員) もう一回補助金の件を聞きますけれども、これだけ極めて、完全に悪質ですよね、これ、領収書を改ざんしているんですから。それに対して、今伺っていますみたいなことで本当にいいんですか。これは全く抑止とか防止策にならないじゃないか。むしろこれだけのことをしても、返還さえすれば済むということであれば、ほかの不正もオーケーよ、ほかの団体も不正していいですよということを、逆に助長しかねないんじゃないかなと極めて心配です。往々にしてこういうのって大体氷山の一角みたいなところもありますので、本当にそれでいいのか。やはり厳格にやるべきだと申し上げておきます。  もう一点、これは区に転じて聞きたいんですけれども、先ほど区の場合も、今あるものを徹底するんだみたいなことを言っていたり、交付決定をその場合には取り消すんだみたいなこと、それは、結局、お金を返すと同じですよね。これ、区の補助金で同じケースが起きた場合にも、交付決定を取り消して、お金を戻せば、それ以外のペナルティーはないのか伺います。 ◎加賀谷 政策経営部長 再質問いただきました。先ほど区の補助金のチェック体制については、一連の対応を御答弁させていただきました。その中で、仮にですけれども、不適正な対応、虚偽等ございましたら、その内容によりますけれども、当然補助金の返還、それからそれに伴う違約金等があれば、当然返還をいただく。その上で、相手方の不正使用した内容についてはヒアリングをさせていただいて、しかるべき事業関係者ということで、対応は所管と協議をして対応していくということになろうかと思います。  以上です。 ○下山芳男 議長 以上で中村公太朗議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、十番あべ力也議員。    〔十番あべ力也議員登壇〕(拍手) ◆十番(あべ力也 議員) 公職選挙法違反の疑いについてでありますけれども、資料を提示しますけれども、皆さんにはタブレットで資料提供しておりますので、御覧いただければと思います。  まず資料一、十月に選挙管理委員会から送付をされた文書には、立候補を予定されている方お一人のみの氏名を表示したたすきやのぼりを街頭での政治活動において使用することは、上記期間にかかわらず、常時公職選挙法で禁止されておりますので、併せて御注意くださいというふうに書いてございます。  資料二と三でありますけれども、これは十一月二日、喜多見駅での桃野芳文議員ののぼり旗とその状況です。一見して、一人のみの氏名が大きく記載されているのぼりを三本使用しており、選管の文書によれば、常時公職選挙法で禁止されている行為と推察されますが、選挙管理委員会の見解と法的根拠、その罰則及び最終的な効果等について伺います。  せたがやPayについてです。  区民の方から御意見をいただきました。せたがやPayを使っていますが、チャージがセブン銀行ATMからしかできないところが、その他のQRコード決済アプリより不便なところです。既存プラットフォームとの連携をして、最低限クレジットカードとの連動によるオートチャージを実装したほうがよいと思います。さもないと、せっかくのデジタルツールにもかかわらず、銀行に行ってお金を下ろし、セブン銀行で入金するというアナログの無駄な動きを強いられますとのことです。せたがやPayにクレジットカードとの連携やオートチャージ機能を導入し、区民にとって使い勝手のよい改善を提案いたしますが、区の見解を求めます。  ふるさと納税についてです。  ふるさと納税制度に関する質問と要望は、熊本区政当時の平成十九年から始めて、平成二十七年第三回定例会一般質問で、仮に権利のある区民全員がふるさと納税の権利を上限まで行使したとすると、約二百十二億円、二割もの減収となる可能性があるとの指摘もしてきました。現状、令和三年の寄附額は二百十七億円、令和四年度の財政影響額は八十七億円にもなります。区民及び区民税収救済の返礼品の検討は十五年間言い続けてやっと実現をいたしましたが、何を提案しても、返礼品競争には加わらないとの呪文のような決まり文句のおうむ返しであった区長の方針をなぜ今方向転換をしたのか、その理由、また十数年にもわたって私の議会での提言を聞き入れず、区民の世田谷区へのふるさと納税する機会の利益を喪失させてきた理由は何なのか、それぞれ保坂区長にお答えをいただきたいと思います。  この間、保坂区政になってから、令和四年の予測値も含めて、ふるさと納税で区民が他自治体へ寄附した額と財政影響額のそれぞれの積算額をお教えください。また、方向転換した政策で獲得するふるさと納税での寄附金の目標額をお教えをいただきたいと思います。  区民一人当たりの財政支出額についてです。  高級住宅街とか富裕層が多いというイメージの世田谷区の不都合な真実は、区民一人当たりの財政支出額が約三十六万円で、二十三区中二十二位という現実です。一位の千代田区の百三万円と比べると、実に三分の一にすぎません。この原因は何なのか、また、貧弱な住民サービスをどのように向上させていくのか、区長の所見を伺いたいと思います。  外国人の住民投票権についてです。  武蔵野市条例案は、市内に三か月以上住む十八歳以上であれば、日本人、外国人を区別せずに住民投票ができる内容で、実質的な外国人参政権を容認するものです。私は、ウクライナへのロシア侵攻を正当化しようとする住民投票の現実を見るにつけ、外国人の市民権と参政権の明確な線引きが必要だと切実に感じます。自治体における主権の侵害となり得る外国人への安易な参政権につながる権利付与には反対です。区長の見解を求めます。  障害を持つ子どもの差別解消に向けてです。  民営化される学童保育の障害を持つ子どもの受入れについて、現状と同じように希望すれば受け入れるよう要望するものですが、区の見解と計画を伺います。  ダウン症のお子さんを持つ保護者の方から、世田谷区の学校の教員やスクールカウンセラーが、ダウン症のある子どもたちを一まとめにして、ダウンちゃんと呼ぶのは、差別的で、不適切な表現で、人権侵害だと思うと切実な訴えを保護者の方からいただきました。教育委員会は実態を把握しているのでしょうか。早急に保護者の皆さんと学校に調査すべきと考えますが、全ての子どもは個人として尊重されるべきで、個人名で呼ばれてしかるべきと考えますが、区長と教育長の所見と今後の対応を伺います。  また、障害のある子どもは部活動に参加できないというのも差別ではないでしょうか、併せて教育長、区長の見解を求めます。  両親が親権を持つ状態での親の別居や離婚等に向けて話し合いの最中、子どもの連れ去りについてです。  世田谷区の認可保育園では、親権のある片親の申請で入退園可能な状況で、その結果、子どもの権利を無視した片親のエゴによる子どもの連れ去りの問題が顕在化しております。区の認可保育園の入退園申請と承認が婚姻により共同親権であるにもかかわらず、片親からの申請を受け付け、承認されてしまう現状の手続が、子どもの連れ去りや親権の不公平な取扱いの状況を助長しているとの指摘もあります。こうした事態を解消、防止するため、認可保育園入退園申請で両親が親権を持つ場合、既に認証保育所や民間の保育所で実施している両親の意思確認の導入を認可保育園でも求めますが、区の見解を求めます。  女性からのDV被害の男性から次のような御相談がありました。世田谷区のDV対応に男女で対応そのものに差があるのは問題ではないでしょうか。DV防止法には男女別に対応窓口やフォローを分けることは認められていません。男性は加害者で、女性は被害者といった間違った固定観念に悩まされる被害男性もおり、性別で差別していいわけではないでしょう。また、世田谷区は、男性にはDV相談実績証明書を発行しないのはなぜでしょうか。また、住所秘匿や児童手当などの支援措置の男性への適用実績についても、併せて開示していただきたいです。このように、自治体のDV対応が男女別に対応が違っているのは大きな問題だと思っています。まずはこうした差別の実態を詳細に調査、確認して、情報を開示して、性差別のない法の趣旨に合致するように改善してくださいというものです。御指摘いただいているそれぞれについて適切にお答えをいただきたいと思います。区の所管の見解と区長の所見を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 あべ議員の質問に答えます。  まず、武蔵野市の条例をめぐる問題についてです。  武蔵野市の住民投票条例案は、外国籍の住民に市長や市議会議員に係る選挙権や被選挙権を与えるものではありませんが、国籍にかかわらず、自分たちが住む市の重要事項について賛否の意見を表明できるという点で、新たな仕組みとして、既に同様の条例は全国にありますが、注目をしてきたところでございます。この条例は昨年十二月に市議会で否決をされており、市は、今後の方向性については現時点では未定としていると聞いてございます。  世田谷区は、多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例を制定しておりまして、全ての人が国籍、民族等の異なる人々の互いの文化的な違いを認め合う多文化共生を掲げています。  この問題になった条例の三か月以上居住要件という、この期間をめぐる議論はあると思いますが、一方で、総合主義という言葉が外交の世界にはございます。日本で暮らし働く外国人の市民、区民に対して、諸外国で認められている権利を認めずにいることは、今後十年のスパンで、実は大きな社会的損失にならないかという危惧もございます。既に円安の進行で、日本は海外からの労働者にとって魅力の少ない国となり始めており、人権を理解しない入管施設等の死亡事例なども広く世界に伝えられています。区の条例で示している差別を禁止し、多様性を尊重する社会をしっかりとつくってまいりたいと思います。  次に、不適切な呼称で障害のあるお子さんを呼んでいるということについて、どのように考えるかという御質問です。  障害のあるお子さんに対する呼び名が不適切である、この御指摘に対しては、たとえどのような意図や事情があるとしても、議員お話しのような呼び方は許されず、是正されるべきだと考えます。また、障害のあることだけを理由に生徒が希望する部活動に参加できないなどということがないよう、教育委員会において適切に対応していただきたいと考えます。  以上です。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 障害のある子どもの差別解消に向けての質問について御答弁申し上げます。  あだ名の件については、以前に御指摘をいただきましたが、子どもを不用意にあだ名や不適切な言葉で呼ぶことは、相手を尊重し、思いやるという気持ちに欠ける行為とも言えるものであり、あってはならないことと考えます。お子さんや保護者の方に心よりおわびを申し上げます。今後、このようなことが起きないよう、子どもに関わる全ての関係者の的確な対応を徹底してまいります。  また、お話しの障害があることを理由に希望する部活に入れないというようなことは不適切なことであると考え、支援体制や見守り体制の課題を含め、十分に検討してまいります。障害のあるなしにかかわらず、やりたいことができるのは子どもの権利であり、最優先に対応していかなければならないことです。子どもの尊厳が守られ、一人一人がかけがえのない存在であり、個人の意見が尊重され、認められる学校となるよう進めてまいります。障害者差別解消法に定められている不当な差別を受けることなく、合理的配慮が受けられる等の理念の理解を含め、全職員及び全教職員とともに全力で取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは二点順次御答弁いたします。  初めに、ふるさと納税関連についてでございます。  ふるさと納税について、制度設計そのものに大きな問題を抱えてございます。国に対し抜本的な見直しを求め続けているところですが、総務省の対応は、返礼品の設定基準など現行ルールの厳格化にとどまり、いまだ制度改正の道筋は見出せていない状況にございます。また、区は寄附金の活用先を明確にした地域貢献型の寄附を多くいただいてございますが、トータルでは財源の流出が看過できない規模となってきてございます。  そうしたことから、制度が存続する上では、その仕組みを利用して世田谷の魅力を全国に発信しながら、区民のための財源を取り戻すことに方針を改め、このたび返礼品の調整などの準備が整いましたので、新たな展開を開始したものでございます。世田谷の産業をウェブサイトなどへ発信し、返礼品の魅力をきっかけに、寄附収入の大幅増につながるよう、まずは今年度の計画額一億二千六百万円を大きく上回ることを目標に掲げ、広報を強力に進めてまいります。  なお、保坂区長就任の平成二十三年度から今年度までの累計ですが、区民の自治体への寄附が九千三百四十七億円、それによる区の税収減に当たる控除額が三百六十三億円となっている状況にございます。  次に、世田谷区と千代田区の財政支出の比較についてでございます。  世田谷区と千代田区を比較しますと、千代田区のほうが納税義務者数に占める課税標準額が一千万円を超える方の割合が高く、また、一人当たり納税額も千代田区のほうが世田谷区の約二倍ほどとなっており、担税力の違いが大きく影響しているものと思われます。  行政サービスの支出額は税収規模に応じて決まってくるため、安定した税収を確保することが必要であり、そのためには子育て支援や公園整備による緑の創出など、様々な施策の組み合わせにより、住みたい自治体としての評価を高めていくことが重要と認識しております。世田谷区は自治体のランキングにありますとおり、上位に来るなど、現在でも良好な住宅都市として一定のブランド力を持っているところでございます。この部分をさらに高めて、誰もが住みたい、住み続けたいと思うまちづくりを進めてまいります。  以上でございます。 ◎渡邉 選挙管理委員会事務局長 私からは街頭での政治活動におけるのぼりの扱いについて御答弁申し上げます。
     街頭での政治活動において、公職の候補者等お一人だけの氏名が表示されたのぼりや、後援団体の名称が表示されたのぼりを掲出することは、期間を問わず公職選挙法第百四十三条第十六項の規定による禁止行為に該当します。また、このようなのぼりを街頭に掲出して政治活動を行っている場合は、同じく公職選挙法第百四十七条において、選挙管理委員会による撤去命令の対象となってまいります。  公職選挙法では、このような禁止行為を行った場合や撤去命令に従わなかった場合には、第二百四十三条で二年間以下の禁錮または五十万円以下の罰金とする罰則の規定があり、この罰則の適用を受けますと、第二百五十二条の規定により五年間の公民権停止の対象にもなってまいります。  以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは民営の学童保育における障害がある子どもの受入れについて御答弁申し上げます。  区では、令和六年一月以降に民設民営の放課後児童健全育成事業を学校外に整備できるよう誘導に向けた準備を進めており、整備運営に当たっては国及び都の補助を活用するほか、新たに区独自の補助を行うこととしてございます。  民設民営の補助事業者募集に当たっては、入会できる児童の要件を新BOP学童クラブと同様に小学校三年生までとしており、心身の発達等により個別的配慮を要する児童についても、小学校六年生まで入会できることを応募の要件といたします。また、配慮を要する児童の入会希望があった場合に受け入れられる体制を整えていただくこと、また、そういったことの不当な差別的な取扱いをしないこと、合理的な配慮の提供ということを前提に行ってまいります。あわせて、この補助事業では、障害児受入れ推進による補助金の加算を行うこととしてございまして、民間事業者に担当職員の配置や環境整備を求める予定でございます。区といたしましては、安全面の確保が前提にはなりますけれども、障害があることで入会ができないなどの差別されることがないよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎和田 保育部長 私からは保育園での入退園申請における両親の意思確認の導入について御答弁いたします。  一方の親からもう一方の親の同意を得ることなく子どもを連れ出し、もう一方の親に面会させないといった子どもの連れ去りは、DV等で避難している場合などを除き、子どもに有害な影響を与える可能性があります。区の保育園の入退園申請と承認に当たって、子どもの最善の利益を確保することができるよう、申請内容の実態把握に努め、他自治体の状況も参考に申請の在り方について検討してまいります。  以上でございます。 ◎後藤 経済産業部長 せたがやPayについて御答弁申し上げます。  せたがやPayのチャージ方法が限られていて不便であるという点の御指摘につきましては、利用者の方々からも同様の声を頂戴しているところでございます。クレジットカードとの連携は、信販会社に支払う手数料率が高く、実施は困難な状況がございますが、銀行口座からオンラインでチャージできる機能を本年度中に装備する予定で準備を進めているところでございます。今後も費用対効果を見極めながら、利用者の利便性が高まるよう、商店街振興組合連合会とともに改善に努めてまいります。  以上でございます。 ◎片桐 生活文化政策部長 私からは男性のDV被害者についてお答えいたします。  DV防止法では、男性被害者からの相談や支援への対応についても想定しており、男女を区別する規定はございません。また、DV被害を受けた際の行動には性差があり、男性と女性の被害者支援は別に行うことが望ましいとされております。現在、男性からの相談はらぷらすの男性電話相談で受けており、今年度から実施回数を拡充しておりますが、相談実績の証明書発行については、面接対応のできる警察や東京都ウィメンズプラザを案内しております。実態の把握、支援策、体制整備とも多くの課題があるため、被害に苦しむ男性が必要な支援を円滑に受けられるよう、相談窓口の周知や証明書発行事務、機関連携など、喫緊の課題改善に向けましては関係機関と検討を進めてまいります。  以上です。 ◆十番(あべ力也 議員) それぞれありがとうございました。  四点ほど再質問しますけれども、まず教育長、ダウンちゃんというのはあだ名ですか。あだ名ということでお話しされましたけれども、差別用語ではないんですか。ちょっとそれを答えてください。  二番目に、区長、ふるさと納税に関して、これは積算で区民が寄附した額が九千三百四十七億円、財政影響額が三百六十三億円、これは政策上の責任が区長としてあるんじゃないですか。これについてしっかり言及していただきたいですね。  三番目、認証保育所や民間の保育所では、両親の申請が今行われているということなんです。ところが、世田谷区の認可保育園では片親でオーケーだということが様々な問題を引き起こしているということで、私の下には訴えをされている区民の方がいらっしゃいます。これは公的な説明ができるようにしっかり改善をしていただきたいと思いますが、改めて部長、お答えいただきたいと思います。  四番目ですが、DVの問題。これに関しては、現状、区としては男女で差があるというふうに認識をされているのかどうか、もう一回伺いたいと思います。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 あべ議員の再質問にお答えをします。  ふるさと納税制度で大変多額の税収、三百六十三億円というこの規模に至っているということは大変心苦しいことでございまして、なぜここで方針を転換したのか、もっと早くというようなお尋ねでございましたけれども、ふるさと納税制度の諸矛盾についてずっと声を上げてまいりました。様々な改善案、改良案も総務省に対して区長会を通して申し入れてまいりましたが、一向にこれが改まらない。今はふるさと納税をしなければ、損だということがもう完全に定着をしておりまして、そういった中で、世田谷区としては、地域貢献、あるいは社会に参画するというそのメニューで頑張ってきた。それを一億円を超えて御寄附をいただくこともできる水準にはなってきましたが、何せ八十七億円という年間の流出額と比べると、区財政に根本的な影響を与えるということで、あえてこれまで封じてきた返礼品というものを出すということについて、昨年方針の転換を行い、ただ、これを少なくてもあまり考えずに並べても、これは成果はありません。他の二十三区でもいろいろ取り組んでいるところがありますので、ぜひ精査をした上で、これは世田谷区民が利用できないという、特に体験型でなければ、なかなか品物については利用できないというところがじくじたるところがありますけれども、少しでも税収を取り戻していくということを、じくじたる思いでございますけれども、方針を転換し、しっかりそこはやっていこうということでございます。 ◎渡部 教育長 再質問にお答えします。  以前に議員にあだ名についても御指摘をいただいていたので、それについても併せて御答弁をさせていただきました。ダウンちゃんという呼び名は不適切な呼び名であると思います。  以上です。 ◎和田 保育部長 再質問にお答えいたします。  現在、国において離婚後の共同親権の導入について検討されており、これが実現した場合には、保育園の入退園申請について、父母双方の意思確認が必要になると認識しております。国の動向にも注視しながら、子どもの最善の利益を考え、申請手続の在り方を検討してまいります。  以上でございます。 ◎片桐 生活文化政策部長 私からは男女のDV対応に差があるかという点にお答えいたします。  現実的にDVの相談対応につきましては、女性は週五回ということで、現実年間で千三百件ぐらい相談があり、男性が二十件ぐらいということで、相談対応には差があるのは今は現実です。そういった点も踏まえまして、実態把握、支援策、体制整備を今後検討してまいりたいと思います。  以上です。 ◆十番(あべ力也 議員) 教育長、これはやっぱり差別ですから、差別用語ですよね。改善していただきたいと要望しておきます。  それとDVの関係は、区のほうで差があるという認識をしているんですから、男女共同参画とかいうんであれば、しっかり差がないように改善していただきたいと思います。  あと、区長のふるさと納税の件ですけれども、これは税収を確保する、しっかり取り組んでいただきたい。再度要望しておきたいと思います。決断するのに十五年もかかっているというのはちょっとどうかなと思います。  以上で私の質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上であべ力也議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十一時十二分休憩    ──────────────────     午前十一時二十五分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続けます。  三番そのべせいや議員。    〔三番そのべせいや議員登壇〕(拍手) ◆三番(そのべせいや 議員) 世田谷区は、以前より一定の基準の高齢者、障害者について月額五百円の負担で五千円分のおむつを支給助成しています。それぞれの事業実施要綱の第一条には、紙おむつの支給、助成により、介護者の負担の軽減を図り、もって福祉の向上に資することを目的とすると掲げられており、ここで言う負担が何を示すか区役所に確認したところ、経済的負担とのことでした。  一方、同様に経済負担のある乳幼児について、広く支援する仕組みは存在をせず、認可保育園を利用しているゼロ歳児クラスの場合にのみ、区立、私立ともに支給、助成されており、金額の目安は私立園への助成である三千円と計算できます。  上記のおむつ支援制度はいずれも二十五から五十年前から続いてきましたが、環境は激変し、六十五歳以上が十一人に一人だった時代から四十年経て四人に一人以上、超高齢社会のさらに上、ウルトラ・スーパー・エイジド・ソサエティーに突入をしており、人数の多い下の世代が少ない上の世代を支えるシステムは、過去の幻想であることはもういいかげん認めるべきです。  二〇〇〇年の介護保険制度設立当初と比較をしても、日本全国で九十五万人弱だったおむつ助成の対象者である要介護三、四、五の認定者数も、二十年たち二〇二一年には二百三十六万人弱と二・五倍まで膨れ上がり、二倍、三倍の予算が必要になる現代に、その原資を他国のように生み出せなかった世代が高齢者になっています。彼ら全てを支えるだけの余力はこの国に残されていませんし、前提が百八十度転換をした四十年後まで同じサービスレベルを維持するほうが理不尽です。  二〇二〇年度までは介護保険制度の中で維持をしてきた高齢者へのおむつ代助成も、昨年度より既に介護保険制度で所得制限がかかり、制度から外れた人のために、一般会計一・三億を投入して特別に制度を維持しています。先月より児童手当特例給付五千円には所得制限がつき、世田谷区では子どものいる世帯の三割が除外をされる中、同じく月五千円分の高齢者のおむつ支援について、区としては所得制限を独自に撤廃、区の独自予算で死守をしています。今後も一般会計から豊かな高齢者までおむつ代支援を継続するか、するのであれば、その支援に経済負担軽減以外のどんな効果を期待し、どれほど達成されているのか伺います。  翻って乳幼児については、前述のとおり、認可保育園のゼロ歳児クラスのみ支援対象となっていますが、全体の四分の一以下と大多数は該当していません。仮に広くゼロ歳児のおむつ助成をすると、どの程度の予算を要するか、私立認可園と同じく月額三千円と仮定した場合のシミュレーションを伺います。  そして、公平性の観点で考えると、なぜ高齢者へ経済負担軽減の名目でおむつ代が助成をされ、乳幼児へは広く経済負担軽減を話題にしないのでしょうか。子育て費用を負担する二十代から四十代は、親の時代より収入が上がる見込みはないのに、社会保険料はどんどん上がり、手取りが減る一方、そこに消費税一割が加わり、かつてのような余裕はなくなっています。  第一生命経済研究所の分析によると、二〇二一年三月時点の日本の家計金融資産のうち、六十代二八・五%、七十代以上四〇%となっているそうで、つまり、五十代以下の個人資産を合わせても六十代以上の半分にも満たず、そんな状況下で子どもへの支援の有無は、単に家計にとどまらず、出生数へ直接影響し、福祉的観点だけでなく、都市政策としても重要な意義があります。改めて区の福祉政策全体を俯瞰したときに、現在の高齢者偏重のおむつ支援制度は高齢者優遇ではないのか、偏重を是正して、せめてゼロ歳児だけでも同等に支援できないか伺います。  最後に、障害者については対象が三歳以上六十五歳未満となっていますが、六十五歳以上が高齢福祉での支援に移行するため、要は三歳未満のみ自己負担です。要綱に掲げるよう、経済負担軽減が目的であるならば、三歳未満にも等しく負担はかかります。なぜ三歳未満の乳幼児を除外するのか、年齢上限は存在せず均衡を欠く現制度を見直さないか伺います。  障害者向けの年齢差別からも、区役所全体として三歳未満は、障害を問わず当たり前に各自で負担するものだという思考が透けて見えますが、そうであるならば、高齢者も年齢で線を引き、一定年齢以上には自己負担を求めるのが公平かつ論理的ではないでしょうか。  続いて、世田谷区では慶祝品という名目で、八十八歳に八千円分、百歳に二万円分の区内共通商品券をばらまいていますが、二〇二〇年の事業見直しにおいて、一度は対象、金額の見直しが明言されたにもかかわらず、手をつけなかった本事業が何を目指すか確認します。  慶祝品事業が始まった一九六六年には、七十一・七万区民のうち、当時の対象である七十五歳以上は一万人、現在の慶祝品の対象としている八十八歳は百二十六人、百歳は二人と、百歳に近づくほどまちを挙げてお祝いしても違和感のないめでたい出来事と評価ができ、また、医療技術を鑑みても、当時の対象者は押しなべてテクノロジーではなく、自らのバイタリティーで健康長寿を体現された方々と想定がされます。  翻って、今年七月のデータでは、八十五歳から八十九歳二・二万人の約四割、九十歳以上一・五万人の約七割が要介護状態と、節目を迎えるまでもなく、多くの高齢者が日常的に公金負担の支援を受けています。健康長寿を祝うことに医療費削減や健康へのインセンティブといった意義があることは大いに理解をしますが、せめて本人がポストを確認し、買物ができる能力がなければ、本人の手元に八千円、二万円が届いているかすら疑念が抱かれます。  また、区が実施をする年齢によるお祝いは慶祝事業以外に成人式が該当しますが、こちらの予算が毎年千五百万円程度の一方で、八十八歳への金券配付は三千四百万円と、二・三倍の予算がかかっています。成人式は、お祝いだけでなく、婚姻届、パートナーシップ宣誓、妊娠届を出さない限り、自分や親の介護が必要になるまで大多数の人にとって行政との最後のタッチポイントであり、若者に向けたほぼ唯一の広報手段でもあります。既に多くが介護保険適用を受けている八十八歳、百歳時点で多額の予算をかけたところで、行政とのタッチポイントという機能は成人式ほどありません。  また、本当に区内共通商品券で区内への消費を喚起したいのであれば、同じ予算でも、成人式の記念や多くの方が定年退職をする六十五歳という地域に目が向いているときに配付をしたほうが、何十年リピーターとなる顧客発掘につながり、事業者支援の観点では、八十八歳、百歳が適切とは言えません。  既に慶祝事業を廃止している自治体もあれば、二十三区の中にも、百歳のみを対象とする台東区、八十八歳については子どもたちからのメッセージカードとしている中野区、賞状を贈呈している江戸川区といった金銭的価値では計り知れないリスペクトを体現している自治体もあるそうです。世田谷区でも既に八十八歳に区内の障害者就労施設が作成した手すきの区長のメッセージカード、百歳に区長の公印を押した賞状を贈呈しているようですが、これらこそお祝い、記念という趣旨に合致をするのではないでしょうか。  既に介護保険事業特別会計に一般会計から百億円以上繰り出している今、他の世代にない特別な金品配付の必要性だけでなく、相当性も失われ、慶祝事業で得られるものは対象者の御機嫌のみではないでしょうか。本当に八十八歳、百歳にばらまくほどほかに税金の使い道がないのか、せめて金額や対象、また、運転免許証返納のバーターにする、電子化してせたがやPayの普及を目指すといった手法の見直しができないでしょうか。  続いて、先日まで行われた保育園の入園申込み改善について、母親と思わしき方が子どもと来庁している機会は頻繁に目にしましたが、一方で、父親と思わしき方はほとんど見かけませんでした。もちろん実際に父親も来庁され、そもそも申請自体はオンラインで完結しますが、入園にかかる負担は偏っているのか、申請や相談の父、母の比率を確認します。  育児休業を取得した人は平日の日中に仕事ではなくて育児をしていますが、保育園の入園申請自体は子どもをケアする育児ではなく事務手続です。そして、二人親であれば、保育園を利用する理由は、育休取得者が仕事に復帰するからではなく、正確には二人とも働くなど双方に理由があるからです。申請について時間を問わないオンライン対応したことで、より負担が偏らないよう是正をされましたが、相談を要する場合には、土曜日一日を除き平日九時から十七時であることから、区による相談制度も、育児休業を取得した側に保育園利用開始のためのタスクが降りかかりやすい状態を生み出しています。  先日も入園内定後の転職について、育児休業を取得していない側に何の制約もない一方、取得した側へ制約が設けられる点について是正を求めましたが、行政の制度がパートナー間のバランスに影響しないよう見直す必要があります。  入園相談に偏りを生まないためには、相談時間も申請と同じく拡大をすることが求められますが、既に申請が電子化したことに伴い、貴重な休日を使ってまで入園申請、相談を希望する人は減っていることを鑑み、平日夜への拡大について検証ができないでしょうか。十八時、十九時までの役所の開庁、電話の着信は庁舎管理の都合上難しかった一方で、オンラインで実施をすれば、従来の管理の都合には左右されず、相談窓口と同じく予約方式にすれば、既にカレンダーアプリからオンライン会議を予約するシステムも一般的となり、月一万円程度の予算と保育部の決断で即座にオンライン相談は開始できます。  相談窓口のオンライン化についてDX担当部に問い合わせたところ、相談を受け付ける部署が自発的にオンライン化を目指す支援は伴走していくとの回答を得ましたが、特に需要がある相談だからこそ、他の相談に先駆けオンライン化を目指さないのか。そして、オンライン化だからこそ可能な相談時間拡大を実施し、母親偏重の負担を是正できないでしょうか。  最後に問題提起をしますが、子どもと触れ合う、子どものことを考える機会が創出できないでしょうか。東京世田谷の第一子出産年齢は三十二、三歳ですが、三十二歳の私の周りを見渡しても、徐々に子どもを育てる人も増えてきたものの、村社会から個人主義化が進み、また、出生減の流れで親戚も兄弟も減り、初めて接する乳幼児が自分の子どもでどう接していいか分からない人も珍しくなく、また、個人主義化が進む中で、生まれついた人種や性による差別が減る一方、現在所属する階層、ライフステージの間での対立は増え、子どもが社会の異物、迷惑な存在として扱われつつあります。時計の針を戻すことはできませんが、個人主義の副作用として、未知の存在となった子どもへの拒否反応を少しでも緩和ができないでしょうか。中学生向けの赤ちゃんふれあい授業は世田谷区独自の取組として評価する一方、大人になってからも妊娠の前に子どもと接する、考える機会が設けられないのか伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 おむつ助成制度について二点御答弁いたします。  まず、区の福祉政策全体を俯瞰したおむつ助成の在り方についてです。  区は、おむつ代助成について、国の制度を活用しながら、高齢、障害、子どもといった対象者別に異なる内容で実施をしてきました。一方で、おむつ代助成の対象となる高齢者数は、介護保険制度の発足時よりも二・五倍に拡充し、介護保険制度の運用も変更されるなど、社会経済情勢が大きく変化していることは御指摘のとおりです。区の福祉制度については、区民生活の実態を把握し、当事者ニーズを踏まえた効果的な施策とする一方で、常に全体を俯瞰し、世代間のバランスや対象者の公平性を考慮し、幅広い区民の理解が得られる持続可能な制度とすることが必要です。このような考えの下、高齢者のおむつ助成の見直しや、認可保育園の利用にかかわらず、全てのゼロ歳児を対象とした新たなおむつ代助成という御提案については、福祉政策全体の中で慎重に検討させていただきます。  次に、障害の分野のおむつ助成についてです。  障害者紙おむつ事業は、寝たきり等の状態にある障害者に対して、紙おむつの支給またはおむつ代の助成を行う事業で、三歳以上六十五歳未満の身体障害者手帳一、二級、愛の手帳一、二度などの方を対象としています。三歳未満については、障害者日常生活用具給付事業の一つに、排尿や排便機能に障害のある方や脳性麻痺の方を対象に紙おむつを支給する事業を実施しています。一方、例えば三歳未満で、愛の手帳二度を取得したお子さんなど、三歳になってから障害者紙おむつ事業の利用となる方もいらっしゃいます。障害によりおむつが必要なお子さんへのおむつ支給の今後の在り方について、他自治体の状況も参考としながら研究をしてまいります。  以上です。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは二点御答弁申し上げます。  初めに、零歳児おむつ助成を行う場合の予算シミュレーションについて御答弁申し上げます。  議員御質問にございました想定で、認可保育園における運営費助成金である零歳児保育加算の一人月額三千円、年間三万六千円を助成するとした場合、令和三年度の出生数が六千八百二十二人でございましたので、これを基に試算しますと約二億四千六百万円かかる見込みでございます。  次に、大人になってからの子どもと接する、考える機会について御答弁申し上げます。  平成三十年度に実施した子どもの生活実態調査では、小中学校の子どもの約四〇%が赤ちゃんをだっこしたことがないという結果でございました。そこで、赤ちゃんの存在をより身近に感じてもらうため、授業の一環として、希望する区立中学校等において、赤ちゃんと触れ合う体験活動を地域の子育て活動団体と学校が共同して実施してございます。区では、赤ちゃんと親を連れて学校に行く取組を実施している団体を支援してございます。  成人した若い世代においては同種の事業はございませんが、児童館のイベントやひろば事業などで、子どもや子育て関連事業において、おのおので地域の学校などとのつながりも活用して、若者のボランティアなどを受け入れてございます。従事している若い世代の方にとっては、乳幼児期から学齢期の支援を通じて、子どものいる生活や子育て家庭を意識する契機となっているものと考えてございます。  また、広く子ども・子育てに関する取組をしていただくために、赤ちゃんの泣き声を温かく見守っていく趣旨で取り組んでいる世田谷版WEラブ赤ちゃんプロジェクト、これも活用し、引き続き若い世代を含め幅広く普及啓発を行ってまいります。  以上でございます。 ◎山戸 高齢福祉部長 私からは三点御答弁いたします。  最初に、高齢者のおむつ支給事業についてです。  高齢者へのおむつ支給事業は、平成二十七年二月に、国において原則として介護保険特別会計の対象外とされました。それ以降、国の激変緩和措置を経て、現在は国の要件に該当しない方への支給については、一般会計の事業として、介護保険特別会計の事業と併用する形で事業を継続しております。高齢者紙おむつ支給事業については、在宅高齢者及びその介護者の経済面を含めた負担軽減に資するものと考えております。令和六年度からの三年間を計画期間とする第九期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に当たり、ほかの事務事業の見直しと併せて、引き続き財源負担の在り方や対象者の要件等について検討してまいります。  次に、高齢者の慶祝事業についてです。  まず、区では高齢者への慶祝事業として、満八十八歳及び満百歳になられる方に対して、長年にわたり社会の発展に寄与してきたことに敬意を表するとともに、その長寿を祝い、健康を祈念するため慶祝品を贈呈しております。慶祝品の内訳としては、世田谷区商店街連合会が発行する区内共通商品券を、八十八歳の方に八千円分、百歳の方に二万円分を贈呈しております。今年度は、八十八歳の方は四千二百五十人、百歳の方は二百九十五人贈呈したところです。また、対象者の方々が贈呈された区内共通商品券を利用することにより、区内商店街や地域経済の発展に寄与できるなどの効果も期待できると考えております。  最後に、高齢者への慶祝事業の見直しについてです。  高齢者への慶祝事業については、事業を開始以降、これまで対象年齢や贈呈品の金額等の見直しを適宜行ってきており、直近では平成二十三年度に、それまで対象としていた七十七歳の方への贈呈を廃止いたしました。また、令和二年度には、改めて対象年齢や贈呈内容の変更に関して見直しを検討いたしましたが、他自治体の状況などと比較し、現状維持が適切であると判断し、結果的に見直しには至りませんでした。  御指摘のとおり、今後さらなる高齢化が進んでいく中で、本事業の対象者数は年々増加することが想定されることから、社会情勢や財源などを考慮しつつ、慶祝事業の見直しの内容やその時期について引き続き検討してまいります。  以上です。 ◎和田 保育部長 私からは保育園の入園相談について順次御答弁いたします。  保育園の入園相談、申請受付については、産後ケアやひろばなどといった子育て支援に関する情報提供、相談、助言などを合わせ、各総合支所子ども家庭支援課窓口において、平日の区役所開庁時間に実施しております。  入園申請相談の父母の比率ですが、父親のみが約一〇%、母親のみが約八〇%、父母両方が一〇%弱となっており、そのほかに祖父母などの親族が相談にいらっしゃる場合もありますが、母親が来庁される割合が多く見受けられます。  区は、休日の相談対応として、例年四月入園申込み時期の十月、十一月頃に、保育園入園相談、申請受付の休日窓口を開設しております。また、相談の補完となるよう、保育、入園に関する動画配信やチャットボットを活用しての入園案内など、デジタル技術を活用した保育園入園説明ツールも展開しているところです。  お尋ねの平日夜間も含めたオンライン相談につきましては、モデル事業を開始するまちづくりセンターと総合支所のオンライン相談における課題への対応の状況等を見ながら、引き続き検討してまいります。  以上でございます。
    ◆三番(そのべせいや 議員) ゼロ歳児のおむつ支援について必要な二・四六億円について、既に実施をしている認可保育園児向けの五千五百万円と高齢者へ現在一般会計で負担している一・三億円、残り六千万円程度確保できれば、全てのゼロ歳児のおむつ無償化が実現できます。高齢、障害と同じく一定割合の自己負担を求める場合に二千五百万円、最後三千五百万円をどこかから持ってこられれば六千万円となりますが、八十八歳に今配付している三千四百万円をひ孫の世代、未来のために移行すれば、シミュレーション自体は完了です。こうした案に高齢者いじめだという感想を持たれることも想定内ですが、高齢者向けの事業に限らず、前提となる環境の変化に合わせて、計画もそれぞれのアクションもぜひ見直していただきたいということを要望して、質問を終えます。 ○下山芳男 議長 以上でそのべせいや議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、四十三番羽田圭二議員。    〔四十三番羽田圭二議員登壇〕(拍手) ◆四十三番(羽田圭二 議員) 最初に、フリーランスや個人事業主の支援について伺います。  個人事業主の労働者性が問われる中で、フリーランス法の整備が期待されておりますが、今臨時国会では見送りされる状況にあります。フリーランスや個人事業主が企業と請負契約を結んでいたとしても、実態が雇用であると判断されれば、労働関係法令が適用となります。十一月二十五日、東京都労働委員会は、料理配達の運営会社などに対し、配達員の労働組合と団体交渉に応じるよう命じました。オンラインで仕事を請け負うギグワーカーを労働組合法上の労働者とする判断は国内初といいます。ここでも問われているのが、仕事上、会社側の指揮命令権が働いているか否かという点です。  さて、そこで、区が正規の職員以外に雇用する会計年度職員は、地方公務員法が適用され、任用や勤務時間、休日休暇等などが規則や規程によって規定をされております。ところが、業務委託事業者選定委員会や区史編さん委員会のように、学識者等に事業者選定や資料収集等を委嘱することがあります。現行法では、これら委嘱された方々は労働者性がないとされ、労基法等の適用を受けません。嘱託員の場合は、区の任用となっていないことから労働者性は除外されますが、同じ現場等で仕事をしている方が、パワハラ等の相談で公平に保護されるべきではないでしょうか、区の対応を伺います。  非正規雇用が増加をし、正規と非正規の賃金、労働条件の格差が広がり、不合理な格差については是正が求められるようになってまいりました。しかし、それでも格差是正は全ての業種に行き渡っていない状況です。区は、学校等で多くの嘱託員を委嘱していますが、一般職との福利厚生面での格差はそのままになっていないでしょうか、区の対応を伺います。  次に、地球温暖化防止における住宅のエコ化と新たな環境問題について伺います。  気候変動、地球温暖化防止の視点で進められている住宅のエコ化、省エネ化支援の下で新たな環境問題が生じています。一般家庭において、温室効果ガスの削減のため、太陽光発電の普及や省エネタイプの住宅建設が進み、集中冷暖房機や家庭用ヒートポンプ給湯器等、室外機の設置による低周波被害が指摘されています。  既に環境省は、ライフスタイルの変化や住宅の密集化等によって、新たな騒音苦情が発生しているとしていました。二〇一七年から二〇一八年にかけて、省エネ型温水器等から発生する騒音等に関する実態調査を行ってきました。また、事業者団体は、室外機の備付けガイドブック等を発行し、騒音や振動の発生等の防止対策をうたっていますが、大手住宅メーカー等や建て主が十分理解をしていない側面があります。区内の工務店等建築事業者に伺ったところ、室外機等の設置においては、あらかじめ隣接の家庭に影響が出ないよう配慮していると言います。室外機の備付け等の騒音や振動防止対策と設置箇所配慮等について、区民、事業者に啓発することが必要ではないでしょうか、区の対応を伺います。  現行の騒音規制法では、その対象を「工場及び事業場における事業活動並びに建設工事に伴つて発生する相当範囲にわたる騒音について必要な規制を行なうとともに、自動車騒音に係る許容限度を定めること等により、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的とする。」としています。この条文では、騒音規制の対象を工場及び事業場の事業活動、建設工事や自動車の騒音を対象にしており、一般家庭の生活上から発する騒音等は対象にしていないことが分かります。これは、住民の生活騒音を法や条例によって規制することは、私権の制限につながりかねないことから慎重な対応が求められてきたことがあります。  東京都では、既に事業活動や生産活動に伴って発生する騒音規制以外に、生活騒音への配慮を求めており、洗濯機の設置場所やエアコンの室外機について、近隣への影響が少ない位置や向きを選んで設置するよう促しています。生活騒音は、住宅の過密化、生活様式の多様化、都市生活型公害ともいうべき音の強さだけでは計測できない課題が生じています。それだけに未然の防止対策が求められています。今後、住宅のエコ化や省エネ化が進むことによる低周波被害等、新たな課題に対応していくことが求められていないでしょうか、区の考えをお聞きします。  少し古い話ですが、一九七七年三月二十二日、世田谷区議会において、第一種住居専用地域におけるクーリングタワー禁止並びにその規制についての請願及び陳情が採択され、通産大臣宛てに要望書が提出されています。静かで穏やかなという意味での静穏な生活環境を享受する権利、静穏権という言葉が使われたのもこの時期です。  不登校児童生徒の増加と教職員の不足について伺います。  政府統計において、全国で二十四万人に及ぶ不登校児童生徒の増加について、現場からの原因究明と対応策を講じることが問われています。ここだったら行ってみたいと、子どもたち自らがほっとスクール希望丘や不登校特例校や桜丘中学校を選んでいます。子どもたちの個性や多様性を尊重した居場所の特色を区内の学校の学校運営、教育内容に生かすことが必要です。  今年度の新学期を迎えた時期に教員の不足によって、担任配置ができなかったことが明るみになりました。それだけではなく、昨年度の新任教員の百三十九名のうち六名が既に退職し、病気休暇取得者が四名出ている状況です。また、全教員を見ると、長時間労働や一教員への負担増が是正されないまま、途中退職者数は七十一名、病気休職者が三十六名、病気休暇取得中の教員が三十九名、さらに産休取得者は八十九名となり、育休を含めると百六十六名が取得しています。長期休暇や休業に対して、代替要員の配置によって安心して休養、療養が取れるようにしなければなりません。ところが、代替教員の配置もままならない状況にあり、慢性的な教員の不足による教員の多忙化、疲労の蓄積は限界に達している状況です。教職員の不足のままで子どもたちが豊かな教育を受けることができるのでしょうか。産休代替要員確保等も学校の単位の対応を取っていないでしょうか、正規の教員配置が必要なのではないでしょうか、お答えください。  新任教員を含めた途中退職者の増加、病欠、病気休職者の増加などの実態を直視し、個々人の責任にすることなく、学校が抱える問題として、なぜそうなっているかを考えるべきではないでしょうか、教育委員会の対応を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 私からは住宅のエコ化に伴う新たな環境問題について二点御答弁申し上げます。  最初に、騒音や振動防止対策等について、区民、事業者に啓発するべきとの御指摘についてです。  近年、地球温暖化に対する環境意識の高まりを受け、一般家庭においても温室効果ガス削減のため、家庭用ヒートポンプ給湯器などの省エネ機器の導入が進んでおります。省エネ機器については、各メーカーで機器の運転音、騒音を小さくする防音、防振設計等を進めてきていますが、住宅同士の距離が近いといった事情などにより、近隣での騒音等の苦情が発生する事例もございます。  区としましては、騒音、振動による近隣トラブルが起きないよう、機器の設置位置や設置方法を工夫することが重要と考えており、区のホームページ等で設置例などを周知し、区民への啓発に努めてまいります。また、住宅メーカー等事業者との関わりが多い東京都に対しては、事業者が機器を設置する際、近隣に配慮するよう事業者向けの啓発強化を要望してまいります。  次に、低周波被害等新たな課題への対応についてです。  環境省では、省エネ機器から発生する運転音に関する調査を行っており、聴覚調査では、その運転音は直接人間の耳には聞こえない周波数であることが分かっております。しかし、運転音が室内に伝わり、その音が間接的に聞こえたことで不快感が生じますと、苦情へとつながる可能性があります。区では、住宅の省エネ化に向けた様々な取組を行っておりますが、省エネ、創エネ機器の設置による周辺への音の影響に対する配慮も重要と認識しております。  省エネ機器から生じる騒音等のトラブル防止のため、例えば既存住宅に対しては、環境配慮型住宅リノベーション事業の補助金申請の機会を捉え、省エネ機器による騒音対応等のパンフレットによる周知を行うとともに、技術講習会において、区内事業者に周知するよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎池田 総務部長 私からは区と契約関係にある個人事業主の方などへの対応について御答弁いたします。  区の関係者の中には、区と任用関係にある会計年度任用職員のほか、区と事業執行上の契約関係を結び、事業を委託している個人事業主の方や委員等を委嘱している有識者の方、事業に協力いただく区民の方などがいらっしゃいます。これらの事業執行上の個別契約の関係にある方の呼称には、会計年度任用職員の職名と類似しているものもございますが、法的な位置づけが大きく異なり、現行法制度上、会計年度任用職員のように、年次有給休暇や社会保険、互助会制度などの福利厚生制度の対象とはなってございません。会計年度任用職員と位置づけるか、事業執行上の個別契約の関係に位置づけるかにつきましては、各事業所管課が事業の性質などから判断してございます。  一方、事業活動中の事故等による傷害につきましては、公務災害や労働災害の対象とならないことから、各事業所管課の判断において傷害保険に加入するなどの対応を行っていることが多いものと認識してございます。また、ハラスメントや契約上の問題などお困り事が生じた場合には、各事業所管課においてお話を伺い、事実確認を行うなど、職員相談と同様に誠意を持って対応しているものと認識してございます。  ハラスメント相談事業への対応その他個別契約の関係にある方を守る仕組みの整備につきましては、国のフリーランス事業者の保護に係る法律の検討状況などを注視しながら、必要な対応を検討してまいります。  以上でございます。 ◎小泉 教育政策部長 私からは教員不足について二点お答えいたします。  最初に、正規教員の配置についてでございます。  今年度当初においては、東京都全体で必要な教員を配置できない状況が生じ、世田谷区立学校においても、算数少人数指導の教員や家庭科などの専科教員を担任に配置換えするなどの措置を行った状況がございました。また、産育休代替については、年度途中での配置が必要となるため、候補者名簿を学校へ送付し、補充ができるように支援しておりますが、速やかに充足できていない場合があります。学校教育においては、子どもたちへの指導だけでなく、学校運営全体においても教職員の力が不可欠なため、各学校の規模に合わせた教職員を配置していくことが重要であります。  教育委員会といたしましても、教員が不足することで、子ども、保護者の不安にもつながりかねない喫緊の課題であると認識しております。そのため、区教育委員会といたしましては、引き続き人材情報の収集に努め、学校への情報提供を行っていくとともに、区独自の講師配置などの支援も行ってまいります。あわせて、正規教員の適正な配置と拡充について、任命権者である都教育委員会へ強く要望してまいります。  次に、年度中途の退職や病気休職等への対応についてでございます。  今年度も中途退職や病休を取得した教員は、新規採用の教員を含め一定の割合でいる現状です。中途退職や病休の理由については様々な個々の事情があるところではございますが、議員お話しのように、学校が抱える問題として、教員の支援に努めていくことが必要であると認識しております。現在、教育委員会では、包括支援員や生活サポーターによる学習面での支援や、スクールカウンセラーによる教員の心のケアなどにも努めております。また、新規教員などは、学校内だけでなく、教員同士の横のつながりも持てるよう、研修を通して交流を図れるようにしているところです。今後も教員が心身ともに健康で仕事に当たることができ、学校が魅力的な職場となるよう、環境整備や物的、人的支援を実施してまいります。  以上でございます。 ◆四十三番(羽田圭二 議員) 一つは、低周波音による騒音被害についての対応であります。  生活騒音は、先ほども申し上げましたけれども、法や条例によって規制をするというのがなかなか難しいと言われてきました。したがって、今後、未然の防止対策ということが重要だと考えます。今後、環境基本計画にこうした内容について盛り込むべきではないでしょうか、この点についてまずお聞きします。 ◎岩本 副区長 再質問にお答えをいたします。  低周波音による騒音問題について、環境基本計画で対応すべきとの御指摘です。来年度から環境基本計画につきましては見直しに向けた検討を開始する予定となってございます。環境基本計画では、住宅都市における生活環境を守ることもテーマとしてございますので、環境問題の一つとして、住宅所管課とも連携しながら議論を深めていきたいと考えてございます。  以上です。 ◆四十三番(羽田圭二 議員) 生活騒音という捉え方ですが、これは、東京都等では市民生活に配慮すべきだという判断がなされていますので、今の答弁にありましたように、環境基本計画の中で、ぜひ今後の見直しの中で検討していただきたいかと思います。  それからもう一つは、教員の不足の問題と学校の今後の在り方の課題であります。  学習場面での支援や教員の心のケア、研修や交流の強化によって、途中退職者や病気休職、病気休暇取得者が減少につながると考えているのか。これは実際そのような取組は既に行ってきたのではないかということも含んでいます。  それからもう一つ、子どもたちの個性や多様性を尊重し、意見表明権や決定権を保障した学校運営、教員が子どもたちと向き合える時間や環境の確保はセットではないかということを常々言ってきたわけですが、その点についてお答えをいただきたいと思います。 ◎小泉 教育政策部長 再質問にお答えいたします。  教員が生き生きと働くことができる魅力的な職場とは、教員が子どもと向き合う時間が確保されている学校ではないかと考えています。そのような学校では、教員が子どもの教育に注力することができ、議員御指摘のとおり、子どもの意見表明権を保障した学校運営が可能となります。教育委員会といたしましては、学校への人的、物的支援のほか、業務の見直しなどを通じて、教員が子どもと向き合う時間が十分確保され、学校が魅力ある職場となるよう教育環境の改善に努めてまいります。  以上でございます。 ○下山芳男 議長 以上で羽田圭二議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、三十九番和田ひでとし議員。    〔三十九番和田ひでとし議員登壇〕(拍手) ◆三十九番(和田ひでとし 議員) 通告に従い順次質問してまいります。  まず、不登校対策についてです。  文科省は十月二十七日、令和三年度の生徒指導上の課題に関する実態調査を発表し、不登校の小中学生数は過去最多ということでした。新型コロナウイルス感染症に伴って、学校や家庭における生活や環境が大きく変化し、特に令和二年度当初の新型コロナウイルス感染症による約三か月間の学校休業は、子どもたちの行動等にも大きな影響を与えていることがうかがえるとしています。そして、小中学生の不登校は九年連続の増加となり、対前年度比二四・九%増の二十四万四千九百四十人、特に小学校での増加が目立ち、過去最多を記録しています。不登校の原因については複雑な要因が絡み合っており、単に数字では判断できませんが、やはり増加し続けている現状を見過ごすわけにはいきません。  区では、不登校の相談先とご案内として、学校緊急連絡情報配信サービス「すぐーる」で配信し、相談につなげられるようにしています。  そこでまず、世田谷区においての現在の区立小中学校の不登校の状況がどのようになっているのか伺います。区では、不登校を問題行動として判断するのではなく、取り巻く環境によっては、どの児童生徒にも起こり得るものとして捉え、学校への復帰のみを目標とせず、児童生徒の将来の社会的な自立を目指すことが示され、従来の不登校対策の方向性の転換も図られてきたということです。  そこで、区では、不登校特例校やほっとスクールなどが、不登校児童生徒の居場所として整備されていますが、利用する児童生徒が増加している現状について、今後どのような展開を考えていくのか伺います。  不登校の大きな要因の一つとしていじめがあると言われますが、この因果関係は複雑であり、軽々に決めつけるわけにはいきません。我が会派の加藤議員の代表質問でも触れましたが、今年度の文教委員会では、岐阜市が取り組むいじめ対策監を中心とした総合的ないじめ対策について行政視察をされたそうです。大変参考になったということです。  岐阜市では、令和二年度より、いじめ未然防止、早期発見、早期対応、発生時の対応に専任する教員のいじめ対策監を各校一名ずつ、全市立学校に七十一名配置したということで、校内のミドルリーダーとして指導力を発揮できる教員が担っていると聞きました。毎月一回のいじめ対策監研修会を開催し、様々な分野のエキスパートを招いて行い、さらに部局横断的組織として、副市長、教育長を本部長として岐阜市いじめ対策監支援本部が設置され、これも毎月開催されているということです。このように、いじめ対策監のような存在は、いざというとき、児童生徒たちが相談できる身近な先生としても大変心強いものかもしれません。  そこで、区では、いじめを生まない、許さない学校づくりを進めていますが、それでなくとも教員の多忙化が大きな問題となっている今、どのようにいじめ問題と向き合っていくのか伺います。  いじめの未然防止のためには道徳教育も大変重要であると考えます。区では、平成三十年から小学校で、三十一年からは中学校で道徳の教科化が全面実施されています。相手の立場を考え、相手を思いやる心の醸成が大切であると言われる中、道徳が授業として教科化されたことでどのような学習をしているのか、また、子どもがこれからの社会を生き抜いていくために、どのように子どもの成長に結びつけようとしているのか、そして今後、教科化された道徳の授業に対し、どのように取り組んでいこうとしているのか、区の見解を伺います。  子どもの健やかな成長には、学校教育とともに、家庭教育が両輪となっていくことが重要であることは言うまでもありません。私の子どもたちが地元の小中学校でお世話になっていた頃、親同士の研さんの場として家庭教育学級が開催されていました。既に二、三十年も前のことであり、現在ではPTA活動も大きく変わってきていると言われる中、不登校やいじめ問題が増え続けている現在、家庭教育学級の開催状況について伺います。  時代とともに大きく変化している子どもの教育については、学校で学ぶことと家庭で教えるべきことをしっかり確認し合いながら、学校と家庭の連携を取っていくことは大変重要であると考えます。家庭教育学級については、教育委員会としてこれまでも予算や講師の紹介など、様々な支援をしてきていますが、今後、この家庭教育学級についてどのように進めようとしているのか、区の見解を伺います。  次に、高齢者施策についてです。  団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年が間近に迫っており、そして長引くコロナ禍もあり、高齢者が元気なうちから介護予防、フレイル予防に取り組むことはますます重要と言われております。そして、外出を控えたい方が多いコロナ禍だからこそ、この介護予防事業の取組として、区が試行的に取り組んでいたオンライン版まるごと介護予防講座について、私は昨年度の第三回定例会で、もっと高齢者に寄り添って進めるべきとの質問をしました。その後の取組として、昨年度の課題を踏まえて、今年度はどのようにオンライン介護予防講座を展開しているのか伺います。  また、後期高齢者になると、民生委員によるふれあい訪問やあんしんすこやかセンター職員の実態把握などで、ひとり暮らしや高齢者のみ世帯を訪問するなど、把握の機会ができますが、前期高齢者の中にもフレイルではないか不安な方がおり、むしろ早期からの予防策が重要であります。フレイル状態ではないかと思われる前期高齢者のひとり暮らし、高齢者のみ世帯に対してどのような取組をしているのか伺います。  家族や近隣の方から、フレイル状態ではないかと思われる高齢者の相談を受けるときには、ちゅうちょなくあんすこを案内していますが、このようなとき、まず最初の相談窓口としてあんすこの存在をまだ知らない方が多いのが現状です。あんすこは関わる高齢者に寄り添い、親身になって相談に乗っており、役割は大変重要であります。たとえ介護保険申請以外でも、こうした高齢者の相談先として、各地区にあるあんすこの存在をもっと広く知らせていく必要があるのではないでしょうか、区の見解を伺います。  最後に、大井町線・東横線の踏切解消に向けた来年度の調査についてです。  これまでも何度か質問しましたが、いよいよ自由が丘駅周辺の再開発事業が来年から始まります。我が会派としても、この機を捉え、区内の大井町線・東横線の踏切解消実現に向けた好機と捉えるべきと申し上げてまいりました。連携して取り組む目黒区では、昨年度に引き続き調査を行うことになっているそうですが、世田谷区としては、来年度の調査についてどのように考えているのか伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎平沢 教育総合センター担当参事 私からは不登校対策について二点お答えいたします。  まず、区内での状況についてです。  国の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査では、昨年度の区の不登校児童生徒数は千二百二十八人となっております。この調査は、令和三年度に継続的、あるいは断続的に三十日以上登校しなかった児童生徒のうち、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因、背景により登校しない、あるいはしたくともできない状況にあった児童生徒数の総計でございます。この中には既に学校に復帰している児童生徒も含まれており、この人数の不登校児童生徒数が常態化していたというものではございません。しかしながら、依然として不登校児童生徒数は増加傾向が続いていることから、教育委員会といたしましても、不登校支援のさらなる推進と充実に取り組む必要があると認識しております。  次に、不登校対策の今後の展開についてお答えいたします。  不登校特例校分教室ねいろにつきましては、四月の開設以降、入室を希望する生徒が増加しており、現在三十名の生徒が入室しており、今後も入室者の増加が見込まれる状況にございます。こうした状況を踏まえ、今般教育会館二階の旧タッチ・ザ・ワールドの跡地をねいろの学習室等に転用し、各学年二十名程度、計六十名程度に受入れ人数を拡充したほか、ほっとスクール城山においても利用定員の拡充を図ったところでございます。不登校児童生徒数が依然として増加傾向にある中、新たな受入れ体制の拡充は急務であることから、今後、ねいろの評価検証の状況や生徒や保護者、教員からのニーズを把握し、既存施設の利活用も視野に、新たな分教室やほっとスクールの整備に向けて必要な検討を行ってまいります。  以上でございます。 ◎小泉 教育政策部長 私からは教育について四点お答えいたします。  最初に、いじめへの対応についてです。  不登校の理由としては、友人関係の悩みや無気力等が多く挙げられておりますが、その背景に表面化していないいじめがないか、家庭訪問等を通じて把握し、対応することが必要と考えます。いじめの早期発見、早期対応のためには、児童生徒が相談しやすい環境を整えることが重要であると考えております。現在、各学校へのスクールカウンセラーの配置や学校生活アンケートの実施、学習用タブレットへの教育相談窓口の案内の掲載などの取組を行っています。教育委員会としては、今後も児童生徒が相談しやすい体制を検討し、子どもたちが安心して学校生活を送れるよう取組を進めてまいります。  次に、道徳教育について三点お答えいたします。  最初に、道徳の学習についてです。  学習指導要領において道徳科の目標は、よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため、道徳的諸価値についての理解を基に、自己を見詰め、物事を多面的、多角的に考え、自己の生き方についての考えを深める学習を通じて、道徳的判断力、心情、実践意欲と態度を育てることとされています。内容としては、思いやり、感謝、友情、信頼といった人との関わりに関することや、よりよい学校生活、集団生活の充実といった集団や社会との関わりに関することなど、読み物教材を活用したり、体験的な学習を通じて学んでおります。そうした学習をするに当たっては、心情や態度といった内面的資質の育成につながるよう、自分が同じ場面、状況ならどう感じたり考えたりするかなど、自分事として考えさせることを大切にしています。  次に、道徳と子どもの育成についてです。  道徳教育から特別の教科道徳への改定の際には、考え、議論する道徳への転換とされ、これからの予測困難な社会に向けて、一人一人が道徳的価値の自覚の下、自ら感じ、考え、他者と対話し、協働しながらよりよい方向を目指していく資質、能力を備えることが重要とされました。そのような中で、各学校においては、クラス内での意見交換などを通して、自分とは異なる感じ方、考え方を知り、物事を広い視野から多面的、多角的に考えることのできる子どもの育成に努めております。  最後に、道徳の今後の取組についてです。  これまで各学校においては、読み物教材の登場人物の心情を自分との関わりで共有する学習や問題解決的な学習、道徳的行為に関する体験的な学習など、多様な方法を取り入れ指導方法の改善を図ってまいりました。教育委員会といたしましては、今後も週一回の道徳科の授業の充実を図り、子どもたちの道徳的判断力、心情、実践意欲と態度の育成に向けて適切に取り組んでいくことや、各学校において、道徳教育推進教師を中心とした道徳教育の推進に向けた道徳教育研修を引き続き実施するとともに、子どもを励まし、これからにつながる指導が各学校において実施されるよう努めてまいります。  以上でございます。 ◎内田 生涯学習部長 私からは家庭教育学級について二点お答えいたします。  まず、現在の開催状況についてです。  家庭教育学級は、子どもの教育に関わる家庭、学校、地域社会における課題について、保護者が知恵を出し合い、学び合う場として、区立の幼稚園、小中学校のPTAが実施をしております。新型コロナウイルス感染症の影響により令和二年度は活動を中止しておりましたが、三年度からは任意の開催とし、Zoom等を活用したオンライン形式を取り入れるなど、新たな形での実施も始まっています。今年度前半までで、幼稚園、小学校、中学校では九十八校中四十校が実施し、うちオンラインでの実施は七校となっており、PTAの皆様が共に学び、意見交換することに意欲的に取り組まれております。  次に、今後どのように進めていくかについてです。  家庭教育学級の実施に当たり、庁内の関係所管と連絡会を設置し、家庭教育のテーマ選定に役立つ取組について、各PTAへ情報提供を行うとともに、支援の状況等について情報共有を行っています。近年では、就労形態、家庭生活やライフスタイルの変化、価値観の多様化などに伴い、家庭をめぐる社会的状況が大きく変化していることから、提供するテーマも随時見直しが必要と考えております。今後とも保護者の皆様がテーマ選出に当たり確実に情報を得られるよう、分かりやすい情報提供に努め、不登校やいじめなどの問題についても、誰もが考えを巡らす機会を持てるようなテーマの選出についても検討し、実りある学びの機会を得られるように開催の支援を行ってまいります。  以上でございます。 ◎山戸 高齢福祉部長 私からはフレイル予防について三点御答弁いたします。
     最初に、オンライン介護予防講座の現在の取組についてです。  令和三年度の試行の際は、初回講座の申込み方法が電子申請のみであったことや、六回の講座の中に対面集合型の講習三回とオンライン型の講習三回を併用したことにより、コロナ禍等で対面集合型の講習には御不安な方に対するニーズに応えられておらず、参加者が少ない回もございました。令和四年度のオンライン版介護予防講座では、まず申込み方法を電子申請とせたがやコールにいたしました。また、講座の実施前にZoom講座を開催して、初心者でも無理なく参加できるようなプログラム構成としたため、夏に実施した講座では定員二十名を超える申込みがあり、一月以降も同様に実施してまいります。  次に、前期高齢者のひとり暮らし高齢者世帯に対する取組についてです。  コロナ禍で外出を控えがちなフレイルが心配される高齢者は多いと見込まれ、そうした高齢者を早期に把握し、介護予防事業につなげることは重要だと認識しております。現在、あんしんすこやかセンターでは、六十五歳以上の御本人、御家族や地域の自主活動グループへの訪問などから、フレイルが心配される高齢者に介護予防事業の紹介を行っております。また、昨年度より玉川地域のあんしんすこやかセンター独自の取組として、地域の実態を考慮しつつ、前期高齢者のひとり暮らし、高齢者のみ世帯の実態把握訪問を行っております。今後は、玉川地域の取組の効果や他自治体の状況を参考にしながら、前期高齢者の支援について検討してまいります。  最後に、あんすこの存在を広く知らせていく必要があることについてです。  フレイルの不安がある方などが相談機関に早期につながるため、あんしんすこやかセンターの周知は重要であると認識しております。現在、チラシ、広報紙、ホームページのほか、窓口や講座、イベントなどでイメージキャラクターあんすこ君を使った啓発品を配布するなど周知を行っております。また先般、あんすこの利用者へアンケート調査を実施したところ、民生委員や病院、御近所、御家族等の紹介で相談につながったものが相当数あり、地域の関係機関や御家族等への周知の重要性を改めて認識いたしました。今後は、児童館を加えた四者連携の取組での周知や、SNSの活用にも取り組み、より広範囲に働きかけ、あんしんすこやかセンターの周知を進めてまいります。  以上です。 ◎青木 道路・交通計画部長 私からは大井町線・東横線の踏切解消について御答弁を申し上げます。  昨年度より目黒区では、自由が丘駅付近における都市基盤整備の方向性や、道路と鉄道の立体化の調査検討に取り組んでおります。世田谷区といたしましては、自由が丘駅付近にとどまらず、区内大井町線・東横線の踏切解消が大きな課題であると考えており、調査検討に当たっては、目黒区とも情報共有を図り、両区で取り組むことが重要と考えております。  鉄道の立体化には多くの費用と期間を要しますが、世田谷区においても、目黒区とも協議の上、調査すべき検討内容を整理しながら、必要な調査費を精査し、来年度以降、大井町線・東横線の開かずの踏切解消に向けた調査検討を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆三十九番(和田ひでとし 議員) 不登校対策、非常に気になるところなんですけれども、いろいろなこうしたタブレットを利用するだとか、あるいはほっとスクール、そういったところに行って活動できる。これも大変重要なんですけれども、大変気になるのが集団活動が果たして本当に大丈夫なのかなと、そういうところもありますので、なるべくだったらば、こういうところに行きながらでも、何とか学校へ復帰できるような、そういった取組を前向きに考えていただきたいと思います。  そして、その受皿となる環境を整えていくこと、あわせてその要因を取り除いていくことも大変重要であると思います。いじめについては、先ほど岐阜市の事例を紹介しましたが、岐阜市では、令和元年七月、市立の中学校の生徒がいじめが主な要因として自ら命を絶つという大変痛ましい出来事がありました。あってはならない出来事だと思います。  教員資格を持ったいじめ対策監を市立の全学校へ一名ずつ配置には、年約三・三億円という予算を投入してまで体制を整えております。大変参考になる取組だと思うのですが、視察に同行された教育監はもうこの席にはおりませんので、質問ができませんが、仮に世田谷区に置き換えると、九十校ですから、私が勝手に計算しましたが、約四・五億から五億円かかるのではないかなと思います。給食費無償化には約二十億円を検討しておりますけれども、予算には限りがあります。子ども・子育て応援都市宣言の世田谷区が、未来ある子どもたちのために今何をすべきか、しっかりと考えていただくことを最後に要望いたしまして、私の質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で和田ひでとし議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時二十七分休憩    ──────────────────     午後一時二十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続けます。  二十一番いそだ久美子議員。    〔二十一番いそだ久美子議員登壇〕(拍手) ◆二十一番(いそだ久美子 議員) 通告に従い質問いたします。  世田谷の都市農業についてです。  喜多見の農家さんにお聞きした話で、昨年の冬、神奈川県のNPOから協力依頼があり、農林水産省の農業労働力調査というアンケートに協力したということです。目的は、農業現場における労働力不足を解消し、労働力確保を推進するための取組で、区からこのような調査が来たことがないので、国が今後の農業について考えてくれることに期待を持って十名ほど回答したということです。確認ですが、当区では農業の状況、すなわち、面積や就農者の年齢、継続や売却の希望、労働力の確保など調査し情報を得てはいないんでしょうか、まずお聞きします。  本年は、多くの生産緑地が期間満了し、宅地に転用されるおそれがある二〇二二年問題と言われた年で、緑の減少も懸念されていました。現状はどうなっていますでしょうか。区は農地減少への対応として買取りなどの予定はないのか、この点についても併せてお伺いします。  一方で、食の安全や環境への関心の高まりから、欧米をはじめ都市部の農業がブームになっています。二〇一八年に都市農地貸借法が制定され、農地を借りやすくなったこと、人口が多い都市部では野菜直売所や学校給食で地産地消が図れることなどで、都市の新規就農者も増えており、当区でも区民農園は大変人気とお聞きしています。応募人数及び倍率はどれぐらいでしょうか。  農業への関心が高まる中、区が行っている農業サポーター講習会などを紹介、育成すれば、人手不足の農園などへの人材支援の一助となるのではと考えますが、区の制度に農業に関心の高い方たちを引き込む工夫はしているのか、また、農家にきちんと情報提供がされていますでしょうか、お伺いします。  さきの農水省のアンケートに答えた農家さんが、区の取組をよく知らないというのは、区の調査対象が農地十アール以上の農家三百八戸であり、それ未満の農家を対象から外していることも一因かと思われます。小規模農家にも様々な要望やアイデアがあるでしょうし、これからセカンドライフや趣味として新たに就農を希望する区民、若者、消費者に対し、広く区の農業の取組を伝え、関心を高めていくことは、豊かな都市農業をつくり、みどり率向上にもつながると考えます。既存の業界紙だけでなく、ウェブサイトや学校行事を通じて幅広い農業PR活動を要望いたしまして、次の質問に移ります。  児童生徒の学校運営への意見とその対応についてです。  旧池尻中学校跡地開発に関連し、中学校校庭相当分と一体型で使っていた池尻小学校校庭の一部を民間事業者に貸し出すことになり、十月二十四日に校庭縮小工事の通知が学校を経由して保護者に配付されました。かねてより校庭縮小に関しては小学校PTAから反対意見も出ていましたが、今回は児童からも百二十八通の意見、手紙が区宛てに届きました。  私も分類しながらこれらを読んでみましたが、気持ちを素直に表す要望の文書もあれば、一部説明不足により誤解を招いていると思われる書簡もありました。例えば、校庭をなくさないでという言葉が二十九件、狭くしないでが二十五件、自慢の校庭が四件出てきます。なくすわけではないこと、狭くなっても世田谷一の広さは確保できていることは学校から子どもたちに説明が必要です。小学校側の意見を重視して、当初の計画より小学校校庭の面積を拡大したことも、手紙を書ける学年の児童は説明すれば理解できるでしょう。  一方、球技をする児童がいるので危ないという意見は、面積に限らず、校庭の使い方について学校側が考えるべき課題です。また、芝生を減らさないで、なくさないでが十一件。これは私もみどり所管と話をしましたが、撤去した芝の一部は池尻小と同じ学区の三宿中に移植されることになっているのですが、周知されていないようです。  児童がこれだけの意見を表明できることに私も驚きましたし、内容に関しては、保護者を通じてではなく、直接回答する機会が必要と考えますが、区としてはどのように対応するかお聞きします。  子どもからの相談といえば、家庭や不登校など悩み相談が思い浮かび、学校ではこころの相談室、その他せたホッとなどで対応しています.学校に通っていれば、社会の都合で子どもの環境が変わることもあります。校庭、校舎の整備やコロナの影響で行事を取り止めたこと、その他学校運営や規則に関することで、これまで児童生徒からの意見や質問が出たことはないのでしょうか、あれば、そのようなときどう答えてきたか、お聞かせください。  私たち大人は何でも保護者宛てに連絡すれば子どもに伝わるだろうと考えがちで、本来主体である子どもたちの気持ち、意見を表明し得る機会を設けてこなかったのではないでしょうか。今回のように、学校改築、移転、統合、行事の変更、中止などに関しては、保護者とは別に児童にも直接の説明と対話の機会が必要と考えます。どのように実現していくか、見解をお聞かせください。  区立中学校の制服の進化と改善についてです。  学校の制服とは、各家庭の経済格差を目立たせず、同じ学校で共に学ぶ一体感や愛校心を育む効果があるとされ、また冠婚葬祭の正装ともなります。私自身、中学校と高校では制服があり、制服で移動中に卒業生だという通りすがりの人から話しかけられたり、世代を超えて人をつなぐコミュニケーションツールになるのだなと感じた記憶があり、愛着を持っております。没個性的であることや気温の差に対応しづらいこと、成長期に買い直しの必要があることなど、制服のデメリットや廃止論もありますが、区内の中学校で制服、世田谷区では標準服が採用されている現在、より時代のニーズに対応し、生徒たちが身につけて気分が上がる制服の在り方を考察したく、幾つかお聞きします。  まず、コストについてです。区立中二十九校の制服の価格を調べたところ、女子の冬服スカートタイプで三万六千円が平均値、最高値と最安値で一万六千円ほど差がありました。公立中でこれほど価格差があるのは問題です。子育て支援については、成長過程でかかる経費負担を減らすのが自治体の役割であると私は思っています。制服無償化とは言わないまでも、一定額を超える制服には助成金を出すなどとして平準化をする必要はないでしょうか、お考えを伺います。  次に、制服の発注方法についてです。いまだに昭和のテーラーのように採寸をして注文するパターンオーダーが主流とお聞きしましたが、通販で既製服が容易に入手できる現代、量産でコストダウンや納期の短縮は図れないのでしょうか。これは制服メーカーであるカンコー、トンボ、オゴー産業など質問状を出したところ、特注サイズ以外は、S、M、Lなど量産しているという回答でした。コストに関しては、納期厳守のため国内縫製にしていることと、各学校デザインが全て異なるので、デザイン統一でもしない限りコストダウンは難しいということでした。メーカーが量産しているなら、採寸会を行っているのは洋品店の都合ということになります。砧地域のある洋品店で聞いたところ、地元の砧中では既に採寸会は行わず、店頭で試着などをして決める。コロナ以降、採寸会は止める方向だが、まだやっている中学もあるということで、中学によってもやり方が違うとは初めて知りました。採寸会は成長を味わう喜びのイベントでもあるかもしれませんが、少しでも手間を省くため、既製服のサイズを公開したり、各洋品店で試着による注文方式とするなど、効率化を図ってはいかがでしょうか、見解を伺います。  制服デザインのリニューアルについてです。詰め襟とセーラー服の時代から、近年ではブレザータイプが主流になり、男女兼用のパンツスタイルが加わったり、生地も家庭で洗濯できる素材になるなど、制服は進化しています。デザインや機能性については着る当事者も強い要望があると思われます。制服リニューアルに関してはどのように企画しているでしょうか、保護者や生徒の意見も取り入れているのか、お伺いします。  最後に、卒業生などの制服リサイクルについてです。個人交換、PTAが運営するバザーが主流だと思いますが、例えば、学校ホームページに専用サイトをつくり、ウェブでのやり取りができないでしょうか。ネット環境を通じて、より多くのマッチングが成立し、まだ使える制服が捨てられることがないよう工夫したいものですが、リサイクルについて効果的な取組があれば教えてください。  当面、中学校の標準服を維持するのであれば、家庭に負担が少なく、着る当事者に快適で愛着の持てる高品質の制服を追求していただくことを要望いたしまして、壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎後藤 経済産業部長 都市農業について三点御答弁申し上げます。  一点目、農地の状況の把握に関してでございます。  区内の農家の方々の現状につきましては、区内JAとで情報共有を密にしながら把握に努めているところでございます。また、毎年農家基本調査を実施し、農家面積や農家の戸数、生産販売状況等の基本状況を把握してございます。この調査は、お話しのとおり、十アール以上の農地もしくは生産緑地をお持ちの方を対象に行っています。さらに、今年度は都市計画課とともに特定生産緑地指定等の意向調査を行い、この中で農地の継続や貸借の意向、後継者の有無や農業経営の状況等について調査をしているところでございます。現在、その集計を行っています。  二点目、農地減少への対応策等について御答弁申し上げます。  二〇二二年に多くの生産緑地が売却可能となる期限を迎え、一斉に農地が売却されることが懸念されており、世田谷区は農地継続となる特定生産緑地への九〇%以上の意向を目標に掲げて取り組んでまいりました。このたび、区内生産緑地の約八割を占める平成四年指定の生産緑地について、九二%以上が特定生産緑地に移行したことから、一度に多くの農地がなくなる危機は回避されたと考えます。平成五年以降指定の生産緑地についても、引き続き特定生産緑地への移行に向けて取り組んでまいります。  また、農地保全の別の取組といたしましては、農地保全方針に基づき、農地を取得しながら農業公園を開設しているとともに、十一月に農福連携事業拠点として約三千五百平方メートルの農地を取得いたしました。今後、これらの農地を活用し、農地保全、農業振興を促進してまいります。  最後に、農業への関心の高い方たちを引き込む工夫等について御答弁申し上げます。  区民農園につきましては人気が高く、昨年度の募集では、応募区画数二百三十三に対し千百五十六世帯、約五倍の応募がございました。お話しの農業サポーター登録制度は、自由に野菜づくりを行う区民農園とは異なり、区の農作業体験事業で農家の方々の指導を受けて一定期間の農作業を行った方を対象としてございます。現在八十七人の方が登録し、そのうち五十一人の方が農家のサポートを行っていただいております。これら農作業体験事業の参加者募集は、「区のおしらせ」やホームページなどで行っておりますが、定員を上回る応募人数となっている状況でございます。今後も農業公園での野菜づくり講習会体験者へのサポーター登録を働きかけたり、農家の方々向けの情報紙「せたがや営農だより」や区のホームページ、農業イベントの機会などを活用した制度の周知など、関係部署とも連携してサポーター制度の活用を進め、農業への関心の高い方々を引き込む工夫を重ねてまいります。  以上でございます。 ◎知久 教育総務部長 私からは教育に関し順次御答弁させていただきます。  まず、池尻小学校校庭整備に係る児童への対応についてです。  旧池尻中学校跡地活用事業に伴い実施する池尻小学校の校庭改修に対し、児童から多くのメッセージが区に寄せられました。遊び場がなくなる、運動ができないといった校庭が縮小されることへの反対意見が百二十八件中九十四件と最も多く、そのほか芝生や土を減らさないでほしいといった校庭のしつらえに関する意見などがございました。教育委員会といたしましては、池尻小学校の協力も得ながら、校庭改修工事の詳細などについて児童や保護者への周知を図るため、区からのお便りの発行を現在検討しております。旧池尻中学校跡地活用事業の紹介や、縮小された後でも児童一人当たりの校庭面積は十六・六二平方メートルが確保され、区立小学校の中で一番広いことなどを丁寧にお伝えし、改修後の校庭等について理解を深めてもらえるよう取り組んでまいります。  次に、区立中学校の標準服の価格差についてです。  標準服の選定に当たっては、各校で業者選定委員会を設置し、複数のメーカーに提案させ、デザインだけでなく、素材や機能性、また三年間の使用に耐えるものかなどとともに、価格面での検討もなされております。把握している中では、スカートタイプの冬服上下で、一番高い学校が四万三千円、低い学校は二万七千円で、御指摘のとおり、一万六千円の差がございます。  教育委員会では、教育にかかる経済的な支援が必要な保護者に対して、就学援助費により中学校の新入学用品費として、標準服購入費も含め八万一千円の支援をしているところですが、まずはできるだけ保護者の納得を得られる価格となることが望ましいと考えております。価格も含めた標準服に対する現状把握と分析に努め、標準服選定における望ましい考え方などについて学校に示してまいります。  次に、標準服の発注方法についてです。  採寸会を行っている学校では、標準服だけでなく、体育着や上履き、バッグなどを実際に手にしたり、合わせるなどができるメリットがある一方、開催日時が固定されるなど、利便性に欠ける面もあると認識しております。  なお、実際には詳細な採寸というよりは、体型に近いサイズのものを試着し、選ぶというスタイルとなっております。採寸会に参加できなかったり、時間の都合がつかない場合は、直接店舗での注文も可能となっておりますが、教育委員会といたしましては、地域の状況や保護者の都合などに合わせて、注文方法を複数用意できることが望ましいと考えております。標準服の選定とともに、保護者や生徒のニーズに即した取扱店や注文方法などの在り方についても学校に示してまいります。  最後に、標準服のリニューアル、またリサイクル等について併せてお答えいたします。  議員お話しのとおり、標準服リニューアルに当たっては、着用する当事者である生徒の意見も大変重要だと認識しております。ある中学校では、生徒たちの中から標準服リニューアルの機運が高まり、検討に当たって教員をはじめ保護者や地域の方、生徒、さらに入学予定の児童の意見も聞くなど、子どもたちの意見を尊重した取組もございました。  また、リサイクルにつきましては、主にPTAが中心となって、標準服や体育着を対象に、学芸会など保護者が来校するタイミングを捉え、必要な方に必要なものを持ち帰ってもらうための交換の機会を設けるなどしております。PTAによっては、実際に持ち込まれた品物の写真をPTAのLINEグループ上で共有し、手元のスマートフォンで見ることができるようにするなど、来校して実物を見る前に確認できる取組事例もございます。生徒の意見を大切にした事例や保護者間での情報共有の事例など、参考となる取組を学校に紹介し共有してまいります。  私からは以上です。 ◎小泉 教育政策部長 私からは教育について二点お答えいたします。  最初に、児童生徒からの意見や質問の有無についてでございます。  これまで教育委員会に直接児童生徒から寄せられる意見や質問などは年に数件程度となっており、主に学校の先生に関するものとなっています。議員御指摘の校庭、校舎の整備や行事の取り止め、学校運営や規則に関することなどについては、直接保護者から御意見や御質問をいただいているところです。  次に、行事等の変更について、児童生徒との対話についてでございます。  学校の教育活動については、行事の変更、中止などの情報も含め、児童生徒へは適宜説明を行っているところでございますが、子どもたちが主体的に学校生活を送るためには、小学校の頃から当事者意識を持ち、自分たちの日々の問題を話し合い、解決していく力を伸ばすことが大切です。  例えば、小学校においては、学級活動や委員会活動など、特別活動の時間を活用して、よりよい学校生活の実現に向け、問題意識を持ち、その解決について話し合い、実践につなげる活動を実施している学校もあります。また、中学校においても、これまで生徒会を中心に校則の見直しやタブレットの使い方、地域との連携など、自分たちの身の回りの課題を見出し、解決するために話し合い、合意形成を図ったり意思決定をしたりする力を育んでいます。  子どもの権利条約の精神にのっとり、本年六月に制定されたこども基本法においても、子ども施策に対する子ども等の意見の反映が規定されていることを踏まえ、教育委員会といたしましては、子どもたちの意見を大切にした学校運営がなされるよう指導してまいります。  以上でございます。 ◆二十一番(いそだ久美子 議員) ありがとうございます。  都市農業についてはよい方向に行っていると思います。農地の問題だけでなく、食の安全やみどり率の向上とも関連の深いテーマですので、それぞれの所管と連携してしっかり取り組んでいただきたいと思います。  また、子どもの意見の反映については再質問です。御答弁に子どもの権利条約が例示されましたが、子どもの意見の表明を権利としてしまうと、日本では積極的に意見を述べるような教育をしてきていないので、発言をちゅうちょする子が置き去りにされてしまうことが心配です。消極的な子も含めた全ての子の意見をくみ取るためのカリキュラムや、また、教員側のスキルアップについてどのようにお考えか、お聞かせください。 ◎小泉 教育政策部長 再質問にお答えいたします。  全ての子どもが自分の考えをしっかりと持ち、意見を表明できるようになることは大切なことです。今後、学校においては、子どもたちが当事者として学級や学校での生活をよりよくするための課題を見出し、解決するために話し合い、合意形成し、実践していく力が求められてきます。教育委員会といたしましては、子どもたちが様々な場面で意見が言えるよう、タブレット端末での意見交換機能やアンケート機能なども積極的に活用し、誰もが気軽に自分の考えを発表できる場を確保し、子どもたちの話し合い活動のさらなる充実を図るとともに、教員が学習を支え導くファシリテート力を身につけられるよう支援してまいります。  以上でございます。 ◆二十一番(いそだ久美子 議員) 今回、池尻小学校の例はとてもいいスタディーになると思います。子どもたちにとっても、たとえ満額回答でなくても、自分たちの意見が少しでも通る、聞いてもらえるということは、ひいては学校生活や学校が楽しい場になると思いますので、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上でいそだ久美子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、十一番高岡じゅん子議員。    〔十一番高岡じゅん子議員登壇〕(拍手) ◆十一番(高岡じゅん子 議員) 通告に従い順次質問します。  初めに、プラスチックリサイクル新時代に向けて質問します。  プラスチック資源循環促進法ができ、プラスチックはごみでなく資源となり、無駄なものは作らない、使わない、捨てないことが求められる時代に向かっています。ごみ焼却炉などの建て替えに国の補助金を使うにも、プラスチックごみの分別と再資源化が必須となりました。世田谷区もプラスチックごみの分別や処理方法に関し、審議会で議論検討を行っています。  このような時代の変化は、世田谷区だけのことでなく、大都市東京二十三区共通の課題です。二十三区清掃一部事務組合を組織し、ごみの共同処理を行っている各区が、一斉にプラスチックのさらなる再資源化に向け動き出すと、受入れ可能な民間事業者が自区内や近隣自治体にある区を除くほとんど全ての区が、再資源化に向けたプラスチックごみの受入れ先に悩むということになります。収集運搬車両の増加や燃料のCO2削減の観点からも、効率的な収集運搬システムの構築も大きな課題です。  世田谷区での審議会の議論を有意義に進めるためにも、二十三区内に限定せず、複数の受入れ事業者について情報を集めることや、効率的な分別収集、運搬のための中間処理施設や、積替え中継所の区内設置の可能性など、幅広い視野での具体策の検討が急がれます。プラスチックの再資源化に向けた共通課題を解決するため、他区とも連携し、二十三区清掃一部事務組合にも働きかけ、効果的で実現可能な手法を見つけていく必要があると考えます。区の見解を伺います。  次に、みどり33実現に向けた樹木の保全について質問します。  区制百周年に向けたみどり33実現への道はなかなか険しく、みどり率を上げるためには民有地の緑を守る区民の協力が欠かせません。世田谷区では名木百選の選定や保存樹や保存樹林の指定などを通じ、貴重な大木や樹林地の価値を広く区民に知らせ、緑を大切にする活動を広げてきています。  最近、こういった貴重な樹木にナラ枯れや害虫、病気の被害が発生しています。大きな木であればあるほど、倒木や枝の落下の安全性も含め、持ち主の維持管理の手間や責任は大きなものになります。特に保存樹のオーナーに向け、剪定以外に病害虫対策や保全管理に関して情報提供やアドバイスが必要です。  こちらの写真は祖師谷公園で、木のうろのハチの巣について注意喚起の立札の例です。区民の多くは、大木や古木の維持には観察や手入れが必要であるということを実感できません。このような表示は、樹木の管理について区民の理解を高める効果が期待できます。ナラ枯れなど、病害虫の被害の兆候が見られた区立公園の木についても、掲示し注意喚起を行うことで、対処法や樹木の保全についての啓発に役立てることができるのではないでしょうか。樹木の病気や虫の害など早期発見し、樹木の保全を進めるため、保存樹のオーナーに対する支援の強化や、区民の協力を引き出すためのより積極的な情報提供を求めます。区の見解を伺います。  省エネ・創エネ改修の促進についてです。  世田谷区地球温暖化防止地域推進計画の改定が進んでいます。二〇一九年十月に世田谷区気候非常事態宣言から二年以上をかけ、環境問題に関心の高い区民の声を生かしたこの計画、CO2を減らす実効性が求められています。住宅都市世田谷、家庭部門からのCO2排出を着実に減らすためには、住宅の省エネと太陽光パネルと蓄電池による地産地消エネルギーの創出が何より有効です。新築住宅に対しては、国や東京都が新しい基準や条例をつくり、省エネ化を促進しようとしていますが、世田谷区内に五十二万戸以上も住宅がある中、毎年の新築件数は一万戸程度であり、住宅の省エネを進めるには既存住宅への対策が不可欠です。  世田谷区では、従来から環境配慮型住宅リノベーション推進事業を実施してきました。補助の利用件数や利用高も着実に伸びていると聞いています。併用できる国や都の補助メニューも多彩になってきています。環境配慮型住宅リノベーション推進事業の最近の利用実績と国や都の補助事業の現状についてお答えください。  世田谷区地球温暖化防止地域推進計画素案には、国や都のCO2削減目標を区の施策により上積みする目標値が示されています。区の施策による上積み削減量二十三万トンのうち、大半の十四万トンは住まいづくりへの区民の取組によるものです。この目標を実現するためには、現在の推進事業の名称を区民に分かりやすい、例えばエコ住宅推進事業などに変え、まず注目度を上げることが必要です。何が住宅改修のネックになっているのかを分析、補助要件や補助項目、周知方法なども含め、より使いやすく刷新していくことを求めます。区民による住まいのCO2削減がより進むため、より使いやすい補助制度の構築について区の見解を伺います。  最後に、子どもや若者の声を区政に生かす仕組みづくりについて質問します。
     世田谷区は「子どもが輝く参加と協働のまち せたがや」を掲げ、区政、特に子どもや若者に関する施策には、当事者世代の声を生かす取組を続けてきました。令和三年三月に子ども・青少年協議会から出された「若者の力が活きる地域~意見表明・参加・参画を中心に」と題した報告書にも、様々な提言がなされています。  この報告書の中で、若者参加シンポジウム二〇一九コーディネーターの林大介さんから、セレモニー、体験型でなく、実際に市民である子ども世代の声を行政施策に反映することが不可欠であるとのコメントも記録されていました。その後、新型コロナの影響により、地域の中で若者の力を生かす取組が進めにくい状況もあったかもしれません。  一方、今年の六月には子ども基本法が成立し、日本でも子どもが権利の主体であることが認められ、子ども権利条約の精神にのっとった子ども施策が展開していくことが期待されています。四つの基本権利の一つ、子どもの意見表明権は、先ほど引用した林大介さんのコメントにもあるように、ただ発表させて終わりではなく、それを大人が真剣に受け止め、子どもの最善の利益実現のために活用することまでが含まれた権利です。「若者の力が活きる地域~意見表明・参加・参画を中心に」の報告での提言を受けた後、区の具体的取組状況と、若者の声を行政施策に反映させることが望まれる中での今後の方向性について、区の見解を伺います。  子どもたちが自分たちの意見が周囲の大人によってきちんと聞かれている実感を持つためには、身近な地区や地域でまちづくりに参加、発言し、その一部でも地域の中で実現していくという手応えを得ることは有効です。それは大きな自信や達成感につながります。以前から生活者ネットワークは、子ども議会など、子どもの声を区政に生かす仕組みづくりを提案してきました。  先日の第三回定例区議会で確定した地域行政推進計画の中に、住民の声を区政に生かすための地域ごとのタウンミーティングが盛り込まれていることに注目しています。地域の未来を話し合うタウンミーティングならば、地域の未来を担う子どもや若者の声を積極的に取り入れる工夫が必要ではないでしょうか。大人のタウンミーティングに若者の参加を促すことはもちろんですが、地域で育つ子どもたちに対して、子どもだけのタウンミーティングや意見表明の機会を設け、そこで出た意見を大人が真剣に受け止め、子どもたちとともにまちづくりを進めていくことを提案します。地域の課題を発見し、解決に向けたよりよい未来を築いていくためにも、子どもたちの意見に耳を傾け、生かす取組を地域地区で進めていくべきです。区に見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 私からは省エネ・創エネ改修の促進に関して二点御答弁申し上げます。  最初に、環境配慮型リノベーション事業の最近の利用実績と都や国の状況でございます。  区内におけるエネルギー消費量は家庭部門が全体の約半数を占めており、地球温暖化防止対策には、区内の住宅から排出される二酸化炭素の削減は重要であると認識しております。国では、経済産業省及び国土交通省が補助金を設置し、住宅の開口部や外壁、屋根などに関する断熱改修、太陽熱利用システム、高断熱浴槽、高効率給湯器をはじめとする住宅設備の設置等について補助をしております。また、東京都でも複数の補助金を設置し、蓄電池、太陽光発電システム、高断熱窓、ドア、省エネ機器設備、その他省エネ改修に対する補助を行っております。  区では、平成二十五年度から環境配慮型住宅リノベーションの推進事業の補助を開始し、実績を踏まえ拡充してきており、直近の令和三年度の執行額は四千七百九十五万円、申請項目の総数は八百二十九件、令和二年度と比較しますと、約百十二件の伸びがありました。また、令和四年度は十一月現在、六〇%を超える予算執行予定額、項目総数では前年度の七五%となっております。今後も、国や都の動向を注視し、区の独自事業だけでなく、温暖化防止に資する様々な補助事業を区民が活用できる情報提供に努め、二酸化炭素排出削減を進めてまいります。  次に、より使いやすい補助制度の構築についてです。  御指摘いただきましたとおり、CO2の削減を進めるためには、区の環境配慮型住宅リノベーション推進事業をより広く区民の皆様に積極的に活用していただくことが重要だと認識しております。一方、省エネにつながる改修工事は、条件に応じて、区だけでなく、国や都の各種補助金が利用可能ですが、工事経費は大きな負担となります。今年十月から住宅金融支援機構では、省エネ改修工事のためのグリーンリフォームローンを実施しており、こうした区民に有用な情報も御案内するとともに、周知、案内方法の改善などをより一層工夫してまいります。  また、補助項目についても、二酸化炭素削減効果が特に高い太陽光発電システム、太陽光パネルや家庭用燃料電池、エネファーム、太陽熱ソーラーシステムと太陽熱温水器について、制度の拡充を目指すとともに、補助制度を分かりやすい名称に変更することや、より使いやすい制度となるよう検討してまいります。  以上です。 ◎蒲牟田 清掃・リサイクル部長 私からは中間処理受入れ施設の確保について御答弁申し上げます。  区では、現在、今後の区におけるプラスチック資源循環施策の在り方の検討を行うため、清掃・リサイクル審議会を開催し、プラスチック処理の現状や課題等を踏まえながら御議論いただいているところでございます。  廃棄物の資源化には、選別や梱包するための中間処理施設等が必要となりますが、現在、プラスチックの中間処理施設や中継施設のない世田谷区においては、これらの施設が区内や区外近接地に確保されることにより、収集作業効率の向上に伴う車両台数減など経費縮減につながるとともに、環境負荷を抑えることが可能となります。一方で、区内に新たに施設を設けるには、用地の確保や地域住民の方々の御理解を得る必要がございます。  区といたしましては、使用済みプラスチックの分別収集を行う場合には、施設設置の用地情報をはじめ、近隣施設の情報把握に努めるとともに、プラスチックの資源循環を進めるに当たり、中間処理施設等は二十三区共通の課題であることから、東京二十三区清掃一部事務組合に対して、施設の必要性や設置について引き続き働きかけてまいります。  以上でございます。 ◎釘宮 みどり33推進担当部長 私からは樹木の保全についてお答えいたします。  区では、みどりの基本条例に基づき、民有地内の樹木や、樹林地のうち樹形のすぐれたものや希少価値のある樹木などについて、所有者の同意を得て保存樹木、保存樹林地として指定し、樹木等の維持管理を支援しております。  樹木を健全に保全していくためには、ナラ枯れや松枯れ、うどんこ病などの様々な病害虫の防除が欠かせませんが、近年は全国的にナラ枯れの被害が拡大しており、区でもその警戒に努めているところでございます。区では、これまでこれらの病害虫について、ホームページなどで注意喚起を行うとともに、区が保存樹木への支援策として、三年に一度行っている剪定の際の状態確認や、毎年行う所有者へのアンケートで樹木の様子をお聞きし、職員による現場確認の上での助言、樹木医の派遣などを行ってきております。  病害虫への対応については早期発見が重要でありますので、今後とも病害虫に関する全国的な情報収集と、区内の状況把握に努めるとともに、保存樹所有者への意向調査の方法を見直すなど、分かりやすい情報提供や相談しやすい仕組みづくりを検討してまいります。  また、樹木の維持管理や健全性を保つことの大切さを広く区民に理解していただくために、ホームページなどによるさらなる広報の充実と、議員お話しの身近な公園緑地における現場で啓発につながる掲示などについても検討してまいります。  以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは子どもや若者の声を区政に生かす仕組みづくりについて御答弁を申し上げます。  区は、区長の附属機関である子ども・青少年協議会に若者の声を区政に生かすための検証をお願いしております。議員のお話がございました報告書は、若者委員をはじめとした協議会委員の皆さんで約二年間の議論を重ねて作成いただいたものでございます。その中で、現場へ出向き、若者の声を聞こうですとか、若者にも伝わる広報、PRをなど、八つの提言をいただいております。  区は、令和三年度以降、コロナ禍で活動の制限がある中ではございますが、青少年交流センターにおいて、利用者である若者の声を取り入れたオンラインでのゲームイベントを実施してまいりました。また、若者が行政情報や地域情報を発信するSNS「情熱せたがや、始めました。」、略称で「ねつせた!」といってございますが、この「ねつせた!」の活動にも力を入れることで、投稿数、フォロワー数が増加するなどといった効果もございます。  現在、令和三年度に新たなテーマで区から協議会に調査審議を依頼し、検証していただいている報告書が来年、令和五年三月に提出される予定でございます。これまでに御報告いただいた提言も引継ぎながら、より一層の若者の声を反映させた施策を進めてまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 ◎木本 北沢総合支所長 私からは、子どもたちの意見に耳を傾け、生かす取組を地域地区で進められないかという御質問にお答えいたします。  子どもを取り巻く社会環境の整備や地域社会における子ども・若者の健全育成には、当事者である子どもたちの声に耳を傾けながら、地域の実情に即して具体的に活動をすることが求められています。現在、まちづくりセンター単位に組織される世田谷区青少年地区委員会は、各地区において多世代の大人が子どもたちの声を聞きながら、知恵や経験を出し合い、地域地区で子ども・若者が心豊かに育っていけるような自主的な活動を行っているところです。  このたび、まちづくりセンターへのオンライン会議システム環境も整備され、また、児童館も含めた四者連携による取組も進めていることから、これまで以上に子どもたちが日頃から感じていることや、子どもの視点による地区の課題など、様々な声を聞くことができる環境が広がってきています。議員お話しの子どもたちによるタウンミーティングの場を活用することも有意義であると考えております。子どもたちが意見を言える環境づくりを進め、様々な機会を捉えて子ども自身の意見を聞き、子どもたちとともに地域行事や今後のまちづくり活動に取り組むことができるよう、関係者間による意見の共有に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆十一番(高岡じゅん子 議員) それぞれ推進に向けた御答弁をありがとうございます。  子どもたちとともにまちづくりを進める取組として、教育長も関わられていたおやまちプロジェクトなどにも私は注目しております。子どもたちの声を生かすには、ぜひ教育委員会の方とも協力し、地域での実践活動を通じて、子どもたちをともに育てていきたいと願っております。  また、エコ住宅の推進に向けては多くの方が利用することが大切です。その場合に予算が大切なので、ぜひ来年度、十分な予算の確保をお願いしたいと思っております。 ○下山芳男 議長 以上で高岡じゅん子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、五番ひうち優子議員。    〔五番ひうち優子議員登壇〕(拍手) ◆五番(ひうち優子 議員) 本日は、自転車の安全対策について、まずお伺いをします。  都内で警視庁が、信号無視、一時不停止、右側通行、徐行せずに歩道通行の四項目の違反自転車に赤切符を切ることになりました。赤切符を切られると懲罰や罰金などの刑事罰が与えられます。二〇二一年に都内で発生した自転車事故は前年比千六百二十八件増の一万二千三十五件と過去最多。今年はさらに増えて昨年を上回っております。世田谷区として区民の方への取締り強化についてどのように考えているのか、見解をお伺いいたします。  次に、電動キックボードの安全対策について伺います。  私はこれまで、日本でも普及し始めている電動キックボードについて、安全対策を早急に講じる必要があると質問をしてきました。懸念していたとおり、運転マナーの悪化が全国的に深刻な問題となっております。前回の質問では、世田谷区として今後ますます普及する電動キックボードに対して、早急に安全対策や区民の方へのルールの啓発などをする必要があり、他自治体のように、世田谷区でもホームページで注意喚起を行うなどして電動キックボードの安全対策、ルールの啓発を行うべきとの質問をいたしました。  また、小中学生は電動キックボードに乗れないはずだが、学校教育での啓発をする必要があるとの質問も併せてしました。その後の進捗状況について、二点お伺いいたします。  また、これまで電動キックボードが加害者となった死亡事故を含む事故が多発し、法律改正が検討されております。そこで、今回は電動キックボードの保険加入について何点か質問します。  電動キックボードを運転するためには、自賠責保険に加入することが義務づけられています。ところが、以前私が質問したように、小学生が一方通行を逆走して、あわや自転車に衝突しそうになったとの目撃情報が区内でも寄せられていることから、電動キックボードに自賠責保険の加入が義務づけられていることを知らない区民の方も多いのではないでしょうか。自賠責保険の義務化の周知について、見解をお伺いいたします。  また、自賠責保険は対人補償に限られているため、自損事故や物損事故は補償されません。そこで、電動キックボードも、以前から私が提案している自転車と同様に、任意保険への加入を区でも推奨すべきと考えます。電動キックボードは、時速六キロ以下ですと緑ランプを点滅して歩道を通行可能となる予定ですが、世田谷区の区民交通傷害保険の対象となるのかも含めて、見解をお伺いいたします。  次に、サイクルツーリズムについて伺います。  私は、スポーツ競技だけではなく、自転車のルール、マナーの啓発という観点から、世田谷版ツール・ド・フランスを過去三回にわたって提案してきました。いずれのときも安全性に課題があるということでありました。平成三十一年の予算委員会では、狛江市や調布市、府中市など多摩川沿いの市との協力開催を提案しましたが、今年、その府中市はツール・ド府中として、市内の観光スポットなどを自転車で巡るイベントを開催をしています。三ルートを設定して、専用のスマホアプリで完走を証明すれば記念品をもらえるというイベントです。このように自転車を活用した観光であるサイクルツーリズムを地域振興に役立てる動きが首都圏で広がっています。  自転車のまちとして全国的に有名な土浦市では、市が補助金を出して高級ホテルに宿泊してサイクルロードを走るツアーをはじめ、霞ヶ浦のサイクルクルーズや自転車とキャンプイベントの開催、自転車ロードサービスと提携をしたサイクルレスキュー、駐輪場所やトイレを提供する市内の店舗と協働した九十八か所のサイクルポート、職員の方の自転車通勤の推奨など、市を挙げて自転車の普及に取り組んでおります。  ほかにも、山梨県では二十キロの林道を自転車で走り、野外での食事やテントサウナ、ヨガなどを楽しむサイクルアドベンチャーフェスを開催、千葉県の東庄町では、リバーカヤックやトレイルランニング、史跡巡りを組み合わせたツアーを実施しています。これらの事業を実施している自治体では、サイクルツーリズムを受け入れる環境整備のために、シェアサイクルが普及したり、自転車専用レーンなどの自転車が安全に走行できる道路整備なども急速に進んでおります。  このように、サイクルツーリズムは、①特定の日時にコースを設定する参加型、②サイクリングロードなどのインフラを整備して地域の名所や飲食店などを紹介する設置型、③主催者がツアーを企画して日程やコースを計画するツアー型、④サイクルトレインを運行するなどの仕掛けをする企画型があります。  そこでお伺いをいたします。過去何度も質問したツール・ド・世田谷を、今年開催したツール・ド府中を参考に実施を検討していただきたいと考えますが、見解をお伺いいたします。  次に、サイクルツーリズムのうち、地域の名所や飲食店などを紹介するコースを設定する設置型が各自治体ではメインになっており、外部からの観光客との触れ合いによって地域が活性化する、地元の産業の振興につながるなどのメリットがあります。  例えば砧地域では、区内の大学生と共同で作成をしたTohodeというハイキングマップがあり、各まちづくりセンターなどで配布をして、評判がいいとのことです。ハイキングマップの自転車版として世田谷区サイクルマップを活用して、さらに自転車で区内を周遊できる魅力あるマップを作ることを提案いたします。お考えをお伺いをいたします。  次に、土浦市では、職員の方の自転車通勤を推奨していますが、世田谷区の庁舎を見ますと、区職員の方の駐輪場だけでなく、来庁者の駐輪場も常に自転車であふれかえっております。そこで、新庁舎では職員用、来庁者用に十分な駐輪スペースを確保すべきと考えます。現在の計画についてお聞きします。  次に、インボイス制度について、区内事業者への支援の観点からお伺いをいたします。  インボイス制度が来年の十月一日から開始予定ですが、事業者の負担が大きいことから、日本商工会議所が九月十五日に導入時期の延期を含めた意見を公表するなど、各関係団体が次々とインボイス制度に対する懸念を表明しております。私のところにも幾つもの中小企業の方から、そもそもインボイス制度の内容がよく分からないという質問から、登録すると事務負担や財務システムの整備などの負担が大きいため、行政の支援が受けられないのかといった相談が多く寄せられております。  私は、令和四年予算委員会でインボイス制度の注意点を四点指摘し、中小企業の支援と区の事業者としての準備状況を質問しました。そのときの答弁では、いずれもこれから対応するというお答えでしたので、今回はその後の状況について何点かお聞きします。  世田谷区は、ホームページに税務署による説明会を掲載しましたが、インボイス制度に登録することに伴う事業者に対して区としても支援を行うべきと考えますが、現在の検討状況をお聞きします。  また、世田谷区も事業者として適格請求書の発行などインボイス制度に対応した準備が必要だと考えます。特に国保などの特別会計は、課税対象収入がある場合は税務署に申請して登録事業者となる必要がある場合もあります。そこで、区としてのインボイス制度の準備状況をお伺いいたします。  最後に、マイナ保険証について伺います。  マイナンバーカードについては、過去、申請から交付まで三か月以上かかっていることから、令和二年の決算委員会で、各総合支所などにマイナンバーカードの専用窓口を設置することを要望し、令和三年度から総合支所とまちづくりセンターで申請可能となりました。一方、今年の十月に政府は突然、二〇二四年秋に現在の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化すると発表いたしました。この義務化とも受け取れる突然の発表に、私のところにも区民の方からの問合せが多く寄せられています。  その数日後、マイナ保険証を持っていなくても支障なく診察が受けられる制度をつくると岸田首相が発表したことから、ますます混乱が広がっております。そこで、マイナ保険証に関して何点かお聞きします。  一点目、次回の保険証の更新時期には、今までのように被保険者全員に保険証を交付するのか、それともマイナ保険証を持っている人には交付しないのか、そもそも各被保険者がマイナ保険証を持っているか否かをどのように把握するのか、状況をお伺いいたします。  ②現在、マイナ保険証を持っていても利用できる医療機関は限られていますが、二〇二四年秋までに区内全ての医療機関でマイナ保険証が対応できる環境の整備ができるのかお聞きします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎工藤 土木部長 私から、五点について御答弁いたします。  まず、自転車の取締り強化についてです。  警視庁では、交通ルールを守らない自転車利用者が関与する交通事故が増加していることや、危険な走行に対して取締りを望む声が高まっていることから、今月より都内一円において、重大交通事故に直結する信号無視、一時不停止、右側通行及び歩道の通行方法などの交通違反に重点を置いた指導警告及び取締りを実施しております。  世田谷区内では、自転車指導啓発重点地区・路線としまして、三軒茶屋駅地区、千歳烏山駅地区、成城学園前駅地区、二子玉川地区及び環七通り大原交差点、代田五丁目交差点が指定されており、取締りに合わせまして、世田谷区においても自転車の交通ルール遵守を呼びかけているところでございます。  区といたしましては、引き続き、警察署と連携した取組を進めるとともに、交通安全教室や自転車の乗り方教室を実施するなど、自転車関与事故の削減につながるよう、交通ルールの周知と交通安全啓発に努めてまいります。  次に、電動キックボードの安全対策についてです。  現在、電動キックボードは道路交通法上の車両に該当し、電動式モーターの定格出力に応じた車両区分に分類されます。そのため、電動式モーターの出力に応じて道路交通法上の原動機付自転車や普通自動二輪車などと同様の交通ルールが適用されます。一方で、LUUPなど、国の認可を受けました事業者により貸出しされる実証実験中の電動キックボードはヘルメットの着用が任意など、電動キックボードの交通ルールが様々でございます。  電動キックボード利用者に向けての安全対策やルール啓発の取組といたしましては、本年六月に区のホームページにおいて、警察署や事業者に協力いただき作成しました電動キックボードの選び方と乗り方についてを掲載し、また、「区のおしらせ せたがや」七月一日号におきましても、電動キックボードを安全に利用しましょうの記事を掲載いたしました。今後も、警察署や事業者と連携しまして、電動キックボードの交通ルールの周知を図るなど交通安全啓発に努めてまいります。  次に、電動キックボードの自賠責保険についてです。  現在、電動キックボードは原動機付自転車等の車両に該当し、自賠責保険の加入が義務づけられていることにつきましては警視庁が広報しているところですが、区といたしましても、電動キックボードの交通ルールの一つとして、警察署と連携し様々な機会を捉えて周知を図ってまいります。  次に、電動キックボードの任意保険についてです。  電動キックボードは、本年四月の道路交通法改正により、法改正後二年以内に、最高速度や車体の大きさが一定の基準に該当する車両につきましては、特定小型原動機付自転車の新区分に分類され、時速六キロ以下では歩道走行が可能となりますことから、今後、歩道上での事故も懸念されるところでございます。加入が義務の自賠責保険の補償だけでは、重い後遺障害や長引く治療に当たって十分な補償にならないケースも出ることが想定されます。電動キックボードにつきましては原動機付自転車等に該当することから、自転車を対象としました区民交通傷害保険の対象にはなりませんが、電動キックボードを利用するに当たっても、原動機付自転車と同様に、人身事故など万が一の場合に備えて保険に加入しておくことの重要性等について、電動キックボードの交通ルールを周知する機会などに働きかけてまいります。  最後に、サイクルマップについてです。  区では、サイクルマップのPRの一つとしまして世田谷区サイクルマップを作成し、レンタサイクルポートや自転車等駐車場の案内に併せまして、岡本民家園や次大夫堀公園、世田谷美術館など区内の名所の数々に加えまして、福祉施設の方が手作りするお菓子などが楽しめる販売店、喫茶も紹介しております。今後、世田谷区サイクルマップを改訂する際には、自転車利用のルールの掲載に併せまして、自転車で出かけたくなるような魅力あるマップを、関係所管とも連携し工夫してまいります。  以上です。 ◎小泉 教育政策部長 私からは、学校における対応についてお答えいたします。  電動キックボードの安全対策としましては、教育委員会から各学校に対して、令和三年八月に運転免許やナンバープレートの必要性について指導するよう周知を行い、令和四年九月には、秋の全国交通安全運動の重点取組として、電動キックボード等の交通ルール遵守の徹底がなされることを通知しております。車や自転車などと同様に道路を走っている電動キックボードも増えていることから、道路を通行する際は交通ルールをしっかりと守るなどの交通安全指導の充実を図り、今後も交通安全教育の推進に努めてまいります。  以上でございます。 ◎大澤 スポーツ推進部長 私からは、ツール・ド・世田谷の実施検討について御答弁いたします。  お話しのあったツール・ド府中は、東京二〇二〇大会の自転車競技ロードレースにおいて、武蔵野の森公園がスタート地点となった府中市が、東京二〇二〇大会のレガシーとして実施する一周年記念事業で、本日十一月三十日まで実施していると聞いております。区で同じ取組を行うことは、一定期間に区内に多くの自転車走行が想定され、警察など各関係機関との調整が必要となるなど課題は多いと考えているところです。  しかしながら、サイクリングによる健康増進は大変有意義でもあるため、例えば先ほどもお話がありました世田谷区サイクルマップなどの活用も図りながら、区民が安全にスポーツとしての自転車を楽しめるよう努めてまいります。  以上です。 ◎佐藤 庁舎整備担当部長 新庁舎における駐輪場について御答弁いたします。  新庁舎における駐輪場につきましては、これまでの利用実態を踏まえ、既存よりも増やした台数で計画しております。具体的には、来庁者用駐輪場は利便性に配慮し、新庁舎の東棟、西棟それぞれ入り口付近の地上部に分散して配置し、台数は既存の二百三十台に対し三百十七台としております。職員用駐輪場につきましては、来庁者動線との錯綜を避けた位置に、通勤用自転車の登録台数等を踏まえ約八百台分を確保しております。このほか、シェアサイクルについても設置に向けた検討を進めております。  引き続き、多様な手段での来庁を想定した分かりやすい案内表示等を含め、誰もがアクセスしやすい施設となるよう本庁舎等整備を進めてまいります。 ◎後藤 経済産業部長 インボイス制度に登録する事業者の方々への支援について御答弁申し上げます。  インボイス制度について、税務署と連携し、せたがやエコノミックスや商連報などの事業者向けの広報紙や、事業者が来庁する窓口に制度の案内チラシを置くなど、事業者に対する周知を進めているところでございます。また、来年の二月には産業振興公社によるインボイス制度のセミナーの開催も予定してございます。  インボイス制度導入に向け、それぞれの業種が必要としている情報を把握するため、複数の業種の事業者に集まっていただき御意見を伺うことを行う予定でございます。そこでの意見を基に、必要な情報を網羅した案内の配布や経営相談での個々の相談につなげていきたいと考えております。  以上でございます。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、区としてのインボイス制度への対応状況について御答弁いたします。
     区の一般会計では、消費税法上、消費税の申告義務はございませんが、取引自体が非課税ではなく、インボイス制度の実施に伴い、区も事業者としての登録を行い、事業者の求めに応じてインボイスを発行する必要が生じます。インボイスは消費税の課税取引で、区が売手、事業者が買手となる場合に発行が求められますが、本年四月、区の行う取引で該当があるのか全庁調査をしたところ、施設の使用料、区ホームページ等への広告掲載料など該当する取引があることを把握してございます。区の一般会計に加えまして、特別会計につきましても取引の状況を踏まえて必要に応じて登録を行ってまいります。  また、外郭団体についても周知をしていくとともに、来年十月からのインボイス発行に向けて書類の様式を定めるなど、区として適切に対応できるよう準備を進めてまいります。  以上です。 ◎田中 保健福祉政策部長 私からは、マイナ保険証関連、二点御答弁いたします。  国は二〇二四年秋に全ての保険証を、いわゆるマイナ保険証に切り替える方針を出しました。また、マイナ保険証がない方への代替策も検討するとの報道も出ておりますが、国保は来年二〇二三年十月、後期高齢は二〇二四年八月に保険証の一斉更新の時期を迎えます。二〇二四年秋にマイナ保険証へ切り替えるには、マイナ保険証の有無の把握方法や、マイナンバーカードを取得しない方への対応など不明なことが多く、様々な課題があると認識しております。報道以上の情報は現在区には届いておりません。国に対し早期に情報提供するよう求め、次回の保険証の更新の準備を行ってまいります。  次に、医療機関での対応についてです。  国は、オンライン資格確認等システムの本格運用を二〇二一年十月に開始し、今年度中におおむね全ての医療機関、薬局でのシステム導入を目指しています。九月二十五日時点における区内での導入状況は、厚生労働省のホームページによると、顔認証付カードリーダーの申込み率は六九%で、既に運用を開始しているものは二三%です。厚生労働省は、システム導入加速化に向けた対策として、申込みをしていない施設へ個別電話による働きかけやダイレクトメール等による周知を行うとともに、システム導入費用への財政支援をしております。国の責任において、速やかにマイナ保険証に対応できる環境整備を図るよう、機会を捉えて要望してまいります。  私からは以上です。 ◆五番(ひうち優子 議員) ありがとうございました。  自転車の安全対策については継続して取り組んでいて、自転車のルール、マナーの周知と、あとは自転車の専用レーンなどの整備。これに加えて、今年の十一月から取締りの強化というところにかじを切ったということで、そのベースの上で自転車のイベントだとか、ツール・ド・世田谷も含めて様々自転車を盛り上げていただきたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いします。  以上で質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上でひうち優子議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時二十五分休憩    ──────────────────     午後二時四十五分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  九番小泉たま子議員。    〔九番小泉たま子議員登壇〕(拍手) ◆九番(小泉たま子 議員) 通告に基づき質問いたします。  まず、地域行政推進条例施行後の区の対応についてです。  条例は、議会の議決により議会として責任を持つものですが、行政計画である地域行政推進計画は、区長が作成し、その実施については責任を持つものです。ですから、議会の責務として、区民に代わり、その内容、実施に当たりチェックをしなければなりません。  今回の推進計画では、ワンストップサービスの一環であるまちづくりセンターにおけるオンライン相談、手続について、令和五年度までに五か所のモデル実施、六年度から全区で実施とされていますが、このスケジュールは区民のニーズに合致しているとお考えですか。あまりにも遅い区役所内部の手続、準備主体のスケジュールではないですか。本当に区民のことを考えているのか伺います。  今回、条例において初めて、区民生活を包括的に支援する地区の行政拠点としてまちづくりセンターが位置づけられました。大都市における地域内分権の重要な拠点であり、評価いたします。しかし、全く区民に知らされていない。十月一日にまちづくりセンターの性格が変わったのですよ。なぜそれをきちんと区民に知らせないか、区は何をしているのですか、怠慢ではないですか。お考えを伺います。  今回、条例七条において、国及び東京都の機関の相互連携の促進をまちづくりセンターが担うとされました。地区レベルの一行政機関が、国や都の機関の調整をするという枠組みの詳細がいまだ理解できませんが、区として条例に明記した以上、実効性のある取組を行わなければなりません。このことについて、どのように相手方である国、東京都に説明しているのか、どのように通知しているのか、さらにこのような重要な役割を果たすことをどのように区民に周知するのか伺います。  優先順位問題について伺います。  区の喫緊の課題は、何よりも区民をお待たせしない、区民に時間を返すワンストップサービスを実現することです。そうして初めてまちづくりセンターが区民の信頼感を獲得できる。その上で、区がいうまちづくりに取り組むべきなのです。この順番を間違えてはなりません。  今のまちづくりセンターは、区民にその存在を認められていません。補正予算で緊急に職員に二千五百台の端末を整備するのはよいとして、窓口問題を解決するマイナンバー端末を十台のみ設置するということは、どういう優先順位を立てているのですか。まちづくりセンターの課題はマイナンバー処理で、これがネックになっていると副区長も言われたのです。それなのに、端末導入はたったの十台、当面、各地域に一、二か所の予定、これはあまりにも少ない。区民をお待たせしない、時間をお返しする、ワンストップサービスの実現を最優先し、当面の実施箇所を少なくとも倍増するなど、積極的な取組を行うべきです。区のお考えを伺います。  令和三年六月定例会で、区は国のマイナンバー事業の区での実施に当たり、内部事務の効率化により人材を現場に強化することができると言われたのです。また、DX実施に当たっては、区長、副区長は、その成果として生み出された人材を現場に充実させると表明されました。これは、この二つの事業を区で展開するに当たっての区側の姿勢、条件として、現場への人材強化を表明、約束されたものです。  しかし、今、区として内部事務を効率化して地区を充実していくという基本理念が見えない。必要に応じて地区人材を補強していくということではなく、DX改革により区役所の構造が変わった。地区から人員、人材を再配置していくという考え方になるべきです。お考えを伺います。  区全体の組織改正について伺います。  世田谷区の地域行政制度の本質は、外に向けては、自治体の自立に向けて国、都に対して権限拡充、そして内なる改革として、地域内分権、つまりは権限を地域地区に委譲させて本庁をスリム化する、この理念があるはずです。その動きが全く見えない。  地域行政は区政全体の大胆な改革であり、そこには司令塔たる副区長が先頭に立って着実な改革がなされるべきです。令和五年度に向けて、当面どのような将来に向けた区全体の組織改正の第一歩を行うのか伺います。  三月からの異動時期がいよいよ近づいてきています。様々問題がありながらも、条例の議決後、即時に十月一日から条例を施行することは、区として異動時期の混雑問題が念頭にあったからであろうと思います。この姿勢は評価します。この間、議会、関係各委員会においても、区は異動時期の窓口混雑問題の解消を表明されています。しかし、責任者が混雑を解消するというだけでは現実を変えることにはなりません。全国から世田谷へ転入される方々にどのように情報提供するのかも含めて、どのように具体的に混雑問題を全面的に解消するのか伺います。  次に、政策、施策の優先順位づけとリーダーシップ、区民への説明責任について伺います。  政策、施策の実施に当たっては、優先順位づけが全てです。地域行政の展開は区の基盤であることから、何よりも優先されるべきこと。それを区民に理解、納得していただくことが区の責務です。マイナンバー端末がこの時期になっても十台しか導入されていない、理解できません。  さらに、補正の予算審議においては、他の何を差し置いても、ある特定分野に財源を集中するのかを、責任を持って説明できなければなりません。好評だから、売れ行きがよいから、要望があるからでは客観的な判断基準にはならない、議会として審議できないのです。今回の補正予算案件については、何と比べて、どういう理由で当該案件に予算をつけたのか伺います。  特にせたがやPayについては、つい先日、区民の方より、なぜもうキャンペーンが終了になったのかと聞かれました。今回のキャンペーン実施については、区の説明によれば、今回審議される補正予算で対応するはずです。その補正予算を可決する前に、その補正予算で対応されるべき事業が執行され、さらには終了されるなど、私は聞いたことがありません。明らかに議会の予算議決権をないがしろにするもの、議会軽視の極致です。  区政運営とは何ですか。早い者勝ちの流れに区政が翻弄されてよいのですか。早い者勝ちで勝ち残る人と、日々の暮らしにお困りの人とは、私のこれまでの経験の中では一致したことがありません。区はどこを向いて仕事をしているのか疑問です。当初予算に向けては、全体がいっときに見渡せるので判断はしやすくなります。しかし、逆に、その施策が区政全体の中でどのような位置づけを果たすのかということを説明する責任が区にあります。  給食費無償化については、給食費がただになるのではなく、利用者負担になるか、全区民負担となるかの選択であり、教育施策を超えて、区の子ども施策、子育て施策の中でどのような位置づけとなるのか、また、高齢者施策、都市整備施策との調和をどのように図るのかを、区として明確にすべきなのです。お考えを伺います。  これらについて、一番の問題点は、それぞれの課題について誰がリーダーシップを取り、どのように区民への説明責任を果たすのかということです。司令塔は副区長であると宣言されたものの、その実態がなお不明です。全てを区長がやる、区長ができることということであれば、区政全体を区長が自ら行えばよい。そのようなことを、この大都市世田谷ができるのか。できるはずがありません。そのための地域行政制度、区役所を区民の身近にという大きな流れのはずです。その流れが見えないのです。お考えを伺います。  以上で壇上からの質問を終わりにいたします。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 小泉議員にお答えをいたします。  まず、給食費無償化をめぐる区政全般の中でのどういう位置づけなのかということでございます。  区議会よりこれまで多くの意見をもらいました給食費無償化につきましては、大変大きな課題であると認識しておりまして、物価高騰という昨今の社会状況を踏まえて、教育に係る子育て世帯の負担の軽減を図る観点から、子どもと子育て世帯を社会全体で支えていく、子ども施策の一環としての位置づけの下、何らかの形で実施することで検討を進めております。給食費については、現在も一定の所得制限を設け、対象者への無償化を既に実現しておりますが、今回はこの延長線上で所得制限を課さない形での無償化について検討しているところであります。  この十一年半、就任以来振り返りますと、子ども・子育て分野では、保育園待機児童対策に大きなエネルギーを割いていくとともに、高齢者福祉、障害者福祉でもそのニーズに応え、広域生活拠点であるところの下北沢、三軒茶屋、二子玉川の再開発問題、この整備等にも全力を挙げてきました。  現在、子ども・子育て施策の底上げは最優先だと考えています。区政の課題は、子育て施策以外にも、福祉保健分野、都市整備分野など山積していることは御指摘のとおりであります。来年度の予算編成の中で、これらの課題も含めて財政の見通しを踏まえ、全庁的視点から判断をさせていただきたいと思います。  次に、施策、政策の優先順位とリーダーシップについてのお尋ねがございました。  区政における政策の内容や優先順位づけは、最終的に私が判断をしております。一方、九十二万人の区民生活を支える世田谷区政の運営に関わる個別判断について、当然ながら私一人でできるものではございません。そのために、区の人材と組織の力を最大限に生かすことが不可欠であります。  組織運営の要となる三副区長と教育長には、それぞれの担当領域において、部課長、職員を率い、日々の区民への対応やサービス提供に加え、社会経済状況に応じた政策の構築や優先順位づけ、事務事業の見直しの検討を進め、その都度、適宜報告を受け、そして判断ができるように情報提供しながら協議をした上で、私が判断しているところでございます。  区民への説明責任について、私は最終責任者として、区政推進の基本的な考え方に関わることについて、また新たな取組などについては、区議会において答弁、また、定例の区長記者会見でも発表させていただいているところでありますが、これ以外にも、全ての職員が日々の区民対応を通して、その職責や職場に応じた区民への説明責任を担わせていただいているところでございます。今後とも、区政運営の全ての責任を担う私が全体を見たリーダーシップを発揮し、副区長以下、幹部職員から現場に至るまで、チーム世田谷を総括してまいります。 ◎舟波 地域行政部長 私からは、地域行政推進条例施行後の区の対応について、幾つかございますので、順次御答弁申し上げます。  まず、オンライン相談、手続の実施スケジュールが遅いのではないか、また、マイナンバーカード処理の先行実施の想定箇所が少ないのではないかの御質問を併せて御答弁申し上げます。  まちづくりセンターにおけるオンライン相談、手続の取組につきましては、本庁や総合支所に出向くことなく、区民に身近なところで多様な相談や手続に対応する窓口を実現する取組でございます。モデル実施に向けましては、ネットワーク環境の整備や使用する機器の準備と試行、スペースに制約がある中で、個人情報保護に配慮した相談環境の整備、対面とは異なるオンラインに合った説明方法や資料提示の工夫などを準備してまいりました。今後、実際の運用による区民の評価を踏まえ、全地区への展開に向けた検討調整を行ってまいります。  また、喫緊の課題であります窓口の混雑の解消に向けましては、マイナンバーカードの更新手続を取り扱う窓口の増強が必要なことから、現在、まちづくりセンターにおいて実施する場合の課題や手法の検討を集中的に行っております。今後、機器類の調達や相談環境の整備、マイナンバー制度の研修、カード更新処理や区民と対面した機器操作の習得などが必要でございます。  いずれの取組につきましても、モデル実施による課題を整理し、適切かつ迅速な窓口対応ができるよう準備することにより、区民に評価していただける窓口を目指してまいります。  続きまして、条例の区民周知が不足しているのではないか、また、条例に規定する国や都との連携促進に向けて、該当の機関とどのように条例の内容を伝えるのかという御質問について、併せて御答弁申し上げます。  地域行政推進条例は、区政の課題の解決を図る区の体制を強化する事項を定め、特に地区を要とした地域行政制度の改革により、参加と協働によるまちづくりを進めるものとして、その目的や趣旨を区民に周知することは大変重要であると認識しております。これまでの取組といたしましては、昨年四月より「区のおしらせ」二十五日号のコラムに、条例や計画の検討経過を継続して掲載してまいりました。引き続き「区のおしらせ」やホームページ等により、条例の内容や具体的な取組をお知らせしてまいります。さらに、分かりやすく条例を紹介するパンフレットの発行を予定しており、それらも活用しながら一層周知を図ってまいります。  また、地域行政推進条例の第七条に規定しました国や東京都の機関との連携を一層強化するため、まちづくりセンターが、地区の防災や見守り活動など関係機関と協働した活動の機会を捉え、条例の趣旨や連携強化の具体的な取組を説明するなど、総合支所と連携した区民周知に取り組んでまいります。  続きまして、DXにより生み出された人材をまずは地区から配置していくべきとの御質問についてでございます。  地域行政推進条例におきましては、まちづくりセンターを、区民生活を包括的に支援する地区の行政拠点として位置づけるとともに、まちづくりセンターの体制の強化を図ることを規定しております。まちづくりセンターの充実強化により、くみん窓口サービスの充実を図るとともに、SNS等を活用した積極的な情報発信を進め、地区課題の対応を区民とともに考え立案し、協働によるまちづくりを進めます。  このため庁内外の公募制度なども活用して、まちづくりに取り組む意欲や職務経験のある職員を配置、また、職員研修を通じて人材育成を進め、人員配置等の見直しとともに、新たな役割を担うまちづくりセンターの人員体制の強化を図ってまいります。  続きまして、条例施行を受けて、令和五年度に向けて区の全体組織を改正する必要があるとの御質問についてでございます。  地域行政推進条例において、まちづくりセンターと総合支所に区長の権限に属する事務を適切に配分するとともに、その事務を効率的に行うことができるよう、区の組織の整備を図ることを規定してございます。防災やまちづくり、地域包括ケアの地区展開などにおいて、まちづくりセンターや総合支所の課題解決力が強化される組織となるよう、政策形成、予算編成の仕組みの整理と併せ、具体的に検討を行います。その上で、次期基本計画等との整合を図った令和六年度からの新たな地域行政推進計画の中で必要な組織の整備を図ってまいります。  最後でございますが、窓口混雑の全面的な解消に向けて、区の具体的な取組について御答弁申し上げます。  くみん窓口、出張所の業務に関しては、窓口の混雑解消に向けて、DX推進委員会の下に窓口改善PTを設置し、実施可能なものから順次取組を進めるべく、具体策として、電話受付方法の見直し、ホームページの検索性の向上、タッチパネル等の活用、手続ガイドの充実と利用促進、マイナンバーカード取扱い窓口の拡充といった五つの当面の目標を設定し、来年の繁忙期からの対策を目指し取り組んでまいります。また、来年の繁忙期以降につきましても、区民サービスの向上が図られるよう、DX推進により来庁しない手続の拡充を含め、窓口業務のさらなる改善の検討を進めてまいります。  また、来年二月から導入する引越しワンストップサービスでは、マイナポータルから転出手続を行うことにより窓口へ来庁する必要がなくなることから、この制度を利用していただくよう広報紙などで区民に広くお知らせします。また、このサービスを利用して転入される方についても、転出届を記入する手間を軽減してまいります。来年の繁忙期にはこのような新たな取組を行い、くみん窓口や出張所の窓口の混雑が解消されるよう、関係所管と連携して実施してまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、補正予算につきまして御答弁いたします。  補正予算につきまして、議員御指摘のとおり、当初予算時から政策変更や緊急的な対応のため、予算への不足などに対しまして当初の予算額を変更するものであると認識しております。また、地域行政制度の充実につきましては、当初予算の段階で、地域行政推進計画に定めたまちづくりセンターにおけるオンライン相談、手続や、オンライン会議の環境整備など区民福祉の向上に向けた取組について予算化しており、年度当初から地域行政推進条例の検討とともに、実施に向けた準備を進めていたところでございます。今後の取組につきまして計画に基づき着実に実施するとともに、現在、窓口改善PTなどにおいて検討を進めており、これに伴い今年度に必要な対応や来年度予算の編成に反映を進めているところでございます。  このたびの補正予算につきまして、今般のエネルギー価格の高騰や円安の進行は早期の改善、安定は見込まれず長期化する見通しから、物価高騰への対策として事業者の経営を支援し、区民生活を支えることが必要との判断により、消費を下支えするための喚起策を継続するために国及び都の財源を活用し計上したものでございます。引き続き、社会経済状況の的確な把握に努め、限りある財源を有効に活用し区政の課題解決に向けた具体的な施策を実施してまいります。  以上でございます。 ◆九番(小泉たま子 議員) 通告をしているのに、まともな答弁がありません。質問の趣旨を全く理解しようとしない区政はどうなっているのでしょうか。十月一日で、区政はその姿が大きく変わったのです。そのことを区自身が全く分かってない。  リーダーシップの所在を聞くと、区長が何でもするという。これでは司令塔の役割が見えないではありませんか。地域行政条例の施行により、区の形が変わったそのことを、司令塔たる副区長がどのように認識し、全職員に理解してもらい、区民に対し対応していくのか、決意を伺います。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 再質問にお答えいたします。先ほど区長の答弁にありましたチーム世田谷、これをより活力ある強固なものとしていくことが、補助機関としての副区長、教育長の使命であると受け止めています。社会経済状況が刻々と変化する今日、私たち特別職はもとより、部課長から地域地区をはじめとする第一線を担う職員に至るまでが、前例にとらわれることなく事務改善に積極的に取り組み、区民ニーズを踏まえた新たな施策を主体的に提案するとともに、その結果を区民へ責任を持って説明する。そうした活力ある組織づくりがこれまで以上に求められていると考えています。  私は、区長のリーダーシップを支え、実務を担う司令塔として、他の副区長と教育長とともに、区民に信頼される人材づくり、組織づくり、そして全ての区民が世田谷に住んでよかったと思える地域づくりにベストを尽くしてまいりたいと考えています。  以上です。 ◆九番(小泉たま子 議員) 以上で終わります。 ○下山芳男 議長 以上で小泉たま子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、十七番宍戸三郎議員。    〔十七番宍戸三郎議員登壇〕(拍手) ◆十七番(宍戸三郎 議員) 初めに、今からちょうど百五十年前、新橋~横浜間に日本で最初の鉄道が開通し、その後も我が国の経済発展に比例して、鉄道網の整備が進みました。しかしながら、その一方で、旧国鉄時代には財源確保の見通しを持たないまま、地方から強い要請を受けて新規路線の整備に着手し続けた結果、不採算路線が増え、長期債務の膨張につながったと言われております。  言うまでもなく、鉄道は我々の生活を支える重要なインフラであり、整備すること自体は悪いことではありません。しかし、時の権力者が、その後の人口推計や収支計画を棚上げしたまま路線を増やし続けることは、後の世代への負担増を招くだけであり、避けるべき事例であったと思います。  残念ながら、最近の世田谷区においても、財政問題の議論を十分に行わないままに行政があらゆる分野に手を出し、抱え込もうとする風潮があるように感じられます。我が会派の代表質問でも申し上げましたが、保坂区長におかれましては、給食費無償化をはじめとする各施策が真に区民が必要としているものなのか、また、今後の区政運営につながっていくのか否かをよく見極めた上で判断していただくよう強く求めておきます。  それでは質問に入ります。  京王沿線住民にとって長年の悲願である開かずの踏切解消を目指すための京王線連続立体交差事業について伺ってまいります。  令和四年度末完成予定の連立事業の施工期間が、今年の三月に二〇三〇年度末に延伸されることが認可されました。このことにより、代田橋駅~仙川駅までの二十五か所の開かずの踏切解消も、残念ながら延期されることになりました。開かずの踏切とは、一時間のうちに四十分以上閉まっている状態の踏切を指し、二十五か所の中には五十分以上閉まっている踏切も数多く存在しております。この事業期間延伸は、沿線住民、地域にとっては生活環境においてさらに大きな悪影響を及ぼすことになってきます。このことを踏まえて、様々質問してまいります。  まず、連立事業の概要及び施工手順をお聞かせください。また、今年三月に認可された八年の事業期間延伸の理由について、改めて伺います。  次に、開かずの踏切による生活環境被害を被っていると思われる沿線住民をはじめ、代田橋駅付近から千歳烏山駅付近までの事業区間の中で、これまで連立事業に関してどのような方法で区民周知をしているのかお聞かせください。  また、これまでの区民周知方法では区民には分かりにくく、不十分な点が多くあると考えます。よりよい情報提供、分かりやすい情報発信を積極的に図るべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、今後、仮駅舎を含めた本体工事が進むことになります。代田橋駅~千歳烏山駅までの乗降客総数は、明大前駅の井の頭線乗換えを含めますと、二〇二一年度の調べでは、一日約三十七万五千八百人、それに沿線にお住まいの方を加えますと、少なく見積もっても約五十万人の方々が影響を受けることになります。  特に仮駅舎設置により、場合によると、同じ改札口から各ホームに進むことができず、上り線、下り線各ホームに向かうには踏切を渡らなければならないということになります。このことにより、さらに多くの人が開かずの踏切による影響を受けることが予想されます。沿線住民に加え、多くの鉄道利用者にとっても非常に重要な問題です。  このように、新たに生じる開かずの踏切による生活環境被害に対して、鉄道利用者や沿線をはじめとする地域住民の皆様への丁寧な説明を行い、そして御理解や、その緩和策を着実に進めていくことも重要です。  そこでお聞きします。これまで区民には、仮駅舎による改札口等の位置がどのように変わるのか全く知らされていません。各駅の仮駅舎改札口の位置や工事についての情報に関しては、大きな影響を受けると予想される地元住民や商店街、また鉄道利用者に対して、一日も早い丁寧な説明をする必要があるのではないかと思いますが、区の見解を伺います。  次に、先日開催された第二弾京王線ぶらり各駅バルめぐりは今回も大盛況でした。多くの世田谷区の職員の方も参加され、十分に各駅周辺、各商店街のよさを感じていただけたと思います。このように北沢地域、烏山地域の京王沿線の各商店街では、平成二十六年の事業認可前から、各駅周辺でそれぞれの特徴を生かした様々な魅力あるまちづくりにおける検討が進められています。このことが、京王線連続立体交差事業認可の早期実現の大きな要因の一つになったとも聞いております。  そこで伺います。開かずの踏切による地元住民の生活環境改善、それに伴い進めている各駅周辺のまちづくりにおいて、今回の最長八年の事業期間延伸を受け、区は今後どのように進めていくのか伺います。
     次に、連続事業の中での各駅のバリアフリー化について伺います。  現在の駅舎においては、エレベーター、エスカレーターの不備により、鉄道利用者をはじめ地域住民に非常に大きな負担をかけている駅が多くあります。例えば下高井戸駅北口は、改札口まで四十二段もの階段があります。それにもかかわらず、上りエスカレーターのみ。その上、エレベーターは南口しか設置されておりまん。踏切は開かない、下りエスカレーターはなく、多くの人が不便に感じている状況です。また、急な階段で、高齢者や障害のある方や乳幼児をお抱えの方などは非常に危険です。鉄道利用者をはじめとする地域住民は、この状況に非常に不満を持っています。今後のエレベーター、エスカレーターの設置、そして設置位置に関しては、地域の意見を十分に聞いた上で整備を進めていただくことを改めて強く要望いたしますが、区の見解をお聞かせください。  最後に、数多くの沿線住民の生活環境に多大な影響を及ぼしている連立事業期間の再延伸は防げるのか、前倒し完成もあるのか、区の見解をお聞かせください。  以上壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎青木 道路・交通計画部長 京王線連続立体交差事業について、私から順次御答弁をさせていただきます。  まず、事業期間の延伸についてでございます。  京王線連続立体交差事業は、笹塚駅~仙川駅間の約七・二キロメートルにおいて、東京都が平成二十六年二月に都市計画事業認可を取得し、令和四年度末の完成を目指して取り組んでまいりましたが、用地取得の遅れにより期間内に完成することが困難な状況から、東京都は事業期間を令和十二年度末まで延伸する認可を今年三月に受けたところでございます。  本事業では鉄道全体が南側に移動するため、南側に現道がある場合は、機能回復のための道路を現道の南側に築造し、その後、在来線の下り線から高架に切り替え、次に上り線を切り替える予定としております。鉄道の本体工事では工区を八つに分けて進めており、用地が連担して取得できた七つの工区では既に工事に着手し、今後は明大前駅東側、桜上水駅付近、千歳烏山駅以西などで高架橋の躯体工事が進められる予定でございます。  事業スケジュールは用地取得の進捗によって大きく影響されるため、区といたしましても、引き続き東京都や用地買収の実務を担う京王電鉄並びに東京都道路整備保全公社と情報共有を図ってまいります。  続きまして、事業に関する区民周知についての御質問でございます。  京王線連続立体交差事業に関する区民周知につきましては、京王電鉄では、三か月ごとに工事の工程を示したチラシを各工区で各戸配布しているほか、鉄道工事の進捗について「keio高架化Information」を発行しており、いずれも鉄道の事業線より南北三十メートルの範囲への配布、ホームページやSNSを用いた案内、また、各駅構内のラックに置くなど広い周知に努めております。  世田谷区においても、区で、京王線沿線まちづくり通信をこれまで十九号まで発行し、直近の十九号では三千部を発行し、京王線の各駅や関係する総合支所、まちづくりセンター、また図書館などにも配布し、連立事業に関する経過や側道における交通運用などの情報提供をしております。  一方で、京王線連続立体交差事業による工事においては、沿線住民の皆様や鉄道利用者の方には多大な御負担や御迷惑をおかけしていることから、丁寧な周知に努める必要があると考えております。区といたしましては、デジタルサイネージの設置や、車両内のモニターで連立事業の工程を案内するなど、地域に分かりやすい新たな情報発信の方策について東京都や京王電鉄に提案し、実現に向けた協議を重ねてまいります。  続いて、仮駅舎による改札口等の位置についてでございます。  仮駅舎につきましては、京王電鉄に確認したところ、工程による段階的な整備となることから、改札口等の位置に変更が生じる場合は、あらかじめ地元の皆様にお知らせし、工事を進めると伺っております。また、駅舎以外の南北の横断施設につきましては、工事中であっても現況の機能は維持すると聞いております。  区といたしましても、仮駅舎の着工時期を含めた工事のスケジュール等について、東京都や京王電鉄、沿線区の渋谷区、杉並区とも事業の進捗を確認しながら、区で得た情報につきましては、商店街の皆様をはじめ沿線の住民の皆様並びに鉄道利用者に対し、適宜的確な情報発信に努めてまいります。  続いて、エレベーターやエスカレーターの設置についてでございます。  京王線連続立体交差事業における駅舎施設のエレベーター、エスカレーターの設置につきましては、利便性の向上やバリアフリーの観点から、誰もが快適に利用できる駅とするため、連立事業の工事の中で全駅に設置していくとのことでございます。駅舎のエレベーター等の設置に当たり、世田谷区ではこれまでも京王電鉄と協力しながら駅のバリアフリー化を推進してまいりました。区といたしましては、沿線住民の皆様や鉄道利用者の御要望を京王電鉄に伝え、誰もが利用しやすい駅となるよう、引き続き京王電鉄と協力してまいります。  最後に、事業の再延伸、また前倒しについての御質問でございます。  本事業において、東京都及び鉄道事業者である京王電鉄に確認したところ、用地取得の状況にもよりますが、これから四、五年の間で下り線の高架化を行う予定としており、これにより踏切遮断時間は現在よりも短縮されると聞いております。その後、下り線切り替え後の三、四年先を見越して、上り線の高架化を進め、事業区間内の全ての踏切を除去していく予定です。  事業につきましては、用地取得や鉄道工事の工程等に左右されるものではございますが、事業期間内の令和十二年度の完成を目指し、事業が滞ることがないよう都や京王電鉄、沿線区で進捗管理をしてまいります。  私からは以上でございます。 ◎木本 北沢総合支所長 私からは八年の事業期間延伸を受けた中での北沢地域の各駅周辺のまちづくりの進め方についてお答え申し上げます。  北沢地域につきましては、これまで各駅周辺において、地区街づくり計画などを導入し、商店街のにぎわい創出や緑豊かな住環境の形成など、町の将来像の実現に向けたまちづくりに取り組んでいるところです。例えば下高井戸駅周辺においては、今年度まちづくりのルールに関するアンケート調査を実施し、地元街づくり協議会等の御意見を伺いながら、良好な町並みを形成するため、地区計画策定に向けた検討に取り組んでおります。また、こうしたまちづくりの取組につきましては、街づくりニュースの発行やオープンハウスの開催等により、地域の方々へ情報発信しております。  引き続き、連立事業や関連する事業の進捗につきましても最新情報の周知に努めるとともに、連立事業の進捗を踏まえながら、町に関わる様々な方々と現状の課題や町の将来像について議論を重ね、滞ることなく各駅の特性を生かした魅力あるまちづくりを進めてまいります。  以上でございます。 ◎皆川 烏山総合支所長 私からは、烏山地域の各駅周辺のまちづくりについて御答弁いたします。  烏山地域につきましても、これまで各駅周辺に地区街づくり計画や地区計画を導入し、町の将来像の実現のために、地域住民や関係者とともにまちづくりを進めてまいりました。現在進めているまちづくりの検討につきましては、各駅周辺のまちづくりの状況や体制に応じて意見交換を行い、良好な住環境の保全や商店街のにぎわい創出など、各駅の特性を生かした魅力あるまちづくりを進めております。また、高架化されている八幡山駅周辺につきましても、地元町会や自治会、商店街などの御意見を伺い、新たなまちづくりの体制づくりに取り組んでおります。  こうしたまちづくりの取組につきましては、街づくりニュース等に加え、烏山区民センターに設置したまちづくりの情報コーナーや、新たに設けたデジタルサイネージなどを活用して情報発信することで、まちづくりの機運醸成に取り組んでおります。  引き続き、連立事業の完了までの期間においても、さらに丁寧に地域の方々の声に耳を傾け、関係所管と連携し必要となる対策を検討するとともに、連立事業の進捗等を踏まえたまちづくりの取組を進めてまいります。  以上でございます。 ◆十七番(宍戸三郎 議員) 連立事業は、区が事業主体ではないこと、用地買収が進まなければ計画どおりに事業が進まないことは、もちろん承知しています。しかし、区が事業主体でなくとも、間違いないのは、沿線住民より、そして我々議員より、いち早く情報に触れるということです。つまりは、区民生活を守るために区民を代表して、区民に成り代って、東京都や京王電鉄に対して真っ先に物申せる立場であるということです。  本日の答弁からは、その責任の重さを自覚しているという力強さ、気迫が残念ながら感じられませんでした。連立事業に関しては、単に影響を受ける自治体の都市整備部門だけが事業主体からの情報を待っているだけでは、沿線住民の生活を守ることはできないと思います。言葉を変えれば、連立事業こそ開かずの踏切解消であり、区民生活そのものを大きく変える事業、区民生活に直結する事業であるとの自治体の覚悟が問われるものであると言っても過言ではないと思います。世田谷区として、特に連立事業に関する情報公開と情報提供の重要性をどう認識されているのか、都市整備領域と区民生活領域を所管する岩本副区長のお考えを伺います。 ◎岩本 副区長 再質問にお答えいたします。  京王線連立立体交差事業は、先ほど所管のほうから答弁したとおり、事業主体である東京都をはじめ、京王電鉄、沿線区である世田谷・渋谷・杉並区が協力して進めております。区は、区民に代わって東京都や京王電鉄に対して真っ先に物申す立場という御指摘をいただきましたが、今後も事業を着実に進める上では、区としても、そこで生活される地域の皆様への情報提供が重要であると認識しております。  引き続き、東京都及び京王電鉄並びに沿線区と緊密に情報共有を図りまして、地域の皆様に様々な機会を通して情報提供して、区民の方々に事業内容をしっかり納得していただけるような取組を進めていきたいと思います。  以上です。 ◆十七番(宍戸三郎 議員) ぜひとも区一丸となって、念願である開かずの踏切解消、連立事業の早期完成に御尽力をいただきますよう要望して、質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で宍戸三郎議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、十二番金井えり子議員。    〔十二番金井えり子議員登壇〕(拍手) ◆十二番(金井えり子 議員) では、質問を始めます。  十一月十三日の朝日新聞に、障害者控除、要介護の高齢者もという記事がありました。障害者手帳がなくても、手帳をお持ちの方と同様に障害者控除で税負担を減らせる可能性があるが、あまり知られていないという内容です。  認定基準が自治体によって違い、埼玉県川越市では、要介護一から五の認定を受けている高齢者であれば障害者控除の対象となるとされています。世田谷区でも、十一月十五日号の広報「せたがや」に、要介護等認定を受けている高齢者の税申告に伴う障害者控除として掲載されました。区では、六十五歳以上の要支援・要介護認定者となっています。記事の中では、お住まいの地域の総合支所保健福祉課に御相談くださいとあり、詳しいことが分かりません。調べてみると、介護認定の資料を参考に御本人の身体状況等を確認し、障害者控除認定書を交付されるとありました。六十五歳以上の要支援・要介護認定者の方全員が受けられるわけではなく、個別の確認が必要ということでした。  介護保険、医療保険などの負担が増え、物価も高騰の折、使える控除があるなら使いたいという方は多いはずです。せっかく控除があっても情報が届かなければ意味がありません。この情報が、該当する方に周知されているのでしょうか。また、六十五歳以上の方が対象であり、申請の手続などは分かりやすくする必要があります。その手間や分かりやすさなどについても併せて伺います。  二〇二四年、三年に一度の介護保険制度の改正が行われますが、史上最悪の改悪と言われ、介護関係者や識者からも批判の声が上がっています。おととい、十一月二十八日に厚生労働省が、七つの制度見直し案のうち三案を優先して検討するという考えを示しました。サービス利用料の負担割合が二割から三割となる人の対象拡大、六十五歳以上の高所得者の介護保険料の引上げ、介護老人保健施設などの多床室室料の全額自己負担化の三案です。サービス利用料の利用者負担は、現在一割負担の方が九割、この大部分の方々が二割負担になるということです。負担が増えればサービスを控え、重度化が懸念されます。  介護保険制度の基本、尊厳を保持し、能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようなサービスを給付するといった理念から遠ざかり、改定のたびに給付抑制と負担増が繰り返されています。その結果、さらに家族の負担が増え、ヤングケアラーや介護離職など、ますます増えることが予想されています。利用者側からも、サービス事業者からも不安の声が大きく聞こえてきます。心配された要介護一、二の給付見直し、ケアマネジメント料の有料化など四案は、事実上先送りの公算が大きくなりましたが、世田谷区で要介護一、二の方は一万五千人以上。今の区の総合事業に受皿があるとは思えません。この改定について、自治体から国にしっかりと見直しを求めるべきです。区はどのように対応していかれるのか、見解を伺います。  介護保険の課題は財源不足と、そして人材不足です。介護職はプロフェッショナルな仕事として、コロナ禍ではエッセンシャルワーカーという名前で呼ばれ感謝もされましたが、賃金などを見ても、まだまだ社会的に十分報われているとは言えません。介護は家族が担うといった意識もまだ変わっていません。介護職を育てる大学や専門学校なども軒並み閉学、募集停止に至っており、これだけ求められている職種なのに育成の場すらなくなってしまっています。もっと社会的に評価されるべき仕事です。  介護の魅力発信ということで、うめとぴあで行われた「KAiGO PRiDE(介護プライド)」がありました。すてきな写真と熱い思い、温かいコメントが並び、介護の魅力を伝えるには大変よい取組と感じました。ただ、うめとぴあで二回、期間限定での開催では、どのくらいの方が御覧になったのでしょうか。例えば若い方に興味を持ってもらえるよう、大学などでの展示、また多くの方が集まるような場所での開催などはいかがでしょうか。見解を伺います。  若者や子どもたちが自然にこんなすてきなお仕事もあるのだと思えるような、そんなアプローチも必要と考えます。区の取組を伺います。  次に、食についてです。  今、食糧危機が懸念されています。日本はもう既に食糧危機のただ中にいるとおっしゃる研究者もいます。食料自給率三七%、輸入頼みの日本です。コロナやロシアのウクライナ侵攻などの影響を見ると、これから世界的にも食料は自国で地域循環型になると言われます。自給率ゼロ%とも言われる世田谷区としては、安全安心な区民の食の確保という視点を持ち、自治体間連携などを進めておくことが必要と考えます。いつどこで何が起こるか分からない昨今の状況です。  区では、食品の放射性物質検査を行ってきました。福島第一原子力発電所事故から十一年を経て、放射性物質濃度が全体として低下傾向にあり、対象品目以外から検出の可能性が少なくなったということから、検査を縮小していくことになりました。私たち生活者ネットワークは、世田谷区のこれまでの検査体制や給食などへの対応は高く評価をしています。区民の安全安心の確保と緊急時の備え、精度の維持はされるということですが、今後も検査機器のメンテナンス、進化する検査方法などの情報収集を求めます。改めて、この検査の縮小について、区民への説明や、また将来の見通しも含め、区の見解を伺います。  先日、小学生からアレルギーがあって、学校がほこりっぽくて苦しくなるという話を聞きました。二〇二〇年の東京都の調査では、三歳までに何らかのアレルギー疾患があるという診断をされた子どもが三八・一%でした。原因は様々とは思いますが、子どもの過ごす環境にはより注意が必要です。  平成十二年から、「健康的な学習環境を維持管理するために」として文部科学省が空気の調査を行っています。シックハウス症候群、シックスクールなどの問題から、区立小中学校で子どもがいない夏休みなどに定期的に空気中の化学物質や粉じんなどの検査を行っているのです。最近の検査では、建物由来の化学物質は基準値を超えていない結果と聞いています。シックハウス症候群だけでなく、化学物質過敏症やほかのアレルギーの方への配慮、調査も必要と考えます。例えば子どもたちがいる中での空気環境の測定や、必要に応じて行うとされ今はあまり行われていない検査項目の定期的な検査など、現状に合わせた検査にできないのでしょうか。区の見解を伺います。  アレルギーの代表である花粉症と化学物質過敏症には共通点が幾つかあります。生まれつきの患者はいないこと、原因物質を繰り返し体内に入れることで拒絶反応が生まれることなどです。そして、明らかに違うところは、原因物質が自然由来か人工的なものかということ。そして、今、花粉症を知らないという人はほぼいないと思われますが、香害による化学物質過敏症については、まだまだ知られていないことです。体調の悪さ、症状の苦しさはもちろんですが、周りに理解されないことがとてもつらいと聞きます。一方、香りを使用している保護者からは、学校で香りをつけていないと子どもがいじめられるという切実な声もありました。香りに対する思い込みや過剰な広告の影響が子どもたちの間にも偏見や同調圧力のようなものを生み、人間関係にも及んでいます。学校でも正しい情報を伝え、化学物質過敏症への理解、健康被害につながる可能性のある香りの害のさらなる周知啓発を求めます。区の見解を伺います。  香りの先進国であるカナダ、アメリカでは行政機関、病院、図書館など公共施設でフレグランスフリーポリシーを取り入れ、喫煙同様、香料を身につけることを禁じる動きがあります。受動喫煙ならぬ受動化学物質吸引を防ぐため必要な取組です。区は、チラシの掲示や国のポスターの活用など香害の周知啓発を進めるスタンスをはっきり示されていると思います。ただ、これだけでは理解が広がりません。先ほどから申し上げているように、化学物質過敏症は花粉症と同様に誰がなるのか、いつ発症するのかも分からないものです。多くの有害化学物質に囲まれた現代社会の中で、健康被害が広がる前に何とか手を打つべきではないかと考えます。フレグランスフリーポリシー、区はどのように考えられるのか、見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎土屋 世田谷総合支所保健福祉センター所長 私からは、要介護の高齢者の障害者控除について御答弁申し上げます。  世田谷区における障害者控除では、六十五歳以上の要支援・要介護認定を受けている方に、要介護状態区分による確認のみではなく、障害自立度と認知自立度、寝たきり高齢者を、介護保険認定時に使用する主治医意見書と介護保険認定調査票を併せ、特別障害、普通障害に準ずるか確認し、障害者控除認定書を交付しております。  申請は、住所地を担当する総合支所保健福祉課で受付しておりますが、窓口まで御来所いただくことが難しい場合には電話でお問合せをいただき、交付要件の該当になるか確認した上で申請書を御自宅へ送付し、郵送による申請も受け付けております。区民周知は、世田谷区のホームページや「区のおしらせ」に掲載して行っております。今後もこの制度をより多くの方に御利用いただくために、関係部署やあんしんすこやかセンター等と連携し、様々な機会を捉え周知に努めてまいります。  以上です。 ◎山戸 高齢福祉部長 私からは、高齢者福祉の充実について三点御答弁いたします。  最初に、介護保険制度改定に向けた区の対応についてです。  区の令和三年度分の訪問介護、通所介護及び地域密着型通所介護、それぞれの利用者全体に対する要介護一、二の方の利用件数は、訪問介護では全体に占める割合が約五割、通所介護及び地域密着型通所介護では全体に占める割合が約六割となっており、いずれのサービスも要介護一、二の方の利用割合が高い状況となっております。  このような中、要介護一、二の方の訪問介護等の総合事業への移行については、次期介護保険制度改正に関する検討事項の一つとされ、現在国の社会保障審議会で議論が行われているところです。その方向性次第では、サービス利用者や事業者に多大なる影響を及ぼす可能性があるとともに、その動向は多くの区民、事業者にとっての懸念事項であると認識しております。  区としては、国の動向を注視しながら、次期介護保険制度の改正時においても大きな混乱を招くことがないよう柔軟に対応し、サービスの質、量の確保に努めるとともに、必要に応じて全国市長会等を通じた働きかけを行ってまいります。  次に、「KAiGO PRiDE(介護プライド)」の展示についてです。  「KAiGO PRiDE(介護プライド)」は、二〇一九年に熊本県からスタートした介護の魅力発信プロジェクトであり、今年度初めに、区内で働く現役の介護職員の方に被写体となっていただき、ポートレート撮影を行いました。今年五月には玉川せせらぎホールで写真展を開催するとともに、ポートレートを撮影した写真家の方たちと区長がトークセッションを行い、介護職は高齢者を支える重要な存在であり、地位向上の必要性を伝えてまいりました。  写真展は、これまで区立保健医療福祉総合プラザや東京都庁のほか、日本体育大学などで開催しております。ポートレートには、被写体となった介護職員の方のコメントもともに展示され、写真を見た方から、介護に対するイメージが変わったなど多くの反響をいただいております。来月三日には、せたがや福祉区民学会が行われる駒澤大学において写真展の開催を予定しており、引き続き多くの方に介護職の魅力を知っていただくよう、区内各所で写真展を開催してまいります。  最後に、将来の担い手となる学生等に介護職の魅力を伝える区の対策についてです。  急速な高齢化による介護サービスの需要の増大と生産年齢人口の減少が見込まれる中、介護人材確保の取組の一環として、将来の担い手となる子どもや就職を控えた学生等の若い世代に、介護職の魅力を発信していくことは大変重要であると認識しております。  区では、これまで介護職の魅力を発信するため、区内小中学校を対象に車椅子体験等を行う福祉の出前入門講座、区内小中高校生を対象に特養ホームでの取組などを体験してもらう夏休み福祉体験を実施してまいりました。また、せたがや福祉区民学会では、区内の大学と連携するとともに、多くの学生に事例発表をしてもらったり、ボランティアとして参加していただいたりすることで、介護職に興味を持ってもらうきっかけづくりとなっております。今後も、小学生を含めた若い世代に対して介護職の魅力を感じてもらうための施策を推進してまいります。  以上です。 ◎向山 世田谷保健所長 まず、食の安全の観点からの放射性検査についてでございます。  食品の放射性物質検査につきましては、原発事故以降の検査において、基準値を超えた食品はございません。国のガイドライン等においても、都内の検査対象品目が限定されていることや、国や都道府県、各食品製造業者等が検査を実施していることも踏まえ、区としての規模を見直すものでございます。加えて、この見直しに際して、複数の学識経験者にも意見照会を行い、安全性の観点からも妥当であるとの見解をいただいております。  区は、国や都道府県、各食品製造業者等で検査できるものを見直していますが、使用頻度が高く、食べる量も多い食品である米や調理済給食などは維持してまいります。また、検査を継続することで、検査機器及び検査技術の精度管理が維持できます。見直しに当たりましては、丁寧に区民、関係者の方々に周知を行うことはもとより、今後、新たな事故等の不測の事態に際して速やかに検査体制を拡充できるよう努めてまいります。  次に、公共施設におけます香害、いわゆる香りの害でございますが、香りによる体調不良は、国は症状と原因との因果関係が科学的に解明されていないとしており、行政で規制する状況ではございません。世田谷保健所で現時点でできることとしては、化学物質に頼り過ぎない生活を送るための情報を区民に周知することだと考えています。区立小学校、区内保育施設、図書館、まちづくりセンターなどでのチラシの配布や、区の広報掲示板での提示、区政PRコーナーへの展示に加え、講演会の開催、区ホームページやツイッターなどSNSの活用など様々な媒体を使用して情報発信してきました。  今後も、講演会のオンライン開催、動画配信の検討など電子媒体を活用した周知活動、庁内広報誌を活用した職員への意識啓発等を行うとともに、教育委員会をはじめとした庁内関係所管と連携し、継続的な啓発に努めてまいります。  私からは以上です。 ◎知久 教育総務部長 私からは、二点お答えいたします。  まず、学校での空気検査についてです。  教育委員会では、学校保健安全法に定められた学校環境衛生基準にのっとり、空気検査として、教室等の温度や湿度、浮遊粉じんのほか、ホルムアルデヒドやトルエンといった化学物質の濃度を測る検査を実施しております。化学物質の検査は、各学校で年に一回、児童生徒が不在の教室などで実施することとされておりますが、基準値の二分の一以下となる検査結果が得られた場合には、翌年からの検査を省略できるなど、必ずしも全小中学校で検査している状況にはございません。  議員御提案の定期的な化学物質検査の実施や、児童生徒の教室在室中における検査につきましては、何らかのアレルギー症状に悩む児童生徒が一定数いることを踏まえ、まずは専門事業者と相談し、その有効性を確認した上で実施の可否等について検討してまいります。  次に、香りの害への周知啓発についてです。  香害に関する啓発については、柔軟剤等の香りのもとである化学物質により体調不良になる児童生徒がいることから、教育委員会としましては、学校内で啓発ポスターを掲示するほか、保護者に学校緊急連絡情報配信サービスすぐーるを利用し、柔軟剤等の香りで体調を崩す子どもがいることへ理解を求めるメッセージを発信するなど、啓発に努めてまいりました。こうした児童生徒、保護者への啓発活動は今後も継続していく必要があると考えており、関係所管とも連携し、より効果的な啓発方法について工夫してまいります。  私からは以上です。 ◆十二番(金井えり子 議員) この介護保険改定のことなんですが、本当に不安です。厚労省が意向を示した後で、財政審からも異論が出ているということで、本当にどうなるのか不安です。ぜひ国に、区から求めていっていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で金井えり子議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時五十二分休憩    ──────────────────     午後四時十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 この際、議事の都合により本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 一般質問を続けます。
     二十三番中里光夫議員。    〔二十三番中里光夫議員登壇〕(拍手) ◆二十三番(中里光夫 議員) 日本共産党区議団を代表して質問します。  まず、平和と憲法をめぐる問題についてです。  十一月十九日、アジアの三十か国一地域六十九政党が参加したアジア政党国際会議、ICAPPが採択したイスタンブール宣言は、軍事ブロックの対抗ではなく、対話と交渉を行うことが紛争解決への唯一の道だと確認しました。会議に参加した日本共産党は、ウクライナの主権と領土保全を尊重しつつ、対話による平和的解決を求めること、ASEANと協力し平和の枠組みを発展させること、核兵器のない世界を発信することの三点を提案しました。我が党の提案の中心点が宣言に反映されました。  一方、岸田政権は、改憲、軍事費倍増を強引に進めようとしています。政府の有識者会議が報告書を出しました。その内容は、敵基地攻撃能力の保有、国民の増税で軍拡するというもので、外交戦略は欠如しています。大増税で国民生活を犠牲に、軍事対軍事の戦争国家への道を突き進む危険なものです。我が党は、軍事費倍増に反対し、憲法九条を生かした平和外交を進めるべきと考えます。  自民党の憲法改正案は、九条への自衛隊明記、緊急事態条項、家庭を社会の基本として国家を支えるという考えが柱となっており、それは統一協会の考えと一致しています。地方政治でも、統一協会が推進した家庭教育支援条例が全国十県六市で制定され、世田谷区議会でも、自民党がこの条例の制定を求める質問を行っています。自民党は統一協会との関係を区民の前に明らかにするべきです。  十一月十二日、全国首長九条の会総会が開かれ、保坂区長は、憲法九条を守るとともに、ジェンダー平等を敵視する統一協会と地方議員との癒着問題も指摘し、一人一人の人権を大切にする行政の実現を訴えました。首長九条の会が採択したアピールでは、九条を守り抜くことを宣言しています。  日本共産党は、統一協会との闘いは憲法の基本的人権を守る闘いであり、日本の民主主義を守る闘いと位置づけています。憲法と平和をめぐる問題についての区長の認識を伺います。  次に、グランドビジョン、区立保育園統廃合についてです。  保育待機児は国基準でゼロになりましたが、実際には認可保育園を希望しながら入れない人を残しています。ある北沢地域の方は、今年出産、地域の認可保育園を探したが見つからず、電車を乗り継いで職場の認可外保育施設に預けることになりました。  さきの議会で、区長は隠れ待機児の存在を認め、課題として認めている、保育の必要性があって保育園を利用したい方々がひとしく保育園を利用していただける環境を整備することが私の責任だと答弁しています。また、弾力化は、元来の定数を緩和して詰め込みを行ったものです。お昼寝の布団が重なり合うような状況です。区長は、やむなく緊急避難的に取った措置、早急に解決しなければならないし、そのための具体的な日程を確定しなければならないと答弁しています。隠れ待機児、弾力化解消を急ぐよう求めます。具体的取組はどうなっているか、検討の状況などについて答弁を求めます。  保育の質を守りながらの待機児解消は道半ばです。隠れ待機児をゼロにして、保育を希望する人が保育園へ入れる環境、詰め込み保育からゆとりある質の高い保育へ進めていくことが課題です。  この間、保育の規制緩和で、園庭のない園まで認められるようになりました。広い園庭のある区立保育園は貴重な保育のための資源です。保育環境を守るためにも手放してはなりません。何より地域全体の保育の質を守る、保育人材の育成、緊急時の対応など区立園の役割を果たすことと統廃合は矛盾します。区立保育園の統廃合には区民の理解は得られず、保護者など当事者を含めた区民参加での検討、見直しが必要です。区立保育園統廃合は、参加と協働で見直すことを求めます。今後の区民参加の検討をどうするか示すことを求めます。  次に、介護保険の改悪についてです。  二〇二四年の次期介護保険改定に向けて、国での議論が始まっています。国の審議会に出ている主な改正ポイントは、介護利用料を原則二割負担に、ケアマネジメントの自己負担導入などの利用者負担増、そして要介護一、二の訪問介護、通所介護の総合事業への移行など、サービスカットです。国は、経団連など財界の要求に応え、介護に対する財源の縮小を狙っています。行うべきは、国による公費投入を増やし、利用料、保険料を抑え、介護報酬を増やすことです。そして、介護人材を確保するために、介護職員の賃金を全産業平均並みに引き上げ、労働条件の改善をすることです。  認知症と家族の会が、利用料の原則二割負担や、要介護一、二の総合事業への移行などをしないよう求めた要望書、八万四千人の署名を添えて、厚労省に提出しました。また、区内でも介護関係者が集まって、「どうするつもり?総合事業」という集会が行われました。関係者は、総合事業を要介護に広げるなどできない、国に対し反対の意思を示そうと声が上がりました。  利用者の負担増についてです。高齢者は、物価高騰に加え、年金削減、後期高齢者医療の窓口負担二倍化など大変な負担増です。医療では既に、薬を減らせないか、訪問診療の回数を減らしてなど、医療抑制が始まっています。この上、介護の負担増が加われば、経済的理由から必要な介護が得られず重症化したり、生活の質が下がる方が続出するのではないでしょうか。負担増となれば、高齢者世帯の経済状況、利用抑制など利用者、高齢者の実態をどう認識しているのか、区は状況をよくつかみ、国に伝えていくべきです。見解を伺います。  サービス削減についてです。国は、軽度の介護にボランティアなどの活用を広げようとしており、問題です。介護度が低くても、末期がんや脳卒中の後遺症で重い麻痺がある、認知症や精神疾患があるなど病気や障害があり、それぞれの特性を理解した専門的な対応が必要です。ボランティアでは必要な配慮ができず、気づきが遅れ、重症化につながることが危惧されています。また、家族介護の負担が増え、介護離職が増えてしまうと心配されています。要介護者とその家族に大きな負担です。  要介護一、二は、区内要介護者二万四千四百十三人中一万四百九十一人、四三%を占めています。要介護認定者の中で、認知症の日常生活自立度二、これは日常生活に支障を来す状態、これ以上の方が五九・六%です。要介護一、二の方の介護をボランティアなどに任せることは問題です。区はどのように考えているのか、見解を伺います。  介護人材不足が深刻な状態です。渋谷のハローワークでは、求人倍率は介護一般職で七・九三倍、パートだと九・六倍です。現場では多忙化で余裕がなくなり、人材育成が困難になってきたとの話も聞きます。要介護一、二の保険給付外しで事業所への収入が減れば、さらに経営環境が悪化し、労働環境の悪化や多忙化が加速し、人材不足はますます深刻な事態となります。  介護の仕事を専門性のある魅力的な誇りのある仕事として確立したいという関係者の皆さんの願いや、区の政策からも逆行するのではないでしょうか。介護保険改悪で介護人材の確保がますます難しくなるのではないか、区としての認識はどうか、国に対し制度改悪をやめるよう区として声を上げるべきです。見解を伺います。  次に、小田急線上部、雨庭広場周辺の交通安全の対策についてです。  下北沢周辺の小田急線上部利用は、メディアでも紹介され、全国から注目を浴びています。世田谷代田駅周辺がテレビドラマのロケ地となり、多くのファンが訪れています。週末には大変な人混みとなります。地域の方々は、交通安全対策で心配の声を上げています。特に区が整備した雨庭広場に隣接する元踏切だったところは、元線路だったところを人が行き交う。そして、踏切がなくなったので、車は止まらずにそのまま通り抜ける。大変危険です。  小田急線上部の人の流れが大きく変わりました。雨庭広場周辺の元踏切だったところに、横断歩道などの対策をとるべきです。区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 中里議員にお答えします。  今日における憲法、平和についての私の考え方についてでございます。  私は、唯一の被爆国として、核兵器によるこれ以上の犠牲者を生むことのないよう、ロシアによるウクライナ攻撃、そして侵略、核使用のプーチン大統領の示唆などがあるからこそ、日本は核兵器禁止条約早期批准に動くべきだと考えています。全世界の人々がひとしく平和のうちに生存する権利を有するという憲法の理念から、日本の立脚点である憲法九条を変えるべきではないと考えております。  憲法で保障される平和は、全ての人が生きていく上で必要不可欠なものであり、区民の生命と財産を守る首長の責務を自覚し、日本が再び戦争によって区民に惨禍をもたらすことのないよう、憲法九条を守り、次世代の子どもたちに平和を希求する思いを継承していきたいと考えております。  今日、統一教会による被害者救済をめぐる議論が国会で続いていますが、この問題と同時に、半世紀にわたり政権中枢に影響力を持ち、家庭教育問題から男女共同参画やLGBTQの皆様の人権保障、そして改憲案にまでその影響力が及んでいることは無視できません。今、民主主義を取り戻すことが重要です。そして、昭和の歴史を振り返っても、軍備拡張によって平和を維持することは大変難しく、国の内外戦争により多くの人々が結果として犠牲になった歴史を持っています。憲法九条は、不戦平和の決意を今に引き継ぐものとして、私は大切にしていきたいと考えております。 ◎和田 保育部長 私からは、保育について二点御答弁いたします。  まず、希望する保育園に入園できていない方の問題や弾力化定員についてです。  待機児童は令和二年度から解消しておりますが、まだお子さんの年齢によっては希望する保育園に入園できていない方が一定数いらっしゃることは認識しており、今後も希望される方が利用できるよう引き続き努力してまいります。  令和四年四月時点で、区立保育園で二百六十八人、私立保育園で百四十四人分の定員弾力化を行っておりますが、就学前人口が減少する中にあっても、入園希望者数が高止まりしていることや、弾力化の解消が私立保育園の運営に影響する点であることも踏まえ、法人の意見等も伺いながら、適宜、弾力化解消を進め、一層の保育の質の向上につなげているところです。  令和五年四月に向けましては、弾力化定員の多い区立保育園に加え、私立保育園と合わせ八十人近くの解消を進める予定ですが、引き続き運営法人の意向や施設周辺の保育需要等を見極めながら、早期の定員弾力化の解消を進めてまいります。  また、就学前人口の動向や入園選考結果等を受け、来年度の早い時期に解消量や時期等、弾力化解消に向けた計画の目安をお示ししてまいります。  次に、区立保育園の再整備に係る区民参加の検討についてです。  区立保育園の今後のあり方に基づく新たな再整備計画につきましては、保育のごあんないや区ホームページにおいて区民の方に周知を行ってまいりました。また、十一月八日に行われた第三回子ども・子育て会議においても、再整備計画の内容を御報告させていただいたところです。  子ども・子育て会議では、区立の施設が減ることに対する不安の声が寄せられた一方、医療的ケア児などの多様な保育ニーズへの対応の必要性や、就学前人口が減少している中での乳幼児施設の運営について危機感を抱く声が寄せられました。  今後も、区立保育園の再整備計画を進めるに当たっては、区立保育園が、引き続き子どもの育ちのセーフティーネットとしての役割を担っていくことに加え、グランドビジョンにありますように、子どもの人口が減少する中においても、単に支援や施設等を縮小するのではなく、子ども・子育て関連施策全体で必要な施策に組み替え、全ての子ども・子育て家庭を対象に施策を再構築していくということを丁寧にお伝えするとともに、機会を捉えて、保育現場や利用者からの声もよく聞き、保育需要を慎重に見極めながら行ってまいります。  以上でございます。 ◎山戸 高齢福祉部長 私からは、介護保険制度に関して三点御答弁いたします。  最初に、要介護一、二の方の介護についてです。  要介護一、二の方の総合事業への移行については、「#要介護一と二の保険外し」がツイッターで一時トレンド入りするなど高い関心が示されており、区としても、国の動きを注視しているところです。  現在、世田谷区では、総合事業のサービスとして、指定事業者が実施する従前相当の訪問型サービス及び生活援助サービスなどのほか、住民参加型、住民主体型サービスである支えあいサービスや、地域デイサービスなどを実施しております。本年四月、新たに総合事業の対象者となった継続利用要介護者の方は、地域デイサービス団体の受入れ意向やケアマネジャーによるケアプランへの位置づけなど、国のガイドラインで記された要件が必要です。各団体の運営スタッフが安全に配慮しながら、三名の継続利用要介護者に対して、身体介護を伴わない支援を工夫して行っているところです。  要介護一、二の方の総合事業への移行につきましてはいまだ不明な点が多く、ボランティアの住民等が対応できるのかについても判断できない状況でございますので、区の対応といたしましては、引き続き情報収集に努めつつ、適切に判断してまいりたいと考えております。  次に、介護サービス事業者は人材が不足している、区の見解を伺うについてです。  現在の区における総合事業では、訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護を実施する指定事業者による従前相当サービスの提供が中心となっており、平成二十八年度の開始以降、大きな問題も生じることなく安定的に事業が展開されていると認識しております。  一方で、要介護一、二の方の利用についての総合事業への移行が国における次期介護保険制度改正の検討事項の一つとして議論されており、その動向は先ほど申し上げましたように注目されているところです。  区といたしましては、これらの要介護一、二の方を対象とするサービスが総合事業へ移行されることとなった場合、その制度設計にもよるところではありますが、利用者、御家族の意向も踏まえた適切なケアマネジメントにより必要なサービスが選択できること、提供するサービスに見合った報酬が受けられる制度であることが必要であると考えております。  引き続き、次期介護保険制度に関する社会保障審議会での議論など、国の動向を注視しながら、必要に応じて特別区長会、全国市長会などを通じた働きかけや問題提起等に努めてまいります。  最後に、高齢者の負担増についてです。  議員御指摘のように、昨今の社会状況においては様々な負担が重くなっており、特に高齢者の生活に与える影響は大きいものと認識してございます。現在、国の社会保障審議会では介護保険の利用料増につながるような制度改正について議論が進められておりますが、法定制度である高額介護サービス費や高額医療合算介護サービス費の改正は俎上に上っていないことから、利用者に過度な負担にならないよう、制度上の配慮が引き続きなされると考えております。また、法定外の区独自制度として、生計困難者等に対して利用者負担の軽減を実施しているところです。  介護保険サービスの利用者負担の在り方の検討自体は、制度の持続可能性の観点から必要なものと考えております。しかしながら、今後の制度改正の議論の状況によっては、区としても国に必要な働きかけを行うとともに、区制度に関しては、第九期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定を進める中で議論してまいります。  以上です。 ◎木本 北沢総合支所長 私からは、小田急線上部雨庭広場周辺の元踏切部分に、横断歩道などの対策をすべきという御質問にお答えいたします。  下北沢駅西側の鎌倉通り沿いの緑地広場につきましては、今年七月にシモキタ雨庭広場として開園し、約四か月が経過した現在、特に休日など多くの利用者でにぎわいを見せているところです。地域の方々からは、散歩途中の休憩場所や子どもたちの遊び場ともなる広場ができたことに喜びの声をいただくところでありますが、この広場が道路に囲まれた立地であるため、安全に広場に出入りするための対策として、横断歩道の設置を求める声を伺っており、広場周辺の道路や通路などの利用状況を確認しながら、交通管理者である北沢警察署と協議を行ってまいりました。  先般、交通管理者より、当該横断歩道の設置要望箇所については、横断歩道の設置可否の基準となる交通規制基準に定める勾配の急な坂、もしくは坂の頂上付近、または見通しの利かない道路の曲がり角及びその付近に該当するものであり、横断歩道の設置は難しいと回答をいただいたところです。  こうした中で、区といたしましては、既に実施している通路を利用する歩行者等に向けた掲示物による注意喚起に加え、電柱幕や看板等によるドライバー等への注意喚起の検討も併せて行っていくとともに、引き続き、交通管理者である北沢警察署に地域の声を伝えながら安全な通行の確保に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆二十三番(中里光夫 議員) 保育の問題ですけれども、質を守りながらの待機児解消と区立保育園の統廃合は、これは矛盾するということを改めて指摘したいと思います。詰め込み解消の見通し、計画がまだ立ってもいない。その中で区立園を減らす計画だけ出てくるということには、私は納得できません。やはりこの統廃合の計画は立ち止まって見直すべきだということを改めて申したいと思います。  それから、介護保険について。軽度の介護者でも高い専門性が必要なんだということで、ボランティアの活用は無理があると思います。必要なサービスが選択できる、サービスに見合った報酬が得られる、これが必要だという答弁は重要だと思います。しっかりやっていただきたいと思います。 ○下山芳男 議長 以上で中里光夫議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、十五番石川ナオミ議員。    〔十五番石川ナオミ議員登壇〕(拍手) ◆十五番(石川ナオミ 議員) それでは、第四回定例会、今年最後の一般質問を始めます。  先月、十月十日は世界メンタルヘルスデーでした。これに合わせまして制作されました厚労省の動画配信では、トップアスリート御自身がメンタルヘルスとどのように向き合ってきたか、また、ピアサポーターとして精神障害がある方の支援に取り組んでいる方の対談などが紹介されました。私もこちらを拝見いたしましたが、精神障害、精神疾患、そして、メンタルヘルスは人ごとではなく、身近なこととして考えていきたいと思います。  厚労省の令和二年度の調査では、精神疾患の患者数は全国でおよそ六百十五万人と推計され、日本では五人に一人が何かしらの形で精神疾患を経験するということが言われております。また、病状が悪化した場合について、元国立精神・神経医療研究センター病院の田口寿子氏によりますと、例えば幻覚や妄想、または激しい興奮状態と身体の動きや思考が停止してしまう、いわゆる昏迷という緊張病になった場合、この症状などが強く影響されてしまうと、暴力的な犯罪が起こりうるということを述べております。  こうした中で、国は平成二十九年に精神障害者が地域の一員として安心して自分らしい暮らしができるよう、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を目指すことを新たな理念としましたが、世田谷区では、いち早くこれに取り組んでいると聞いております。  そこで、まず伺いますが、区としては、こうした疾患がある方にはどのような支援をし、そして、課題としてどのような認識をお持ちでしょうか、伺います。  また、国では、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の改正案が閣議決定され、先月、十月二十六日に国会提出されました。この法案では、障害のある方の地域生活をサポートする体制の充実が柱の一つとなっております。とはいいましても、お一人お一人の疾患、症状も違い、個々に合った対応が求められてくるのだと思います。この地域生活をサポートする体制の充実ということをうたうのであれば、疾患のある方に対するクライシスプランやヘルパー、訪問看護などの支援体制はもちろんのこと、共生社会を形成する地域住民に対しても、どのような支援をしていくのかということにも目を向けていくべきです。  区長、区長は招集挨拶の中で、地域のエンパワーメントを高めるということをおっしゃっておりました。まさに、画一的ではなく、行政特有の縦割りではなく、国と都の連携を図りながら、区がしっかりと地域に心を傾け、寄り添った支援をしていただきたいと強く要望するものであります。区のリーダーである保坂区長に答弁を求めます。  さて、ここからは教育現場の様々な課題について取り上げます。  まずは、校舎の老朽化、施設整備について伺ってまいります。  区内公立小中学校の校舎においては、令和二年度末までの調査によりますと、築五十年以上の建物を有する学校数が九十校のうち四十四校と半数近くに上っており、機能上の不具合が生じているという報告があります。さらに、教室等へのエアコンは耐用年数が過ぎており、学校によっては全くエアコンが効かない、エアコンが壊れているといった悲痛の声が上がっております。夏は教室で熱中症になったり、冬はこのコロナ禍で換気のため窓を開けて、寒さのために防寒着を着て、震えながら授業を受けている子どもたち、そんな過酷な環境の学校もございます。  エアコンについては、これまでも議会等で取り上げられて問題視されていますけれども、一校当たりの交換においては一億円以上の経費がかかり、この整備は遅々として進んでいない現状です。また、区内全ての公立小中学校が地域の避難所になっており、防災機能の強化の観点からも、学校施設の老朽化対策、施設整備は喫緊の課題です。校舎の建て替え予定を後ろ倒しにして予算を確保するような進め方は断じて許されるべきことではありません。給食費無償化を進める前にもっとやるべきことがあるのではないでしょうか。優先順位を考えていただきたい。改めて区の見解を伺います。  次は、ネットいじめにおける区の対応についてです。  「#NoHeartNoSNS(ハートがなけりゃSNSじゃない!)」、皆さんこの言葉を御存じでしょうか。総務省では、この言葉をスローガンに掲げて、SNS等における誹謗中傷対策に取り組んでおります。SNSは、ハートをつなげるものであって、誰かを傷つけるためにあるものではありません。  文科省によりますと、二〇二一年度に全国の小中高校などで認知したいじめが過去最多の六十一万五千三百五十一件とのことでした。特にネットいじめの認知件数が二万一千九百件と初めて二万件を超えており、調査を始めた二〇〇六年度から四・五倍に増えております。実際に二〇二〇年には、SNSに書き込まれた文言で精神的な苦痛を感じて自殺に追い込まれた名古屋の中学一年生のニュースがありましたが、これを目にしたときには、同じ年頃の子を持つ私も親として本当に胸が締めつけられるようなつらい悲しい思いをいたしました。どんなにつらかっただろうか、どんなに苦しかっただろうか、自分の考えや思いとは全く違う方向に尾ひれがついて、どんどん闇の中に追い込まれていく恐怖。  ネットいじめは、英語でサイバーブリングと呼ばれ、今、海外でも問題視されております。この対策として各国で重視されているのが、通報システムの整備です。日本でもネットいじめの早期発見に向け、各自治体が現在、通報アプリの導入を進めています。ちなみに、千葉県柏市では、既に今年度は小学六年生から高校に導入をされ、これまでに寄せられた通報、相談件数は累計で八百件を超えているということです。  午前中に我が会派の和田議員からも質問がございましたが、区のネットいじめの件数は全国平均を若干上回っています。こうした通報アプリで大人が気づくきっかけを増やし、いじめを未然に防ぐことが重要です。そして、学校ごとの特徴を踏まえた子どもたちへの啓発、相手を思いやる心の教育も同時に進めるべきと考えます。区の見解を伺います。  そして、最後はキャリア・デザイン教育について伺ってまいります。  今定例会でも各議員から、不登校やいじめ、学校生活における様々な教育課題が挙げられておりました。こうした子どもたちを取り巻く人間関係力や自己管理力、課題解決能力を醸成していく、いわゆる生きる力を育むその一つがキャリア教育であると私は思っております。さきの決算特別委員会でも、小中学生のキャリア教育の拡充を求める質疑をいたしました。そして、先日の文教委員会においては、せたがや子どもハローワークの設置に向けて進めているということの報告がございました。この子どもの目線に立った新たな取組の導入につきましては、高く評価をしております。  そこで、三点伺ってまいります。  まず、このせたがや子どもハローワークは、子どもたちが自主的に職業を選択して職場体験ができるよう、今までにないオペレーションで進めていくと伺っておりますが、本格実施に向けてどのような展開が図られていくのでしょうか。また、小中学生の主権者教育の一環として、議会事務局などへの職場体験などを進めてはいかがでしょうか。こういった議会への傍聴などにも積極的にお越しいただくよう提案したいと思います。区の見解を伺います。  三点目に、キャリア教育は、渡部教育長の一丁目一番地として、この四年間進めてきた政策の一つだと思います。この区のキャリア教育の今後の展望について、教育長の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 石川議員にお答えいたします。  精神疾患のある方を受け入れる地域住民の皆様への支援ということで、見解をということでございます。  本年九月、国の障害者施策について、国連の権利委員会の改善勧告が公表されました。その一つには、日本において障害者が施設から地域に出て自立した生活を送る権利が保障されていないという点もございます。障害者の希望に応じた地域生活の実現や一層の権利擁護の確保は、我が国として大きな課題と受け止めています。特に精神疾患につきましては個別性が高く、病状や障害によっては地域での交流や社会参加が困難である、困難が生じる、そういったケースもあり、また、一般に誤解や偏見、差別や排除の対象となりやすいという現状もあります。  現に身近にいらっしゃる地域の住民の方々が精神疾患の方々への関わり方の理解を深めることで、疾患を持つ方の病状安定によい影響を及ぼす事例も多く、そのことが、共に地域で暮らしていく上で安全と安心につながるものと認識しております。  地域住民に対して精神疾患をお持ちの方をめぐる医療や福祉の考え方及び制度について理解をしていただき、また、当事者の方をしっかり支えていく体制をつくることで、私たちは地域の声も受け止めながら、できるだけ問題を解決し、地域共生社会を共につくっていきたいと考えております。  以上です。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 キャリア教育の推進について御答弁申し上げます。  私は就任の際に、今の学びが将来に役立つことを実感させ、無限の可能性がある子どもたちに活躍の場を用意すると申し上げました。この自分の学び方や生き方を考える教育こそが、お話しのキャリア教育の本質だと思っておりました。その後、コロナウイルス感染症との闘いの中で、人と人との関わりが薄れ、学びの保障がままならないときに、必要なことは、子どもたちに学びの意義を理解させることだと感じました。
     学校が休校になり、たとえ孤独の中で学ぶとしても、何のために学ぶのか、この学びが将来の自分の役に立つと実感することができれば、子どもたちは学びを止めることなく進むはずです。これから必要な教育は、学びの意義を理解し、自分らしい生き方を実現するキャリア教育であると確信しました。  AIやロボットが当たり前に活躍する時代を生きる子どもたちは、新しい未知の仕事に就くことが多くなります。今後は、新たな世界に挑戦する姿勢を育て、学びと社会を結びつけることが必要です。  区においては、議会の御賛同をいただいて、一人一台のタブレットやリモート環境を統括する教育総合センターの環境が整備されています。子どもたちそれぞれのよさが発揮できる活躍の場を世田谷区内はもとより、オンラインで結ぶ広い世界に求め、その活動や体験が子どもたちの学び続ける意欲につながるよう、キャリア教育の一層の充実に取り組んでまいります。  以上です。 ◎向山 世田谷保健所長 私からは、精神疾患がある方の区の支援状況と課題認識についてお答え申し上げます。  国は、平成十六年に精神保健医療福祉の改革ビジョンをまとめ、入院医療中心から地域生活中心へという基本方針を示しました。さらに、平成十七年の障害者自立支援法の成立に伴い、三障害一元化の観点から精神障害者施策の格差是正のため、障害福祉サービスの充実が図られております。  区では、平成十六年度より、都のモデル事業として退院促進支援事業を開始し、地域移行支援を進めてまいりました。さらに、平成三十年には、国の精神障害者にも対応した地域包括ケアシステム構築推進事業の開始に伴い、精神疾患の理解促進、相談支援の拡充など事業の展開を進めております。  特に未治療、治療中断などの支援が必要な精神疾患のある方に対しては、世田谷保健所の保健師、精神保健福祉士や精神科医等で構成する多職種チームが総合支所の保健師と連携し、訪問支援による医療福祉サービスの利用支援や、措置入院者等への退院後に向けた支援を実施しております。  国の統計では、精神科病床からの退院者の約四割が一年以内に再入院しており、区の訪問支援事業の退院後の支援でも同様の課題があります。このため、医療、保健、福祉の連携強化によるさらなる支援の充実を図り、障害者と地域住民の方々の双方が安心して住み続けられる地域づくりに力を入れていく必要があると認識しております。  私からは以上です。 ◎小泉 教育政策部長 私からは、教育について三点お答えいたします。  最初に、ネットいじめについての対応でございます。  子どもたちがメールやインターネットを利用する機会は急速に増えており、それらを介したいじめが増加傾向にあることは認識しております。令和三年度においては、いじめとして認知した中で、SNS等を介したいじめが占める割合について、全国では一〇・〇%のところ、世田谷区では一二・七%となっております。  各学校においては、相手の真意が分かりづらい、気づかないうちに相手を傷つけてしまっている等のネットいじめの特徴を踏まえ、SNS等の適切な活用方法やルール、相手への配慮などについての学習を取り組んでおります。また、ネットいじめの対応には、家庭の協力も欠かせないことから、今年度、ネットリテラシーについて考える講座を全校で子どもと保護者を対象として、それぞれ一回ずつ実施しているところです。今後、教育委員会で配布している一人一台端末を活用して、子どもたちがネットいじめについても直接相談できる仕組みの構築について検討してまいります。  次に、キャリア・未来デザイン教育の推進についてです。  議員お話しのとおり、教育委員会としましては、児童生徒の社会や地域と接する機会を新たに創出して、児童生徒が学ぶことや協働することの意義を実感し、自らのキャリアを思い描くきっかけをつくることを目的として、仮称せたがや子どもハローワークの事業を展開してまいります。  今後につきましては、今年度中に試行実施を予定しており、受入れ企業等のニーズを把握するとともに、意義のある活動とするための連携協働の在り方について検証していくこととしています。また、試行実施の終了後には、児童生徒へアンケート調査等を行い、学ぶ意義が感じられたか、自らのキャリアを思い描くきっかけとなったか等について検証を行い、関係諸機関等との調整をした上で、本格実施につなげてまいります。  次に、主権者教育についてでございます。  世田谷区の将来を担う子どもたち一人一人が、主権者として自らが暮らす社会をよりよいものにするためには、まず社会の仕組みを知り、身近な問題を見つけ、解決を目指し、自分の力が生かされたと実感できる経験を積み重ねていくことが必要です。これまで主権者教育としましては、政治の働きと税金の使われ方や労働をめぐる環境の変化など、今日的な課題を含めて学び、人々が生き生きと働ける社会の実現に向けて考えを深めているところです。  議員お話しのとおり、児童生徒が区議会の仕組みなどについて実践的、体験的に学び、一人一人が身近な社会の問題を多面的、多角的に考えていくことも貴重な学びの体験となると考えております。教育委員会といたしましては、身近な社会の問題を自分の問題として捉え、主体的に解決していこうとする資質や能力が育まれるよう、様々な機関等と連携協働するとともに、区内小中学校へ積極的に働きかけてまいります。  以上でございます。 ◎知久 教育総務部長 私からは、学校施設の老朽化対策、施設整備についてお答えいたします。  学校施設整備につきましては、現在、小学校三十五人学級や耐震再診断結果への対応とともに、コロナ禍において見直しした改築事業の再開などを最優先に取り組んでいるところでございます。多くの学校が老朽化し、更新時期を迎える中、子どもたちの安全安心な教育環境を確保するため、空調設備をはじめとする施設設備の適切な維持保全や更新は喫緊の課題であるものと認識しております。  また、改築等の整備に当たりましては、医療的ケア児への支援、脱炭素社会の実現に向けたZEB化など新たなニーズへの対応に加え、今般の急激な建設費の高騰により、今後さらなる経費の増加が懸念されます。こうした状況においても、経費縮減に向けた整備手法等の検討を行いつつ、改築計画の前倒しなども含め、適切な教育環境全体の改善が着実に図られるよう、区長部局と一丸となって取り組んでまいります。  以上です。 ◆十五番(石川ナオミ 議員) 再質問ではなく、要望をいたします。二点いたします。  まず、ネットいじめについてですが、SNSでの内容をうのみにして、リアルな社会でも拡散して、それがどんどん広がっていくというようなこともありますので、ぜひとも学校現場でも親子でネットリテラシーを学ぶ時間を大切にしていただきたいというふうに思います。  そして、共生社会の実現におきましては、区長の地域の声を受け止めながらという言葉もございましたが、ぜひ寄り添っていただきたいということをお願いしたいと思います。  また、あんすこなどの相談できる体制をしっかりと整えていただきたいということも再度要望いたしまして、質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で石川ナオミ議員の質問は終わりました。  これで一般質問は終了いたしました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時五十五分休憩    ──────────────────     午後五時五分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  ここで、日程の追加についてお諮りいたします。  お手元の追加日程第一から第七に至る七件を本日の日程に追加し、ここで議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって本七件は本日の日程に追加し、ここで議題とすることに決定いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 これより △追加日程第一から △第七に至る七件を一括上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  追加日程第一 議案第九十五号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例外議案六件 ○下山芳男 議長 本七件に関し、企画総務委員長の報告を求めます。    〔三十八番畠山晋一議員登壇〕(拍手) ◎企画総務委員長(畠山晋一 議員) ただいま上程になりました議案第九十五号から議案第百一号に至る七件につきまして、企画総務委員会における審査の経過とその結果について御報告いたします。  初めに、議案第九十五号「職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」、議案第九十六号「幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」及び議案第九十七号「会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例」の三件について、一括して申し上げます。  まず、議案第九十五号及び議案第九十六号の二件は、いずれも職員の給与を改定するとともに、期末手当の支給の回数を変更するため、また、議案第九十七号は、職員の期末手当の支給の回数を変更するため、それぞれ提案されたものであります。  委員会では、理事者の説明の後、意見に入りましたところ、世田谷立憲民主党より「特別区人事委員会勧告に基づく初任給及び若年層の給与引上げについては十分理解ができ、推進していただきたい。その上で我が会派はこの間、日本全体の給与を上げていくべきだと重ねて主張してきたことから、今後は傾斜配分による引上げにとどまらず、全ての職員が納得できるよう給与体系の全体を引き上げていくべきであるとの意見を申し添え、本三件全てに賛成する」、無所属・世田谷行革一一〇番・維新より「今般の条例改正が総人件費の増加につながることを前回の委員会で確認したわけだが、我が会派としては、現下の社会状況において総人件費は抑制すべきとの立場である。また、今定例会でも取り上げているが、近年、区役所における事件や事故の類いが非常に多いと感じており、そうした中で、職員給与の増は認められないと考え、本三件全てに反対する」、減税せたがやより「円安や物価高騰を契機に日本全体で給与を引き上げていくという考え方は当然のことと認識している。そのためには、牽引役となる公務員給与の引上げが必要であるとともに、人事委員会勧告に基づく官民較差の是正や若年層への配慮という点にも賛同できることから、本三件全てに賛成する」、都民ファーストの会より「これまでは五十人未満の事業所の状況を勘案しない特別区人事委員会勧告に疑問を抱き、果たして公務員給与を上げてよいものかと反対を続けてきたところである。翻って、給与が三十年上がらない総貧困化が叫ばれ、同じ額面でも、増税や社会保障費増の影響で年収五百万円であれば、手取りは四百九万円から三百九十万円と約二十万円減少している現状を鑑みると、たとえ公務員でも現役世代の給与抑制よりも未来に期待が持てる程度には給与増にかじを切るべきと改めて考えるとともに、特に今回の改正は初任給や若手職員にフォーカスしたものであることから、本三件全てに賛成する。なお、近年、官公庁の中途採用が増えているが、区役所も正規職員の流動化や年功序列の見直しを進め、給与に見合う仕事をしていると区民から認められる組織への変革を強く求めておく」との表明がありました。  引き続き採決に入りましたところ、議案第九十五号から議案第九十七号までの三件は、いずれも賛成多数で、それぞれ原案どおり可決と決定いたしました。  次に、議案第九十八号「世田谷区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例」、議案第九十九号「世田谷区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例」、議案第百号「世田谷区教育委員会教育長の給与及び勤務時間等に関する条例の一部を改正する条例」及び議案第百一号「世田谷区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例」の四件について、一括して申し上げます。  本四件は、いずれも期末手当を改定するとともに、その支給の回数を変更するため、それぞれ提案されたものであります。  委員会では、理事者の説明の後、意見に入りましたところ、無所属・世田谷行革一一〇番・維新より「本四件に関しても、さきに申し述べた理由と同様の趣旨で反対する」、新風・せたがやの風より「物価高騰などに対応するため、社会全体で賃上げの方向に進むことが望ましく、また、公民較差の是正のため特別区人事委員会勧告を尊重すべきとの立場から、若手職員の給与引上げ、職員全体の特別給与引上げには賛成した。一方、区長をはじめとする特別職と区議会議員の期末手当については、物価高騰に賃金の上昇が追いつかず、生活が困窮する区民の方々が大勢いる現下の現況を鑑みれば、今回の引上げは区民の理解を得られないものと考える。よって今回は、引上げを見送ることが妥当と考え、本四件全てに反対する」、減税せたがやより「区議会議員の報酬引上げに関してはかねてより反対の立場であり、特に議員報酬は他と比較して高額であることから据え置きが妥当と判断し、議案第百一号について反対する」、都民ファーストの会より「副区長の給料に関しては三人制への移行に伴い二十三区で最も低い水準にあえて落とされている。そのような中、特に民間から登用した副区長には区長給料まで上がることは同意しかねるが、組織にあつれきを生むなど変革の憎まれ役を買って出ていく分のインセンティブとしての待遇改善は望むものであり、議案第九十八号には賛成する。一方、議員報酬の改定についてであるが、審議会からの答申や区長からの条例提案があるとはいえ、議員が自らの報酬を決しなければならない現行の制度に強い違和感を感じている。今後、二十三区共通の制度から逸脱したとしても、区民の意思確認を目的とした審議会または委員会の審査を経て決定されるプロセスへの改善を目指すことを表明し、議案第百一号に反対する」との表明がありました。  引き続き採決に入りましたところ、議案第九十八号から議案第百号までの三件は、いずれも賛成多数で、それぞれ原案どおり可決と決定いたしました。  また、議案第百一号については、可否同数となり、委員会条例第十四条第一項の規定により、委員長が原案どおり可決と決定いたしました。  以上で企画総務委員会の報告を終わります。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で企画総務委員長の報告は終わりました。  これより意見に入ります。  発言通告に基づき、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により八分以内といたします。  二十三番中里光夫議員。    〔二十三番中里光夫議員登壇〕(拍手) ◆二十三番(中里光夫 議員) 日本共産党は、議案第九十五号から九十七号に賛成、九十八号から百一号に反対の立場で意見を申し述べます。  議案第九十五号から九十七号は、職員、幼稚園教員職員の給与の改定を行うものです。大変な物価高騰の中、労働者の実質賃金が下がり続けています。労働者全体の大幅な賃上げが必要です。給料月額は若年層の引上げにとどまりました。全体の引上げをするべきです。一時金の引上げは勤勉手当によって引き上げますが、会計年度任用職員には勤勉手当がついておらず、一時金の引上げで差が出てしまったことを指摘しておきます。不十分な点を残していますが、労使間の合意を尊重し、賛成いたします。  議案第九十八号から百一号は、区長及び特別職の給与等の改正及び区議会議員の議員報酬の改定を行い、期末手当を上げるものです。物価高騰、そして実質賃金が下がる、年金も下がるなど、区民生活が厳しい中で、区長及び特別職、区議会議員の給与、報酬を引き上げることは、区民感情から理解を得られるものではありません。よって議案第九十八号から百一号に反対をいたします。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で中里光夫議員の意見は終わりました。  これで意見を終わります。  これより採決に入ります。本七件を三回に分けて決したいと思います。  まず、議案第九十五号から第九十七号に至る三件についてお諮りいたします。採決は起立によって行います。  本三件を委員長報告どおり可決することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○下山芳男 議長 起立多数と認めます。よって議案第九十五号から第九十七号に至る三件は委員長報告どおり可決いたしました。  次に、議案第九十八号から第百号に至る三件についてお諮りいたします。採決は起立によって行います。  本三件を委員長報告どおり可決することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○下山芳男 議長 起立多数と認めます。よって議案第九十八号から第百号に至る三件は委員長報告どおり可決いたしました。  次に、議案第百一号についてお諮りいたします。採決は起立によって行います。  本件を委員長報告どおり可決することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○下山芳男 議長 起立多数と認めます。よって議案第百一号は委員長報告どおり可決いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に △日程第二から △第六に至る五件を一括上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第二 議案第八十三号 令和四年度世田谷区一般会計補正予算(第五次)外議案四件 ○下山芳男 議長 本五件に関し、提案理由の説明を求めます。中村副区長。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 ただいま上程になりました議案第八十三号より議案第八十六号及び議案第百二号に至る五件につきまして御説明申し上げます。  まず、議案第八十三号「令和四年度世田谷区一般会計補正予算(第五次)」につきまして御説明いたします。  補正予算書の資料右上の九ページを御覧ください。本件は、保健所体制や社会的検査体制の確保をはじめとした新型コロナウイルス感染症防止対策や、せたがやPayを活用した消費喚起キャンペーンの拡充などに速やかに対応するため、補正計上するものであります。  この結果、補正後の歳入歳出予算額は、既定予算額に二十八億八千百十四万三千円を追加し、三千六百七十億六千百七十二万二千円とするものであります。  次に、議案第八十四号「世田谷区議会議員選挙及び世田谷区長選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、公職選挙法施行令の改正に伴い、公費負担の限度額を改定する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第八十五号「仮称世田谷区立玉川地域拠点保育園新築工事請負契約変更」につきまして御説明いたします。  本件は、令和三年第四回区議会定例会において、議案第九十八号として工期の変更を行ったものでありますが、工事監理事業者が配筋に係る変更の報告を区に適切に行わなかったことにより、工程を見直す必要が生じたため、工期の変更を行うものであります。  次に、議案第八十六号「財産(防災情報システム用等映像・音響機器)の取得」につきまして御説明いたします。
     本件は、総合防災情報システムの導入に合わせ、大型ディスプレー等の映像・音響機器を購入するものであります。本件の契約の締結に当たりましては、地方自治法施行令第百六十七条第一号の規定に基づきまして、指名競争入札を実施いたしました。  その結果、株式会社東和エンジニアリングが落札し、同社と四千百十四万円で契約しようとするものであります。  本二件の契約の締結につきまして、地方自治法第九十六条第一項第五号、第八号及び世田谷区議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第二条、第三条の規定に基づき御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第百二号「職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、育児休業に伴う臨時的任用職員に係る退職手当の支給要件を緩和するとともに、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第八十三号より議案第八十六号及び議案第百二号に至る五件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  なお、本五件中、議案第百二号については、地方公務員法第五条第二項の規定により、あらかじめ人事委員会の意見を聴取しております。お手元の資料のとおりであります。  本五件を企画総務委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第七及び △第八の二件を一括上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第七 議案第八十七号 世田谷区立区民センター条例の一部を改正する条例外議案一件 ○下山芳男 議長 本二件に関し、提案理由の説明を求めます。岩本副区長。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 ただいま上程になりました、議案第八十七号及び議案第八十八号の二件につきまして御説明申し上げます。  まず、議案第八十七号「世田谷区立区民センター条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷区立奥沢区民センターの位置及び施設を変更するとともに、その使用料の額を改定する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第八十八号「世田谷区清掃・リサイクル条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、廃棄物処理手数料を改定する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第八十七号及び議案第八十八号の二件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本二件を区民生活委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第九を上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第九 諮問第二号 人権擁護委員候補者推薦の諮問 ○下山芳男 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 諮問第二号「人権擁護委員候補者推薦の諮問」について御説明いたします。  本件は、人権擁護委員四名の任期満了に伴い、次期候補者を法務大臣に対し推薦する必要があるので御提案申し上げた次第です。  候補者につきましては、法の趣旨にのっとり、世田谷区社会福祉協議会、世田谷区保護司会から御推薦いただいたものであります。慎重に検討いたしました結果、推薦することを適当と認めまして、人権擁護委員法第六条第三項の規定に基づき、お諮りするものであります。  よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  ここで、委員会付託の省略についてお諮りいたします。  本件は、会議規則第三十八条第三項の規定により委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。  これより採決に入ります。  お諮りいたします。  本件を諮問どおり答申することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって諮問第二号は諮問どおり答申することに決定いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第十から △第十三に至る四件を一括上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第十 議案第八十九号 世田谷区児童養護施設退所者等奨学基金条例の一部を改正する条例外議案三件 ○下山芳男 議長 本四件に関し提案理由の説明を求めます。中村副区長。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 ただいま上程になりました議案第八十九号より議案第九十二号に至る四件につきまして御説明申し上げます。  まず、議案第八十九号「世田谷区児童養護施設退所者等奨学基金条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、条例名を変更するとともに、基金の使途及び対象者を拡大する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第九十号「世田谷区学童クラブ条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、中丸小新BOP学童クラブの活動場所を変更する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第九十一号「世田谷区立保育園条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷区立奥沢西保育園及び世田谷区立深沢保育園を廃止するとともに、世田谷区立等々力中央保育園を設置する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第九十二号「世田谷区立障害者福祉施設の指定管理者の指定」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷区立障害者福祉施設の指定管理者を指定するため、地方自治法第二百四十四条の二第六項の規定に基づき御提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第八十九号より議案第九十二号に至る四件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本四件を福祉保健委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第十四及び △第十五の二件を一括上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第十四 議案第九十三号 世田谷区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例外議案一件 ○下山芳男 議長 本二件に関し、提案理由の説明を求めます。岩本副区長。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 ただいま上程になりました議案第九十三号及び議案第九十四号の二件につきまして御説明申し上げます。  まず、議案第九十三号「世田谷区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、東京都市計画世田谷西部地域上祖師谷・給田地区地区整備計画区域において、計画地区を追加するとともに、当該区域における建築物の制限内容を変更する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第九十四号「世田谷区立公園条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷区立上北沢しゃりん公園を設置する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第九十三号及び議案第九十四号の二件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本二件を都市整備委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第十六を上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第十六 同意第七号 世田谷区教育委員会教育長任命の同意 ○下山芳男 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 ただいま上程になりました同意第七号「世田谷区教育委員会教育長任命の同意」について御説明いたします。  本件は、世田谷区教育委員会の渡部理枝教育長の任期が令和四年十一月三十日をもって満了となるため、再任いたしたく、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四条第一項の規定に基づき、御提案申し上げた次第でございます。  御承知のとおり、渡部理枝教育長は、昭和五十二年に教職に就かれて以来、本区をはじめ東京都の教育の現場の第一線で活躍され、教育の向上に貢献されてこられました。そして、令和元年五月からは教育長として、第二次世田谷区教育ビジョンに掲げる地域とともに子どもを育てる教育の推進や、世田谷区立教育総合センターの開設及び運営、地域との連携や協働による教育の実践など、区の教育行政の発展向上のために尽力されています。  このような多年にわたって蓄積された教育に関する豊富な知識と経験に加え、優れた識見と誠実なお人柄は、教育長として再度任命するにふさわしいと考え、任命の同意を求める次第でございます。  何とぞ御同意賜りますようお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  ここで委員会付託の省略についてお諮りいたします。  本件は、会議規則第三十八条第三項の規定により委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。  これより意見に入ります。
     発言通告に基づき、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により十分以内といたします。  三十六番ひえしま進議員。    〔三十六番ひえしま進議員登壇〕(拍手) ◆三十六番(ひえしま進 議員) 教育長任命の同意について、賛成の立場から意見を申し上げます。  渡部教育長は就任から一年もたたずして、教育現場で新型コロナ感染症対策の最前線に立たれ、前例のない中で数々の判断をされてきたことと思います。このことについては心から敬意を表するものであります。  しかしながら、区民としては、同時に何か物足りなさを感じることもまた事実であります。教育長としての本来の能力をまだまだ十分に発揮されていないのではないか。ややもすると、区長の顔色をうかがい過ぎてはいないか。そのような印象も受けます。  昨今、Z世代という言葉がメディアで取りざたされております。このZ世代の一昔というのは五年くらいのことだそうであります。つまり、子どもたちを取り巻く環境は恐ろしいほどのスピードで変化をしており、迅速な対応が必須であります。例えば学校給食時の黙食について、いつまでも同じ状況に子どもたちを置き続けてよいわけはありません。医療的ケア児についても、いまだに保護者への校内待機を求め続けております。問題解決や決断が遅いことについては苦言を呈し、さらなる取組を求めます。  学校は楽しいところであるべきですが、言うまでもなくレジャーランドではありません。あくまでも、学ぶ楽しさを会得する場所であると思います。そのためにも、教育長御自身が学ぶ楽しさを体現する存在であり続けることを望み、賛成意見とします。(拍手) ○下山芳男 議長 以上でひえしま進議員の意見は終わりました。     ────────────────────  続いて、発言通告に基づき発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により十分以内といたします。  四十九番阿久津皇議員。    〔四十九番阿久津皇議員登壇〕(拍手) ◆四十九番(阿久津皇 議員) 教育長の任命に対して、賛成の立場から意見を添えさせていただきます。  渡部教育長におかれましては、現職の校長先生から世田谷の教育行政の司令塔となり、その環境の違いに戸惑われることの多かった三年半ではなかったかと推察いたします。誰一人取り残さない教育、また、現職時代から心血を注いできたキャリア教育の推進、就任時に掲げられたビジョンは、多少形が見えてきたものの、当初抱いた期待感からまだまだ物足りなさを感じています。  加えて、老朽化著しい学校施設の改修・改築、いじめ・不登校の問題、教員不足への対応、ICT教育の推進など、教育長として取り組むべき課題は山積しており、そうした課題の解決には、より力強いリーダーシップが求められます。  さらには、本定例会でも多くの会派が取り上げている学校給食無償化について、区長は何らかの形でと、政策的妥当性もその根拠となるエビデンスもない施策をどうにかして実現させたいようですが、渡部教育長には、教育行政をつかさどるものとして、本当に給食費無償化こそが今最優先される政策となり得るのか、胸に手を当てて熟考していただくことを切に要望いたします。その上で敢行するということならば、それは世田谷区教育行政にとって極めて重い決断になるということを申し添えておきます。  一昨日の我が会派の代表質問に対し、渡部教育長は、子どもたちが明るい未来を思い描ける、子どもを中心とした教育のために、変化を恐れず、まずは教育委員会と学校が変わっていく必要があると考え日々取り組んでいると述べられました。まさに今、教育委員会と学校が変わろうとしている道半ばであるならば、次の任期こそが教育長の思い描く教育の姿を具体的に実現していくチャレンジになると思います。  次なる任期において、これからの世田谷の教育、学びの充実に向け、渡部教育長のさらなるリーダーシップに大いに期待して、賛成の意見といたします。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で阿久津皇議員の意見は終わりました。  これで意見を終わります。  これより採決に入ります。採決は起立によって行います。  お諮りいたします。  本件を同意と決定することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○下山芳男 議長 起立全員と認めます。よって同意第七号は同意と決定いたしました。  ただいまの同意に伴い、渡部教育長から挨拶があります。 ◎渡部 教育長 議会の皆様の御同意をいただきましてありがとうございます。  初めの就任の挨拶において、私は、子どもには無限の可能性がある、活躍の機会に恵まれない子どもを置き去りにしないとお話をさせていただきました。コロナ禍においては、誰一人置き去りにしないという言葉の重みを日々痛感しています。この気持ちは今も変わることなく、予測困難な時代においても、子どもたちが変化を恐れることなく、むしろその変化に積極的に向き合い、互いの違いを認め、多様性を尊重し合い、一人一人が存分に力を発揮できる環境の整備に努めてまいります。  新しい出発に際し、私が長く学校現場で子どものそばにいた経験を最大限に生かし、この感覚を大切にしながら、五万人の子どもたちのために、四千人を超える教職員、これを支える教育委員会全職員とともに誠心誠意全力を尽くしてまいります。  今後とも御指導、御鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で挨拶は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第十七を上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第十七 請願の付託 ○下山芳男 議長 受理いたしました請願は、請願文書表に掲げましたとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時四十二分散会...